大規模マンションに保育園!

| 待機児童の解消を狙う

 

平成29年6月2日に公表された“子育て安心プラン”をご存知でしょうか?待機児童の解消を目的とした支援です。大きく6つの支援パッケージから成り立っていますが、その中の1つ“保育の受け皿の拡大”で、大規模マンションでの保育園の設置促進措置があります。

今までは、容積率緩和の特例措置を使ったマンション建設時に保育施設を併設したモデル事例を地方自治体に“周知”する程度のものでしたが、今回は保育施設の確保が図られるよう地方自治体に“要請”されることになりました。平成29年10月18日に国土交通省と厚生労働省が連名で地方自治体あてに通知を出しています。

 

働く母親と保育園の待機児童のイラスト

 

| 関西のモデル事例は3つ

 

関西でのモデル事例は、大阪市に1つ、神戸市に1つ、明石市に1つあります。

<大阪市の事例>

容積率300%を500%に緩和する代わりに、約260戸のマンションにキッズルーム63㎡が設置されました。

<明石市の事例>

容積率600%を700%に緩和する代わりに、約220戸のマンションに定員38名の保育所が設置されました。

<神戸市の事例>

容積率200%を230%に緩和する代わりに、約250戸のマンションに遊び場(プレイロット)925㎡が設置されました。

これらをみますと、子育てをする若い夫婦にはうれしい制度だといえます。以前“日本初のニュータウンを再生”でご紹介しました“ブランズシティ千里古江台”にも254戸のマンションにキッズルームが設置されています。若い世代を呼び込むにはこのような保育施設を設置する方向に進んでいくのでしょう。

 

 

| 子育て支援の方向性

 

平成27年に始まった“子ども・子育て支援新制度”では、地域型保育を新設しました。また、保育の必要性を市町村が認定し、受けた認定に該当する施設以外は利用できなくなりました。このような新制度の問題点を解消する一つの方法として、“子育て安心プラン”であり、大規模マンションで保育施設の設置推奨であったりします。

どれだけ若い夫婦に受け入れられるのかは未知数です。共働きをしなければ生活ができない夫婦にとっては、高価な大規模マンションは高根の花なのかもしれません。

中古マンションとして出回る頃には、待機児童の問題が解決されていてマンションの保育施設は不要になっているか、はたまた人気に火がついて高値で売買されているか。個人的には、共働きをしなくても家族が生活できる社会になっていることを願います。

 

 

| まとめ

 

1 子育て安心プランに追加措置!

2 関西のモデル事例は大阪、明石、神戸の3つ!

3 子育て支援の方向性は間違っていない?



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貧困ビジネスが大歓迎?!

| 貧困ビジネスの多様化

 

貧困ビジネスというとどのようなイメージをお持ちでしょうか?生活保護受給者を集めて狭い部屋に何人も押し込め、生活保護費を回収してわずかしか渡さない。そんなイメージでしょうか。

そのほかにも、実は色々なパターンがあります。
いま流行っているものはニートの社会復帰・自立支援を目的に連れ出して寮に入れるだけで数百万円を請求するケース。さらに労働研修という名目で賃金をピンハネします。

そのほかには、生活保護受給者の医療費が無料であることを利用して、受給者を通院させて薬を過剰に出してもらいそれを転売するというケース。C型肝炎の新薬でニュースになりました。

昔からあるものとして闇金や資格商法などさまざまな貧困ビジネスがあります。現在では貧困ビジネスが多様化し、生活保護費を支給する行政では統制が取れないようになってきています。

 

貧困の男性のイラスト

 

| 貧困ビジネス対策

 

行政も手をこまねいているだけではありません。大阪市では生活保護の適正化の一環としていろいろと貧困ビジネス対策を講じています。

敷金や礼金がゼロ円の物件なのに敷金・礼金を請求するケースへの不支給、“無料低額宿泊事業”への立ち入り検査、敷金上限額の引き下げ、布団類(被服費)の現物給付など手を打ってはいます。しかし、この程度ではニートの社会復帰のケースや薬の過剰取得のケースに対応できていません。

