最高裁判所には裁判権だけでなく違憲審査権や最高裁判所規則制定権があります。これらは、司法権が他の機関から干渉を受けないようにするためだったり他の機関へのけん制だったりします。
今回は司法権の独立について書きたいと思います。
| 三権分立の中の司法権
三権分立は、国家の作用を立法権、行政権、司法権の3つに分けて互いに牽制し合うことでバランスをとる制度です。司法権は裁判を担っていますから、独立が強く保障されている必要があります。
何らかのトラブルに巻き込まれたとき、まず身近な行政に救済を求めるのが一般です。それでも解決しない場合には最後の手段として裁判に訴えて現状を是正することができます。
裁判は最後の砦ですから公正に行われなければいけません。そうしなければ日本国憲法で保障された人権が蔑ろになってしまいます。ですから、司法権は立法権や行政権から強く独立している必要があるのです。
裁判は裁判官が行いますから、抽象的に裁判所の独立を保障するだけでなく、裁判官が裁判所の内部だけでなく他の機関からも干渉を受けずに職務を果たすことが重要です。そこで、日本国憲法では裁判官の独立が保障されています。
憲法 76条
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
憲法 78条
裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。
憲法 79条
6 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
| 裁判所の違憲審査権
裁判所の権限の1つに違憲審査権があります。三権分立の剣の1つです。違憲審査権は一切の法律、命令、規則、処分が憲法に適合するかどうかを決定する権限です。条例、法律などが憲法に違反する場合には、その法は効力がりません。その判断をするのが裁判所です。
憲法 81条
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
条文では“最高裁判所は、…終審裁判所である”と書かれていますが、下級裁判所にも違憲審査権はあります。
また、違憲審査権の性格には抽象的審査制と付随的審査性があります。
抽象的審査制は具体的な争訟とは関係なく単に法、解釈、適用が憲法に反しているかどうかを審査する制度です。抽象的審査制を採用する場合には、一般に合憲性を審査する専門の憲法裁判所が設置されます。
付随的審査制は具体的な争訟を前提に必要な限度で法、解釈、適用が憲法に反しているかどうかを審査する制度です。この場合は一般に通常の裁判所が違憲審査権を有します。
日本では付随的審査制が採用されていると言われています。たとえば、警察予備隊違憲訴訟では具体的な争訟ではないとして門前払いをされましたが、これは付随的審査制を採用していることが前提です。
| まとめ
1 裁判所はトラブル解決の最後の砦!
2 裁判官の独立性はかなり強い!
3 日本の違憲審査権は付随的審査制!