経営革新等支援機関の更新手続き

| 認定支援機関の更新制度

 

経営革新等支援機関は“認定支援機関”と呼ばれます。いわゆる通称ですね。認定支援機関は国が認定した税務・金融・企業財務の専門家です。平成24年に“中小企業等経営強化法”が改正され、個人だけでなく法人や中小企業支援機関などが認定されています。

認定支援機関は経営革新等の支援やモニタリング支援が中核ですが、経営改善や創業・新事業展開、補助金、融資制度の活用など経営全般にわたります。“業績アップを図りたい!”“財務内容や経営状況の分析を行いたい!”“経営の向上を図りたい”などのご相談にお応えします。

平成29年までは認定支援機関制度の更新はありませんでした。平成30年5月に産業競争力強化法が改正され、平成30年7月から認定支援機関の更新制度が導入されました。

更新時の申請書類は認定のときに提出した書類と同じです。5年間の認定期間が終了する前に更新認定がされるように手続きをします。一応、認定期間終了前30日までとなっていますが、一定期間ごとにまとめて認定されるため早めに手続きをしておいた方がよさそうです。

更新のときには次の3点を確認されるようです。

・専門的知識

・法定業務を含む一定の実務経験

・業務の継続実施に必要な体制

記入例やFAQを読んでもわかりにくいのが専門的知識と実務経験です。役所に問い合わせながら分かったことをまとめたいと思います。

 

| 更新手続きの概要

 

1 実施体制

実施体制は法人の場合3名必要ですが、個人の場合は1人でもOKです。法人の場合の3名は統括責任者、統括補佐、担当主任です。個人の場合は統括責任者のみになります。

そのほかに3年間の経営状態の申告が必要です。赤字でない方が必要な書類が少なく更新手続きが楽になります。

2 専門的知識

ここからがややこしくなるのですが、まず以下の個人・法人は専門的知識があるとされます。

・税理士、税理士法人

・弁護士、弁護士法人

・公認会計士、監査法人

・中小企業診断士

・金融機関

これらの士業や法人でない場合には、2つの方法があります。1つめは実務経験、2つめは中小企業経営改善計画策定支援研修の理論研修の受講です。

実務経験は、経営革新等支援計画などの作成を3件以上です。これの例が挙げられていますので一部を転載します。

・経営革新計画

・経営力向上計画

・中小企業小径事業再生計画

・ものづくり補助金

・経営改善計画策定支援事業

・先端設備等導入計画

・事業承継税制

・事業承継補助金

これらの中では経営力向上計画を3件作成している方が多いようです。更新申請書には認定番号や認定日を記入しなければいけませんので、期間に余裕をもって取り組まないと間に合わないかもしれません。支援者からの証明書も必要です。

もう一つが中小企業経営改善計画策定支援研修の理論研修です。中小企業大学校で開催している研修で、全部で4コース17日間(120時間)あります。実務経験が1~2件しかない場合にも理論研修を2コース受講すればOKです。

3 実務経験

実務経験は2種必要です。1つめは経営革新等支援業務を1年以上、2つ目は中小企業の支援業務を3年以上です。

経営革新等支援業務は専門的知識で必要な実務経験と同じものです。1つの案件を両方で使いまわしてもOKです。例えば、経営力向上計画を1年ごとに1件ずつで計3件、各6ヵ月要したとすると、3件の実務経験と1年6か月の実務経験が認められます。

中小企業の支援業務は、経営相談、販路開拓支援、現場改善支援などです。こちらは5年間で3年以上ですから、細かな支援業務を列挙していくことになりそうです。
これらの経営革新等支援業務と中小企業の支援業務の期間が足りない場合は、中小企業経営改善計画策定支援研修の実践研修の受講が必要です。理論研修と同じく中小企業大学校で受講します。全部で2日間12時間のコースです。

 

更新手続きを簡単にまとめますと、【専門的知識】一定の士業や金融機関以外なら経営革新等支援業務(3件)か理論研修の受講が必要で、かつ【実務経験】全ての更新希望者は経営革新等支援業務(1年)と中小企業の支援業務(3年)の実務経験か実践研修の受講が求められます。

 

| まとめ

 

1 認定支援機関に更新制度を導入!

2 更新の要件は実施体制、専門的知識、実務経験の3つ!

3 理論的知識と実務経験の両方で実務経験が求められる方も!



ブログランキングに参加しています。ボタンをクリックしていただけると更新の励みになります。右のサイドバーからもぜひ!(スマホの方は下部のバナーから!)