大阪市のVISAプリペイドカードでの生活保護費支給制度もすぐに終わってしまいました。建前上は不便さからの利用者数の低迷となっていますが、裏ではプリペイドカードの換金を防げないことがあったのではないでしょうか。

行政の対応が後手に回るのは仕方のないことですが、新たな制度ができるたびに貧困ビジネスが跋扈するような事態を招くことは避けてもらいたいところです。

 

 

| 新たな住宅セーフティ制度

 

このような状況下で、平成29年10月25日に新しい住宅セーフティ制度が始まります。

内容は主に空き家の活用なのですが、大家さんへの住宅改修補助や家賃補助がメインになります。原則として25㎡以上の居住面積、水回り設備の設置、家賃が相場であることなどの条件を満たした住宅を登録することで補助を受けることができます。家賃補助には借主さんの条件があり、高齢者・障碍者、低額所得者、被災者、外国人などとなっています。

ここで貧困ビジネスがターゲットとするのは高齢者・障碍者、低額所得者でしょう。低額所得者には生活保護受給者も含まれますから、大家を偽ったり結託したりして生活保護費をピンハネすることもできます。また、高齢者や障碍者のホームレスに対して、住宅を用意したり生活保護費を受けられたりすることをエサに集めることもできるでしょう。安かろう悪かろうのサービスを提供する業者が新たに現れるかもしれません。

住宅セーフティ制度は立派なものですが、貧困ビジネスへの効果的な対応ができていないうちに手厚い保護を先行させても悪用されるだけではないでしょうか。しっかりとした対策を同時に講じる必要があると思われます。

 

 

| 登録申請などの行政書士の仕事

 

新しい公的な制度が実施されると行政書士の仕事の幅が広がります。

この制度の中で、行政書士は“セーフティネット住宅の登録申請”、“居住支援法人の指定申請”、“家賃債務保証業者の登録申請”、“補助金申請”など多くの業務を扱うことができます。事前相談や調査、役所との連絡・調整、書類の清書など書類作成業務全般を担う行政書士がさまざまな側面から支援ができます。

空き家にお困りの方は行政書士に相談してみてはいかがでしょうか?不動産屋を併設している当事務所ではこのようなご相談を得意としています。お気軽にお電話ください。

 

 

| まとめ

 

1 貧困ビジネスはニートや難病の患者さんもターゲットに!

2 貧困ビジネスへの効果的な対策はなされていません!

3 新たな住宅セーフティ制度が発足!

4 空き家でお困りなら不動産に強い行政書士に相談を!



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ネットのお墓参りをするくらいなら・・・

| お墓をどうしよう?

 

“核家族”が流行語になったのは昭和40年ころのようですが、今の日本で核家族世帯は約60%との統計(厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」)があります。

核家族化によって家族が離れて別々に暮らしていると、ご先祖様のお墓は遠くにあるという方も多いでしょう。私のようにどこにお墓があるのかさえも知らないという方は少ないのでしょうけれど…。

お墓が遠く離れているとお墓参りになかなか行けないのではないでしょうか?そこで、最近登場したのがITを活用してインターネット上でお墓参りをするという方法です。この“ネット墓参り”には賛否両論があるようですが、お寺さんもいろいろと知恵を出していることに感心します。

お墓をお寺さんや霊園がしっかりと管理してくれているのならば、(信仰や気持ちの問題はひとまず置いておいて)お墓参りはしなくても大丈夫なのですが、お墓参りが途絶えることで長く手入れがなされず放置されてお墓が荒れてしまうことが問題になっています。「私が元気なうちはいいけど、将来はお墓どうしよう?」と不安に思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか?

お墓の心配をしている女性

 

 

| お墓じまいという選択

 

将来のお墓に不安がある方は、“お墓じまい”という選択肢があります。“お墓じまい”は、今のお墓を撤去して他の墓地や霊園に移すことをいいます。今は永代供養をする霊園もありますから、お墓参りができなくなっても安心です。

そうは言っても勝手にお墓を移すことはできません。埋葬や改葬には市役所の許可が必要です。さらに、お寺との契約内容によっては今のお墓を更地に戻す工事が必要になるかもしれません。お墓じまいはおおよそ次のような手順になります。

