労働市場のルールは多種多様 ~その5~

今回のシリーズは労働市場のルールをまとめています。本日は労働者派遣法の続きをまとめたいと思います。労働者派遣法は今回で最後です。

 

| 派遣先の措置

 

労働者派遣法では、派遣元だけでなく派遣先でもやるべきことが決められています。全部で10個もありますので、簡単にまとめたいと思います。

1 派遣責任者の選任など

5人以上の従業員のいる派遣先では、派遣責任者を選任し、派遣先管理台帳を作成して3年間保存します。派遣さんから苦情があれば派遣元に通知して、誠意をもって遅滞なく適切かつ迅速に処理をします。

2 派遣禁止業務

派遣された方を派遣が禁止されている業務に就かせてはいけません。派遣禁止業務は、港湾運送業務、建設業務、警備業務、医療関連業務(例外あり)の4つです。

3 無許可事業者からの派遣受入の禁止

派遣元の事業主は厚生労働大臣の許可を受けた業者でなければいけません。それ以外の業者から派遣さんを受け入れてはいけないことになっています。

4 労働者派遣の提供期間

派遣さんを受け入れることができる期間は3年です。いわゆる3年ルールです。派遣の期間がない例外は次の5つです。

・無期雇用派遣労働者の場合

・60歳以上の派遣労働者の場合

・事業の開始などで、一定期間に完了することが予定されているものや1か月で10日以下の業務

・産前産後休業・育児休業などでその代わりとしての派遣労働者の場合

・介護休業などでその代わりとしての派遣労働者の場合

5 労働者派遣の提供期間の延長

派遣さんを3年を超えて期間を延長したい場合には、意見聴取期間に労働組合などの意見を聞いて3年に限って延長ができます。ただし別の業務でなければいけません。例えば、会計課から人事課への異動などが必要です。

6 特定有期雇用派遣労働者の雇用

組織単位ごとの同一の業務内容に継続して1年以上の間、特定有期雇用派遣労働者の派遣を受けるために労働者を派遣から直接雇用にするときには、継続就業を希望する一定のものを遅滞なく直接雇用するように努めなければいけません。努力義務です。

7 労働契約の申込・みなし制度

次の5つのことを派遣先が行った場合には、同一条件で労働契約の申し込みをしたとされます。ただし、派遣先が5つの行為に該当することを知らなかったことに過失がない場合には、申し込みがなかったことにされます。

・派遣禁止業務に従事させた場合

・無許可事業者から派遣労働者の役務の提供を受けた場合

・派遣可能期間を超えた場合

・期間の延長をせずに3年を超えた場合

・労働者派遣法のルールを免れる目的で請負などの名目で契約を締結した場合(偽装請負など)

8 労働契約の申込・みなし制度の監督

厚生労働大臣は、労働契約の申込をしたとみなされた派遣先が派遣労働者を就労させない場合には、必要な助言や指導、勧告をすることができます。勧告に従わなかった場合には、そのことを公表できます。

9 離職した労働者の派遣での受入の禁止

離職をして1年以内は派遣さんとして就業させてはいけません。

10 労働者派遣契約の解除

派遣先の都合で派遣契約を解除する場合には、新たな就業の機会の確保や休業手当などの支払などが必要です。

 

| まとめ

 

1 派遣元の許可があるかどうかに注意!

2 3年ルールには例外があります!

3 労働契約の申込にみなし制度があります!

4 辞めて1年以内の方を派遣では受け入れられません!



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