にほんブログ村 企業ブログへ

違法行為をする行政書士と士業の役割

| 確定申告書の作成で元行政書士を逮捕

 

税理士資格がないにもかかわらず所得税の確定申告書を作成して逮捕された元行政書士。“元”といいますのも、平成28年に行政書士の資格しか持たないのに税務書類を作成したとして有罪判決(執行猶予付き)を受けていたために、行政書士資格を失っていたようです。

行政書士法では、禁固以上の刑に処せられて3年以内であったり懲戒処分などを受けて3年以内だったりすると、行政書士の登録ができないことになっています。日本行政書士会連合会に登録を拒否されてしまいます。

以前から何度も税務書類を作成していたようですから悪質な事件ですね。執行猶予中の同種の犯罪であれば、今回は実刑判決になるかと思われます。

この事件は業際問題として異なる士業間で大きな争いのある分野ではありませんが、専門家は別として普通は行政書士と税理士のできることをきちんと把握している方は少ないのではないでしょうか。今回は、行政書士やその他の士業の業務のおおよその区別をまとめたいと思います。

 

| 行政書士の業務

 

行政書士は主に官公庁に提出する書類を作成して提出の代行をします。官公庁への提出書類は細かな決まりがあって、仕事の片手間に書類を作ろうとしてもなかなか難しくなっています。代わりに作成や手続きの代行するのが行政書士です。

業務の内容はとても広く、建設業許可や産業廃棄物の許可、開発許可、会社設立、相続・遺言、外国人の出入国関係、契約書の作成などビジネスやプライベートでの書類作成を担っています。

行政書士になるには、行政書士試験に合格するのが一般的です。弁護士、弁理士、公認会計士、税理士資格を有していると、試験を受けずに行政書士に登録することができます。試験は士業の中では易しい部類ですが、国家資格全体では比較的難易度が高いと思われます。

 

| 社会保険労務士の業務

 

社会保険労務士は社会保険、人事・労務管理などを含めて労働者の福祉関連の相談や手続きを行います。労働関係や社会保険のスペシャリストで官公庁に提出する書類の作成・提出代行が主な業務です。独立開業している方もいらっしゃいますが、企業内で活躍されている方も多くいらっしゃいます。

昭和の時代に行政書士から独立した資格です。社会保険労務士になるには、社会保険労務士試験に合格するのが一般的です。その他には年金事務所などで2年以上労働社会保険関係事務に従事したり講習を受けたりして資格登録をすることができます。

 

| 司法書士の業務

 

司法書士は登記や供託などを主な業務としています。書類を作成し手続きを代行します。登記には土地や建物の不動産登記と会社の商業登記があります。取締役の任期などで商業登記を依頼される会社も多いのではないでしょうか。

これらの業務以外にも、簡易裁判所での訴訟代理や民事調停での代理など裁判所関係で活躍されている方もいらっしゃいます。司法書士事務所で経験を積んでから独立される場合が多いようです。

司法書士になるには、司法書士試験に合格するか、裁判所書記官などを一定期間経験し法務大臣の許可を受ける必要があります。試験は1日で終わりますが、かなり難易度の高い試験です。大学の法学部を卒業したとしても簡単には受からないと言われています。

 

| 弁護士の業務

 

弁護士は裁判での代理人として事実を整理したり交渉を行ったりします。業務の内容は広く、民事事件や刑事事件の訴訟、事件の処理、離婚・交通事故の示談交渉など多くの場面で活躍しています。

法律事務所で経験を積んでから独立したり、そのまま法律事務所内で出世する方などさまざまです。

弁護士になるには司法試験に合格しなければいけません。司法試験の合格は弁護士以外にも裁判官や検察官になるためにも必須です。司法試験を受験するには法科大学院を卒業したり予備試験に合格しなければいけませんし、受験回数や年数にも制限があります。合格後は1年間の修習があります。

 

| 公認会計士の業務

 

公認会計士は企業の会計や税務、財務を監査します。社内の従業員や税理士が実際の会計作業をし、公認会計士はそのチェックを行ったりコンサルタントのような業務を行います。財務諸表の正確性を証明する役割もあります。

大きな企業が顧客で会計監査が主な業務ですから、個人で開業をされている方は比較的少ないと言われています。

公認会計士になるには、公認会計士試験に合格して2年以上の実務経験と実務補修を修了したのちに登録が可能になります。試験自体の難易度が高いですから、公認会計士になるにはかなり大変です。

 

| 税理士の業務

 