1 お墓のある市役所から“改葬許可申請書”の用紙を貰って記入します。

2 “戸籍謄本”、“除籍謄本”、“改正原戸籍”などを取得します。

3 お墓のあるお寺などから“埋蔵証明書”と“改装承諾書”を貰い、“改葬許可書”にお署名・押印を貰います。

4 新たに納骨するお寺から“使用許可書”を貰います。

5 “改装許可申請書”、“戸籍謄本”など、“埋葬証明書”、“使用許可書”を市役所へ提出します。

6 許可が出たら、閉眼供養や離檀をしてお墓の解体・撤去をします。

7 必要に応じて祭祀主催者の承継の手続(民法897条)をします。

8 新しいお墓に納骨します。

ざっと見ても、手続きは煩雑で手間と時間がかかります。このような煩雑な行政手続きは行政書士に依頼してしまいましょう。報酬額は事務所や委託内容によって異なりますが、おおよそ20万円くらいです。お墓の解体工事などが必要な場合には、総額で100万円ほどかかることもあります。

今後のお墓についてご家族ともよく相談して、お墓を移すと決まったらいつ頃、誰がどんな割合で費用を負担するのかなどをはっきりとさせておきましょう。

 

 

| まとめ

 

1 核家族化でお墓が心配!

2 “お墓じまい”という選択!

3 行政手続きは行政書士へ!



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フラット35が新しくなりました!

| フラット35って?

 

フラット35は、住宅金融支援機構と金融機関が提携して提供する住宅ローンです。他の住宅ローンと比較してメリットはいくつかありますが、特にお勧めするポイントは2つあります。

1 固定金利

今は空前の低金利時代です。“マイナス金利”などといわれてますものね。今後の市場金利は上昇することはあっても低下する可能性は低いでしょう。変動金利は見た目安いですが、将来市場金利が上昇すると借入の金利も上昇します。いくらになるかは誰にもわかりません。その点、低金利時代に固定金利で借りるとずっと低い金利のまま。すばらしいですね。ですから、今なら“固定金利”がおすすめなのです。

2 保証料0円、繰上返済手数料0円

住宅ローンを借りると一般的に保証料が必要です。保証料は、万が一返済できなくなった時に住宅ローンを肩代わりしてくれる保証会社に支払うお金です。金融機関は、保証会社が借入金額を保証してくれるから、住宅購入費用を貸してくれるんですね。メガバンクはだいたい関連会社の保証会社を使います。信金などの小さな金融機関は信用保証協会を使っていたりします。

また、繰上返済をする場合には手数料が必要になることがあります。一般的に借入金の一部を繰上返済するときの手数料は無料ですが、借り換えなどで全額繰上返済をするときには数万円の費用がかかります。ところが、フラット35では繰上返済手数料が一切必要ありません。ただし、一部繰上返済の場合は100万円以上の繰上返済でないといけません。インターネットサービス「住・My Note」を使うと10万円以上の繰上返済が可能です。

住宅ローンの重い負担を少しでも軽くするためにもフラット35はおすすめです。

家の上にローン(借金・利子)を表した大きな分銅がのしかかっているイラスト

 

 

| フラット35の変わったところ

 

平成29年9月までは、フラット35で住宅ローンを組む場合“団体信用生命保険”の加入は任意でした。“団体信用生命保険”(団信)は、加入者が死亡などした場合に住宅ローンの返済が不要になる生命保険です。加入者が死亡などしたときに支払われる保険金を住宅ローンにあてることで返済が不要になります。

住宅ローンは長期の借入ですから、将来の返済の不安を軽減するために、特に団信が必要でない方以外は加入しておくことをおすすめしてきました。

平成29年10月からはこの団信への加入が必須になりました。強制加入です。今までは加入する方だけが負担してきた生命保険料を金利に上乗せしています。

例として、弊社で利用している全宅住宅ローンの金利を比べてみましょう。条件はフラット35の金利Aタイプ(融資手数料:融資額×2%)、融資額は9割以内、返済期間を21年~35年とします。

9月の金利:1.080%

10月の金利:1.360%

単純にこれだけを見ると0.28%も高くなっています。3000万円を借りたとすると、返済額は月々85,809円から月々89,812円に増えます。月々の返済額が約4000円アップです。35年間の支払利息を計算すると約600万円から約772万円になります。なんと35年間で約170万円も増えました。

そこで、団信の保険料はいくらなのか、同じ条件で住宅金融支援機構のサイトでシミュレーションしてみますと、団信の保険料の目安は約201万円でした。支払利息は9月と比べて約170万円増えましたが、実際には約201万円の保険に入れています。9月以前に団信に入るよりも、加入が必須になった10月以降の方がお得ですね。

 

 

| まとめ

 

1 フラット35をおすすめする理由は2つ!

