| 外国人の不法就労数が増加傾向
外国人の不法就労数が少しずつ増えてきています。法務省によりますと、平成29年は6万5270人で前年比3.9%増加、平成30年は6万6498人で前年比1.9%増加しています。
不法就労になるパターンは次の3つがあります。
1 不法滞在者が働くケース
密入国した人や在留期間の切れたオーバーステイの人が働く場合などです。
2 入国管理局から働く許可をもらっていないのに働くケース
観光や知人訪問の目的で入国した人が働いたり、留学生が許可を貰わずにアルバイトをしたりする場合などです。
3 入国管理局から認められた範囲外の仕事をするケース
外国料理店の調理人として働くことを認められた人が工場で単純労働者として働く場合などです。
不法就労すると退去強制になる可能性がありますし、雇用者や仕事をあっせんした人は不法就労助長罪に問われて3年以下の懲役か300万円以下の罰金になる可能性があります。また、ハローワークに外国人を雇用したり退職したりしたときの届出をしない場合や虚偽の届出をした場合には30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
雇用者は外国人を雇用するときには在留カードを必ず確認してください。在留カードの真ん中あたりに“就労制限の有無”という項目があります。ここに就労不可と書かれていたり、雇用する職務と異なった記載があったりする場合には雇用しないようにすることが大切です。一部の就労制限がある場合の“就労制限の有無”には“在留資格に基づく就労活動のみ可”“指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可”“指定書により指定された就労活動のみ可”のいずれかが記載されています。
| 不法就労を減らすための新たな政策
読売新聞によりますと、外国人を雇用したり退職したりした時にハローワークに提出する書類の中に“在留カード番号”を記載する欄が増えるそうです。2019年度中には運用できるようにするようですので、法務省や厚労省の発表にはご注意ください。
2019年4月から“特定技能”という在留資格が新たに作られ、5年間で34万人の外国人雇用者を増やすことになっています。不法就労者は今までよりも大幅に増えると予想されていて、それを防ぐための在留カード番号の届出義務化が行われます。
もともと厚労省は在留カード番号の提出に消極的でしたが、2019年1月に発覚した大規模な偽造カード製造拠点を摘発した事件をきっかけに、法務省の持っているデータとの突合せに協力することになったそうです。在留カードに関連して警察庁が検挙した件数は、2013年は100件程度だったのに対して、2018年は500件を超える勢いです。偽造された在留カードを見つけるためにも法務省の有するデータとの突合せは効率的なのかもしれませんね。
実際の届出様式はいつ変更になるか分かりませんが、厚生労働省は審議会に諮ったうえで届出様式を規定した省令を変更するそうです。早ければ夏ごろには変わるかもしれません。
| まとめ
1 不法就労の外国人が増加傾向!
2 偽造された在留カードに関係する検挙件数は5年で5倍!
3 外国人の雇用に関する届出には在留カード番号の記載が必須に!