税理士は納税などの申告をします。税務書類の作成、税金の申告の代理、税務相談が主な業務で、財務や会計についてアドバイスしたり、税務調査に立ち会ったりします。

公認会計士と違って中小企業が主な顧客です。ですから、経営相談などコンサルティングのような業務を行うこともあります。

税理士事務所で経験を積んでから独立する場合と、そのまま勤務する場合があります。

税理士になるには、税理士試験に合格するか、弁護士や公認会計士資格を持っていて2年以上の会計事務経験が必要です。税理士試験は11科目の中から5科目を選択しますが、年に1科目ずつ受験することが可能です。そうはいっても難易度の高い試験です。

 

| 弁理士の業務

 

弁理士は知的財産を特許や意匠などの権利にするために特許庁への出願を代理します。現在は情報が重要な時代で、知的財産を権利として保護・活用するためにニーズが高まっているといわれています。

法律に関する業務ですが、行政書士・司法書士・弁護士などとは違い、理系の知識が必要な業務です。

弁理士になるには弁理士試験に合格する必要があります。一般には特許事務所や企業で特許などの実務経験を積んでから受験することが多いようです。

 

| まとめ

 

1 行政書士は士業の中でも広範囲な業務!

2 社会保険労務士は労務のスペシャリスト!

3 司法書士は登記が主な業務!

4 弁護士は法律系資格で最難関!

5 公認会計士は会計監査が主な業務!

6 税理士は税務関連の専門家!

7 弁理士は知的財産全般を取り扱います!



ブログランキングに参加しています。ボタンをクリックしていただけると更新の励みになります。右のサイドバーからもぜひ!(スマホの方は下部のバナーから!)


にほんブログ村 企業ブログへ

第1号被保険者ってなに?

第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者などという言葉を聞くことがあります。インターネットでも見ることがあります。第1号被保険者などは一体どんな加入者のことなのでしょうか。

 

 

| 国民年金の被保険者の場合

国民年金には強制加入の被保険者と任意加入の被保険者がいます。国民年金は強制加入と思っていましたが、任意加入になる方がいらっしゃいます。任意加入になる方は第1号加入者の方のみで、次のいずれかに該当する方です。

・日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の方で、厚生年金保険の老齢給付等を受けることができる方

・日本国内に住所がある60歳以上65歳未満の方

・日本国籍を有していて日本国内に住所がない20歳以上65歳未満の方

この他に特例任意加入被保険者という方もいて、次の要件を満たした場合に任意加入被保険者になることができます。

・昭和40年4月1日以前に生まれた方

・老齢年金の受給権を有しない方

・日本国内に住所がある65歳以上70歳未満の方

・日本国籍を有していて日本国内に住所がない65歳以上70歳未満の方

一方で、強制加入になる方は次のとおりです。

・20歳に達した方(誕生日の前日)(第1号被保険者)

・日本国内に住所がある方(第1号被保険者)

・厚生年金の老齢給付等を受けることができなくなった方(第1号被保険者)

・厚生年金の被保険者の資格を取得した方(第2号被保険者)

・被扶養配偶者となった方(第3号被保険者)

・被扶養配偶者で20歳になった方(第3号被保険者)

強制加入になる場合をみると何となく第1号被保険者~第3号被保険者の区別が分かってきた気がします。国民年金法の第7条第1項によりますと、次のように分けられています。

・第1号被保険者:自営業者など

・第2号被保険者:会社員・公務員

・第3号被保険者:会社員・公務員の妻など

 

| 厚生年金の被保険者の場合

 

国民年金と同じように厚生年金の被保険者もいくつかに分けられています。国民年金の場合は3種類でしたが、厚生年金の場合は4種類に分けられています。

・第1号厚生年金被保険者:第2号~第4号までの被保険者以外の被保険者

・第2号厚生年金被保険者:国家公務員共済組合の組合員

・第3号厚生年金被保険者:地方公務員共済組合の組合員

・第4号厚生年金被保険者:私立学校教職員共済制度の加入者

第1号の被保険者はさらに3種類に分けられています。

・第1種被保険者:第3種被保険者以外の男子

・第2種被保険者:第3種被保険者以外の女子

・第3種被保険者:坑内員、船員

厚生年金に加入されている方の多くは第1号の第1種か第2種ですね。公務員なら第2号か第3号、私立学校の教職員なら第4号になります。

 

| まとめ

 

1 国民年金は自営業者などが第1号被保険者!

2 厚生年金は民間のサラリーマンが第1号厚生年金被保険者!

3 サラリーマンの配偶者は第3号被保険者かつ被扶養者!