2 団信への加入が必須になりました!



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悪質な不動産屋の撃退方法!

| 所属団体へクレーム

 

不動産屋に対する苦情は、宅地建物取引業保証協会(宅地建物取引業法第五章の二(第64条の2~第64条の25))が受け付けています。この保証協会には主に“全国宅地建物取引業保証協会”と“不動産保証協会”があります。ほとんどの不動産屋はいずれかの保証協会に属しています。

保証協会は、お客さんからトラブルの申し出があったときには、お客さんへ必要な助言をし、不動産屋へは調査をしなければいけません。これは保証協会の義務ですから必ずなされます。ですから、トラブルに巻き込まれたときは、不動産屋の所属する保証協会へクレームをいれるとトラブル解決に一歩前進します。

保証協会は不動産屋へ処分をする権限はありませんから、あまりにも悪質で行政処分を望む場合には行政機関へ相談するとよいでしょう。

リフォーム詐欺のイラスト

 

| 行政機関へクレーム

 

不動産屋は国土交通大臣か都道府県知事から免許を受けて営業しています。この免許がないと不動産屋は営業ができません。免許を取り消されると倒産は避けられませんから、行政機関へのクレームは最も強力な牽制になります。

行政機関の処分は免許取消だけではありません。免許取消処分は最も重い処分です。軽い順に、指示処分、業務停止処分、免許取消処分です。これらの処分を受けた業者は処分の翌月から5年間公表されますので、処分を受けたことがある業者かどうかが気になるときには、都道府県のサイトで調べてみればすぐにわかります。

大阪府の行政処分 (大阪府庁のサイトが開きます)

国土交通省のネガティブ情報検索システム (国土交通省のサイトが開きます)

国土交通大臣から免許を受けているときには国土交通省へ、都道府県知事から免許を受けているときには都道府県へ電話か書面で相談してください。

「ん?大臣と知事、どっちから免許を受けてるの?」となった場合の判断基準ですが、店舗が1つだけの不動産屋なら都道府県知事です。「いくつか店舗があるけど…」という場合には、2以上の都道府県に店舗がある不動産屋は大臣免許です。

ちなみに、大臣の権限の一部は都道府県知事に移譲されていますから、店舗のある都道府県知事に相談してみてください。

 

 

| 実際の行政処分

 

まずは国土交通大臣の行った行政処分を見てみましょう。さきほどの検索システムで検索してみますと、過去5年間で9件ありました。内訳は、指示処分5件、業務停止処分2件、免許取消処分2件です。

お客さんとのトラブルによる処分を見てみますと、指示処分3件と業務停止処分1件あります。指示処分になったものは、建築条件付土地売買に関するもの1件、重要事項説明に関するもの1件、賃貸借契約の報酬に関するもの1件です。業務停止処分になったものは、重要事項説明と交付に関するもの1件です。

重要事項説明と報酬に関してのトラブルであれば行政処分がなされる可能性がありますね。不動産屋にとっては怖いところです。

次に、大阪府知事の行った行政処分で平成29年分(4~9月)を見てみましょう。載っていたのは14件で、全て免許取消処分でした。お客さんとのトラブル事例はありませんでした。大阪府は国土交通大臣よりも不動産屋に甘いのかもしれませんね。“民業圧迫”という批判が怖いのかも…。

不動産屋さんへ一言。行政処分が行われるときには突然立ち入り検査の電話がかかってくるらしいですから、普段の業務から細心の注意を払いましょう。

 

 

| まとめ

 

1 所属する保証協会へクレーム!

2 悪質なら行政機関へ相談!

3 大阪府の処分は甘い!?



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