| 日本の入国審査ってどんなことをするの?
日本の出入国管理は入管法に従ってなされています。入管法は外国人の円滑な入国と好ましくない外国人の確実な排除を実現するためにあります。すべての人が対象になっています。
外国人が日本に入国するためには上陸許可と在留資格が必要です。上陸許可を得るには、旅券やビザの有効性、入国目的、滞在予定期間などの要件を満たしていなければいけません。上陸許可をもらうと在留資格や在留期間が表示されます。
在留資格はいろいろな種類があります。大きく分けて2つで、1つめは働いたり留学したり観光したりするための資格(就労ビザ)、2つめは身分の資格です。身分の資格には永住者や日本人の配偶者などがあります。よく問題になるのは就労ビザで滞在する人たちです。
| 入管法違反になるのはどんな人?
入国管理局の発表した資料によりますと、平成29年中に入管法違反で退去強制された外国人は1万3686人です。このうち、不法入国者は577人、不法残留者は1万1502人、資格外活動者は648人、刑罰法令違反が470人、その他が338人でした。多くがオーバーステイといわれる不法残留者で全体の約84%にもなります。
入管法違反者を国籍別でみますと、最も多いのが中国で3901人、次いでベトナムが2931人、タイが2096人、フィリピンが1310人と続きます。短期滞在や技能実習の資格で入国して、そのままオーバーステイして働いている人が多いのではないでしょうか。
不法就労者の働き場所ですが、多いのが茨城県(約24%)、千葉県(約16%)、東京都(約13%)で、この3都県で約53%になります。また、農業(約27%)や建設業(約17%)、工員(約15%)が多数を占めています。
近年問題視されている技能実習制度を利用して日本に来た人が多いのかもしれません。建前は技能を身につけて本国で活躍することですが、お金儲けのために来日しているのでしょうか。東南アジアの国々では、台湾と日本を比較してどちらの方が稼げるかで渡航先を決めているとも聞きます。
また、不法就労者の報酬額(日額)ですが、5000円超7000円以下が全体の50%を超えています。3000円超1万円以下で働いていた人は約90%です。中には3000円以下で働いていた人もいます(約3.5%)。近年では日給1万円以下で働いていた外国人の割合が増えています。オーバーステイという弱みに付け込んで安く働かせようとする雇い主の思惑が見え隠れしますね。
| まとめ
1 入国するには上陸許可と在留資格が必要!
2 退去強制のうち約84%がオーバーステイ!
3 退去強制は中国や東南アジアの国々の方が多い!
4 オーバーステイで働いている場所の多くは関東!
5 3000~1万円で働いていた人が約90%