食品を取り扱っている業者の方はHACCPという名前をご存知かと思います。簡単に言いますと、食品の安全を脅かす危険性が混入するリスクを排除する食品衛生管理手順を見える化して管理する方法です。
今回は、HACCPについて書きたいと思います。
| HACCPってなに?
HACCP(ハサップ)は、食中毒菌などが混入するリスクを、作業工程を整理して分析することで見つけ出して取り除き、衛生水準を改善して維持していくための管理方法です。全部で7原則12手順あります。
国内の企業でも海外と食品の取引をする場合には国際基準に則った衛生管理が求められますが、小規模事業者の導入率はまだまだ低く、先進国の中でも導入率が低くなっているそうです。
そこで、日本でも段階的にHACCPを取り入れて義務化しようとする動きがあり、とうとう2020年6月からHACCPの導入が義務付けられました。ただし、1年間の猶予期間があるため、完全義務化は2021年6月からになります。
| HACCPの対象業者は?
HACCPの対象業者、食品の製造・加工を行うもののうち、1つの事業所の従事者が50人以上の事業者です。50人未満の事業者は除外されていますが、HACCPの考えた方を取り入れた衛生管理が必要です。
HACCPの考え方に取り入れた衛生管理は、HACCPを簡易にしたもので、主にHACCPの導入が困難だとされる小規模事業者が対象です。HACCPの7原則12手順から5原則7手順まで簡易化されています。
HACCPの制度化では明確に罰則が規定されていません。営業許可証の更新ができなかったり罰則・罰金を受けたりする可能性はありますが、都道府県知事が条例で定めることになっています。都道府県の条例には注意しておきましょう。
また、飲食業の方は保健所の許可が必要ですが、HACCPの導入をしないまま何年も経過すると保健所から指導が入るかもしれません。ご注意ください。
| HACCPを管理する計画
HACCPの導入には、各業界でガイドラインが作成されていますので、そのガイドラインに従って計画を作成します。7原則12手順を挙げます。
手順1 HACCPチームの編成
手順2 製品説明書の作成
手順3 意図する用途及び対象となる消費者の確認
手順4 製造工程一覧図の作成
手順5 製造工程一覧図の現場確認
手順6 危害要因分析の実施(原則1)
手順7 重要管理点の決定(原則2)
手順8 管理基準の設定(原則3)
手順9 モニタリング方法の設定(原則4)
手順10 改善措置の設定(原則5)
手順11 検証方法の設定(原則6)
手順12 記録と保存方法の設定(原則7)
内容については次回以降の記事に書きたいと思います。
| まとめ
1 HACCPの制度化は2020年6月から!
2 小規模事業者とそれ以外では基準が異なる!
3 HACCPは7原則12手順!