| 相続させる前にしておきたいこと
不動産が共有関係になる前に手を打っておくことが大切ですが、どのような方法があるでしょうか。
1 遺言を残したり生前贈与をしたりする
遺言を残して誰が現金や預金を相続し誰がどの不動産を相続するのかを決めておくと、死後の遺産分割協議がスムーズに行われます。遺言は公正証書にしておくと安心ですし、認知症になった後のことも考えて任意後見を公正証書で残しておくことも有効です。
生前贈与をして遺産を減らしておくことも有効です。ただ、不動産を贈与すると高額な贈与税の対象になりますが、一定の条件の下で相続時精算課税という制度を使うこともできます。
2 家族信託を活用する
家族信託は、被相続人の財産についての決定権を生前に家族の誰かに託しておく方法です。任意後見制度と似たような制度ですが、家族信託の方が負担や成約が少なく使いやすい制度です。不動産を管理したり処分したりする権限を誰に与えるかを自分で決められますので、将来起こるかもしれない共有不動産の問題を減らすことができます。
3 不動産の名義を変えておく
所有している不動産の名義が父や祖父になっている場合には自己名義に変えておくことをおすすめします。祖父や父の相続財産の分割をしておくことで、配偶者やお子さんが相続で悩む場面を減らすことができます。遺産分割協議が必要になりますが、実際に固定資産税を支払っていて管理をしている不動産であれば、他の法定相続人を納得させやすいのではないでしょうか。
| 共有名義の不動産になってしまったとき
生前の終活が上手くできなかったり突然亡くなってしまったりした場合には、相続財産の不動産は相続人の共有名義になります。対策にはどのような方法があるでしょうか。
1 遺産分割協議書を作る
遺産分割協議は、相続人が相続財産をどのように分配するかを話し合うことです。話し合ってまとまった結果を書面にしたものが遺産分割協議書です。共有名義のままで第三者に売却したり誰かが単独で相続したりといった内容を取り決めます。
2 登記の確認と変更
相続した不動産の登記が誰の名義になっているかを確認します。もし被相続人でなく、その祖父や父になっている場合には、祖父や父の相続財産の遺産分割協議をしなければいけません。その後に新しく相続人になった方の名義に変更します。これをしておかないと、不動産の売却や管理が困難になります。
3 自分の持ち分だけを売却する
共有名義になっている不動産について家族感でトラブルがある場合には、自分の持ち分だけを売却する方法があります。共有者としての権利を他の人に譲るのです。ただ、この方法は買い取ってくれる人を探すのが大変です。一番良いのは他の共有者に買い取ってもらうことでしょう。最悪のケースでは、この手段で手際よく決着をつけて心配事を減らすことになります。
| まとめ
1 遺言や家族信託で共有名義を回避!
2 不動産登記は生前に更新を!
3 遺産分割協議書を作りましょう!