ブログランキングに参加しています。ボタンをクリックしていただけると更新の励みになります。右のサイドバーからもぜひ!(スマホの方は下部のバナーから!)


にほんブログ村 企業ブログへ

厚生年金の加入は強制?

| 強制適用事業所と任意適用事業所

 

以前の“社会保険に強制加入!?”という記事で書きましたが、強制的に労働保険や社会保険に加入させられる事業所があります。労働保険には労災と雇用保険、社会保険には健康保険と厚生年金がありますが、ここでは厚生年金を中心に社会保険に絞って少し詳しく書きたいと思います。

事業所は強制適用事業所と任意適用事業所に分かれています。法人か個人か、事業の種類は何か、従業員は何人いるかで分けられています。

 

| 強制適用事業所になる場合

 

強制適用になる事業所は次の1~3のすべてに当てはまる事業所です。全てに当てはまらなくても任で加入できる場合があります。

1 法人、一定の個人事業者

法人で常時従業員を使用する事業所はすべて強制適用事業所です。従業員のいない一人会社の社長さんいらっしゃいますが、一人会社でも加入しなければいけません。

中小企業が加入することの多い協会けんぽの統計では、強制適用事業所数の推移は平成24年~26年までは約14,000~15,000事業所でしたが(前年比約3%増加)、平成27年度は約16,000事業所(前年比約6.8%増加)、平成28年度は約16,700事業所(前年比約4.6%増加)と増えてきています。

加入者数の増加率は毎年約1%ですから、1~2名の事業所の加入が多くなってきているのではないでしょうか。平成27年ころから加入逃れの疑いのある事業所への指導が強化されてきたという話も聞きます。一人会社の社長さんは指導を受けないようにお気を付けください。

個人事業所の場合には、下の3のとおり、5人以上の従業員を使用している事業所が強制適用になります。

2 工場、商業などの事業

強制適用になる事業の種類には次のものがあります。

・工場(製造・加工・修理・解体など)

・土木、建築業

・鉱業

・電気業

・運送業

・貨物荷役業

・焼却、清掃、屠殺業

・商業(飲食、料理業は除く)

・金融保険業

・保管賃貸業

・媒介周旋業

・集金、案内、広告業

・教育、研究、調査業

・医療

・通信、報道事業

・社会福祉、更生保護事業

5人以上の従業員がいる個人事業所で、強制適用事業所にならない業種は次のとおりです。

・農業

・牧畜業

・水産養殖業

・漁業

・サービス業(ホテル、旅館、娯楽などのレジャー産業)

・法務(弁護士、会計士、税理士など)

・宗教(神社、寺院、教会など)

3 個人事業所で5人以上の従業員を使用する事業所

法人では一人会社の社長さんも強制加入ですが、反対に個人事業主の代表さんとそのご家族は加入できません。個人事業から法人成りする場合には大きな負担になることもあります。なお、5人の中には家族従事者は含まれません。

 

| 厚生年金の適用が除外される人

 

社会保険が強制適用される事業所に勤める人の中には、適用が除外される人がいます。次に当てはまる人は適用が除外されます。

・日雇い労働者(1か月を超えて引き続き使用する場合は除く)

・2か月以内の期間雇用者(2か月超の雇用の場合超えた日から被保険者)

・4か月以内の季節労働者

・6か月以内の臨時労働者

・所在地が一定しない事業に雇用される労働者

・70歳以上の労働者(厚生年金のみ)

・短時間労働者

短時間労働者については、日・週あたりの勤務時間や1か月の勤務日数が正規の労働者のおおむね3/4以上の場合には強制加入になります。

ただし、常時501人以上の企業に勤務する労働者は、次の条件のすべてに該当すると勤務時間や勤務日数が3/4未満でも社会保険に加入しなければいけません。

・週の所定労働時間が20時間以上

・見込まれる雇用期間が1年以上

・賃金が付き8.8万円以上

・学生でないこと

500人以下でも次の事業所に勤める短時間労働者も強制加入になります。

・労使合意に基づいて申出をしている法人や個人事業所

・地方公共団体に属する事業所

短時間労働者に対する強制加入がどんどん拡大されています。強制的に適用されるかどうかがかなりややこしいですが、アルバイトさんやパートさんでも社会保険に加入しなければいけない場合がありますのでご注意ください。

 

| まとめ

 

1 法人なら一人会社でも強制加入!

2 強制適用事業所数は増加傾向!

3 短時間労働者の強制加入が拡大中!



ブログランキングに参加しています。ボタンをクリックしていただけると更新の励みになります。右のサイドバーからもぜひ!(スマホの方は下部のバナーから!)


