| 基本的な原則
男女で賃金の差別はダメだということはよく知られています。労働基準法の基本的な原則の一つです。労働基準法第4条には次のように書かれています。
(男女同一賃金の原則)
第四条 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。
女性であるという理由で男性と比べて有利にも不利にも取り扱ってはいけません。また、賃金体系や賃金形態なども含まれますので、男性は月給制で女性は週給制というのもいけません。
ただし、職務内容・能率・技能・年齢・勤続年数などで個人的差異が生じても違反にはなりません。
実は、賃金にはこれ以外にも5つの原則があります。通称で“賃金支払5原則”と呼ばれているようです。
| 賃金支払5原則ってなに?
賃金支払の5原則は次の5つです。
1 通貨払の原則
2 直接払の原則
3 全額払の原則
4 毎月1回以上払の原則
5 一定期日払の原則
これらは原則ですから例外もあります。原則と例外はセットなんですね。
1 通貨払の原則
原則:賃金は通貨で支払わなければならない
例外
・法令・労働協約に別段の定めがある場合(現在の法令には定めがありません)
・次の確実な支払方法による場合(労働者の同意が必要)
口座振込、金融商品取引業者への払込、銀行振出小切手(退職金のみ)、銀行支払保証小切手(退職金のみ)、普通為替証書など(退職金のみ)
2 直接払の原則
原則:賃金は、直接労働者に支払わなければならない
例外
・使者への支払いは可(代理人などはダメ)
・派遣先使用者が派遣元使用者からの賃金を派遣労働者に手渡すことは可
3 全額払の原則
原則:賃金は、その全額を支払わなければならない
例外
・法令に別段の定めがある場合(源泉徴収、社会保険楼の控除など)
・労使協定がある場合(社宅費、組合費の控除など)
4 毎月一回以上払の原則、一定期日払の原則
原則:賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない
例外
・臨時に支払われる賃金
・賞与
・1か月超の期間の出勤成績による精勤手当
・1か月超の一定期間の継続勤務に対する勤続手当
・1か月超の期間の奨励加給・能率手当
・所定の支払日が休日の場合
| まとめ
1 賃金には男女差別禁止以外の原則があります!
2 通貨・直接・全額・月1・一定期日が5原則!
3 賃金支払5原則には例外あり!