前回、前々回と健康診断について一般健康診断と特殊健康診断をまとめました。今回はその他の健康診断などをまとめたいと思います。
| その他の健康診断
1 臨時健康診断
事業場で職業性の疾患が多発した場合や有害物の大量漏洩があった場合などに、都道府県の労働局長が指示して検査をします。労働局長は労働衛生指導医の意見に基づいて、指示を出すかどうかを判断します。
2 自発的健康診断
深夜業に従事して常時使用される労働者は、深夜業が6か月間を平均して4回以上/月の場合には、自分で受けた健康診断の結果を3か月以内に事業者に提出することができます。“常時使用”“深夜業”“6か月平均4回以上/月”がポイントです。
3 労働者指定医師による健康診断
事業者が指定した医師などの健康診断を労働者が拒否した場合、労働者は他の医師や歯科医師の健康診断を受けて書面を事業者に提出します。
| ストレスチェック
ストレスチェックは一定の規模の事業所に義務付けられています。心理的な負担について検査します。
常時50人以上の労働者を使用している事業場では、ストレスチェックが義務になっています。常時50人未満の労働者を使用する事業場では努力義務です。
対象は常時使用する労働者で、1年以内ごとに1回、定期に検査します。検査をするのは、医師、保健師、研修を受けた看護師・精神保健福祉士です。
実施するにあたって、解雇・昇進・異動について直接権限を持つ監督的地位にある人は実施事務ができません。監視しているみたいになりますものね。
検査項目は次の3つです。
・職場における心理的な負担の原因
・心理的な負担による心身の自覚症状
・職場での他の労働者による当該労働者への支援
検査をした医師などからの検査の結果は基本的に労働者に通知されます。事業者への通知は労働者の同意がなければできません。
検査結果の報告を受けた場合は1年以内ごとに1回、定期に所轄の労働基準監督署長に提出します。また、検査結果を分析する努力義務が課せられていて、心理的な負担を軽減するための措置を講ずる努力義務も課せられています。
| 面接指導
面接指導には2つあります。一つは長時間労働に関する面接指導、もう一つはストレスチェックに基づく面接指導です。どちらも労働者から申し出があった時に事業者は遅滞なく面接指導をします。
1 長時間労働に関する面接指導
残業時間が1月100時間超の場合、かつ疲労の蓄積が認められる労働者が対象です。ただし、前月に面接指導を受けていて医師が面接指導の必要がないと認めた労働者については除外されます。
面接指導では、次のことを確認します。
・労働者の勤務の状況
・労働者の疲労の蓄積の状況
・その他、労働者の心身の状況
会社の産業医は、面接指導の申し出をするように勧奨することができます。面接指導をした場合、医師の意見を聞いたうえで必要があると認めるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮などの措置を講じます。
2 ストレスチェックに基づく面接指導
検査の結果、心理的負担の程度が高くて面接指導を受ける必要があると医師などが認めた労働者が対象です。
面接指導では次のことを確認します。
・労働者の勤務状況
・労働者の心理的な負担の状況
・その他、労働者の心身の状況
長時間労働に関する面接指導と同様に、面接指導をした場合には、医師の意見を聞いたうえで必要があると認めるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮などの措置を講じます。
| まとめ
1 深夜業の方は自発的な健康診断の結果を提出できます!
2 ストレスチェックは50人以上の事業場での義務です!
3 面接指導の申出ができる場合があります!