にほんブログ村 企業ブログへ

最近話題の確定拠出年金って?

| 年金は3階建て

 

年金には国民年金や厚生年金がありますがその他にもいくつかの種類があります。企業年金やiDeCoですね。これらを合わせると、年金は3階建て構造になっています。

1階には国民全員が加入している国民年金。2階はサラリーマンなどが加入している厚生年金や自営業者などが加入している国民年金基金です。3階は企業年金や個人で加入できる確定拠出年金です。

元々年金は給付額が約束された確定給付型でした。国民年金や厚生年金がそうですね。ところが、社会情勢から利回りの確保などが難しくなってきましたので、平成13年に確定拠出年金制度(401K)が始まりました。同時に確定給付企業年金制度も始まっています。

この“確定拠出型”と“確定給付型”は何が違うのでしょうか。確定給付企業年金では、企業などが支払った掛金を生命保険会社や信託銀行などの金融機関が運用しています。イメージ的には個人年金保険や学資保険のようなものです。ある程度将来受け取れる年金の額が約束されています。

確定拠出年金は、企業や加入者は掛金を運営管理機関に支払っていくつかの選択肢から自分で運用の仕方を決めます。運用次第で将来受け取れる金額が変わってきます。

 

| 確定拠出年金ってなに?

 

確定拠出年金には大きく分けて2種類あります。企業型年金と個人型年金です。

1 企業型年金(企業型DC)

企業型年金は厚生年金保険の適用事務所で過半数の労働者の同意を得た企業が実施します。掛金を運営管理機関に委託したり、積立金を資産管理機関に預けたりします。

加入者は厚生年金保険の加入者で原則60歳未満の方です。掛金は原則として事業主が拠出するのですが、企業型年金規約で定めれば加入者も拠出できます。掛金の上限額は次のようになっています。

・企業年金制度が“ない”企業の従業員:55,000円/月

・企業年金制度が“ある”企業の従業員:27,500円/月

2 個人型年金(iDeCo)

個人型年金は厚生年金の加入者以外に国民年金の加入者も加入できます。連合会と呼ばれる組織が規約を作ったり変更したりします。運営管理業務は運営管理機関に委託する必要があり、資産管理も金融機関に委託されることが多いです。掛金は加入者自身が支払います。上限額は次のとおりです。

・国民年金1号被保険者    :68,000円/月

・企業年金がない企業の従業員:23,000円/月

自分で運用を決められるといっても数多くの中から適切なものを選択することは難しいです。そこで、運営管理機関は定期預金や投資信託など3つ以上の選択肢を提示します。加入者はその中から運用方法とそれぞれに充てる金額を決めます。しかも、提示された運用方法のうち少なくとも1つは元本が確保されたものです。安心感がありますね。

 

| 確定拠出年金のメリットとデメリット

 

確定拠出年金にはメリットとデメリットがあります。ここではよく言われているものを3つずつご紹介します。

1 メリット

・税制優遇措置

個人拠出分の掛金は全額所得控除の対象になります。また、運用益は非課税ですし、年金や一時金で受け取るときにも控除が受けられます。

・運用コストを安くできる

一般にファンドを利用すると購入時手数料がかかりますが、確定拠出年金用の商品では購入時費用がかからないのが普通です。管理費用も一般の投資信託よりも安くなっていることが多いです。ただし、口座開設や維持に手数料がかかります。

・企業型確定拠出年金なら倒産時も安心

企業型確定拠出年金は社外に拠出金を積み立てます。ですから、もし会社が倒産しても年金資産が保護されます。

2 デメリット

・元本割れの可能性

資産運用ですから、預貯金とは違った利回りで運用できる反面、元本割れのリスクもあります。

・60歳まで引き出せない

国民年金や厚生年金と同様に、60歳まで積み立てた資産を引き出すことができません。逆に考えると、引き出せないから貯められるとも考えられます。

・原則中途解約不可

企業型の場合は会社が導入して掛金を支払っていると自分だけ加入しないということはできません。個人型の場合は、掛け金の負担を軽減するために解約するのは制限されています。ただし、掛金を減額したり運用だけを続けたりすることができます。

 

| まとめ

 

1 年金は国民年金・厚生年金・企業年金の3階建て!

2 確定拠出年金には企業型と個人型があります!

3 確定拠出年金にはメリットとデメリットがあります!



ブログランキングに参加しています。ボタンをクリックしていただけると更新の励みになります。右のサイドバーからもぜひ!(スマホの方は下部のバナーから!)


にほんブログ村 企業ブログへ
Translate »