建設業の許可を取ろうとすると、社会保険の加入状況を記入した書類の提出が求められます。一般的な建設業者では、労災を除いた3つの保険に加入します。健康保険、厚生年金保険、雇用保険ですね。
2012年11月1日から建設業の許可を申請するときには、社会保険の加入が厳しく審査されることになりました。
| 建設業での社会保険の加入は増えてるの?
2017年10月の公共事業労務費調査では、平成29年10月の3保険(雇用保険、健康保険、厚生年金保険)に加入している企業は約97%でした。ほとんどの企業では3保険を加入しているようです。労働者別に見ますと約85%になっています。
企業別と労働者別で10%以上の数字の開きがあります。これは統計上の理由で、一人親方などの加入義務のない方も“未加入”に含められています。ですから、労働者別だと“未加入”の割合が増えてしまうのです。
企業別・労働者別を年度ごとに見てみましょう。左が企業別、右が労働者別です。
2011年 約84% 約57%
2012年 約87% 約58%
2013年 約90% 約62%
2014年 約93% 約67%
2015年 約95% 約72%
2016年 約96% 約76%
2017年 約97% 約85%
労働者別では、2013年頃から増えだして2017年に急増しています。建設業の許可申請のときに社会保険の加入を厳しく審査しだした時期が2012年ですから、ちょうど重なりますね。許可申請時の審査が有効に機能したのでしょう。
| 社会保険の加入状況の提出書類(大阪)
1 健康保険等の加入状況を記入する書類
社会保険に加入しているかどうかは“健康保険等の加入状況(様式第二十号の三)”に記入します。こちらがその用紙になります。
“加入保険の有無”の欄に“健康保険”“厚生年金保険”“雇用保険”と3つの枠があり、それぞれ加入していれば“1”、加入していなければ“2”、適用除外なら“3”を記入します。加入している場合には、事業所整理記号などを記入します。
従業員数の( )の中には、役員、個人事業主、同居の親族である従業員の人数を記入します。
記入例はこちらです。
2 添付書類(証拠書類)
本当に加入しているかどうかは証拠書類を提出して証明します。証拠書類には次のようなものがあります。
(1)健康保険・厚生年金保険
次の書類のうちどれか1点のコピーを提出します。
・保険料納付の“領収書”(直近のもの)
・保険料納付の“社会保険料納入証明書”(直近のもの)
協会けんぽなどに申請をして発行してもらいます。
・保険料納付の“社会保険料納入確認書”(直近のもの)
協会けんぽなどに申請をして発行してもらいます。
・“標準報酬決定通知書”(直近のもの)
・“健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届”(加入手続時のもの)
(2)雇用保険
次の書類のうちどれか1点のコピーを提出します。
・“労働保険概算・確定保険料申告書”(直近のもの)
・保険料納付の“領収済通知書”(直近のもの)
・“雇用保険被保険者資格取得等通知書”(事業主通知用)
・“雇用保険適用事業所設置届”(事業主控)
| まとめ
1 2013年頃から社会保険の加入者が増加!
2 2017年では約85%の建設業従事者が加入済み!
3 建設業許可申請時には添付書類を忘れずに!