| 資金調達の必要性
資金が足りないときにはどこかから調達してこなければいけません。もし調達できないなら事業をたたむことになってしまいます。資金面で窮地に陥ったとき、これまでに費やした時間や労力、金銭を活かすためには何とかして資金を調達する必要があります。
では、どこから資金を得たらいいのでしょうか?大きく3つあります。
| 資金調達の手段 その1 融資
一番に思いつくのが金融機関からの融資ですね。融資を受けるためには、なぜ資金難に陥ったのかを分析し改善策をたてて担当者を説得しなければなりません。そのときに作成するのが“事業計画”です。
中小企業は大企業と違って企業の体力が少ないですから、社会情勢の少しの変化が大きな荒波となって襲ってきます。そのたびに事業計画を修正しているといつまでも事業計画を達成できないままになっていまいます。そこは金融機関の担当者も分かっています。そこで、現状を打破するための事業計画書を作成します。
大切なのは、返済可能性、実現可能性、現在の事業との整合性です。
1 返済可能性
当然ですが、金融機関が貸し付けを行うときに最も重視するのが“貸したお金が返ってくるのか”という点です。返済可能性の乏しい事業計画では“返せる”ことを説得できず、融資を得ることができません。
2 実現可能性
事業を立て直すために、事業計画書には売上増加の手段と経費削減の手段を記入することになるかと思います。経費の削減は自社で実行すればいいのですから比較的実現しやすいです。
問題は売上の増加です。将来のことですから100%実現するとは言えないでしょう。そこで、売上が減ったとしても滞りなく返済できることを示す必要があります。受注の見積もりや内定書などを基に数字を書いていきます。資料として添付すれば説得力が上がるでしょう。
3 現在の事業との整合性
現在の売上が減ってきているのに急に売上が増える事業計画を作っても信じてもらえません。今までのデータが最も信用されます。ですので、売上高成長率、在庫回転率、固定費などの過去のデータを使った数字が重要です。過去のデータを無視した事業計画は意味がありませんので、過去から将来に向かって連続性があるように作ってください。
| 資金調達の手段 その2 補助金
補助金事業は、国だけでなく地方自治体も行っています。補助金は受給すれば返済の必要はありませんが、申請をすれば必ずもらえるものではありません。提出した事業計画書の審査があります。反面、助成金に比べて高額になります。また、受給時期は経費を支出した後になりますから、手持ちの資金が必要です。
有名なものをいくつか取り上げてみます。
1 創業補助金
創業に必要な経費の一部に補助金が支給されます。雇用の創出が目的の一つになっていますから、従業員を1名以上新たに雇わなければなりません。
2 ものづくり補助金
革新的なサービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善のための設備投資の経費などの一部に補助金が支給されます。3000万円といったこうがくの補助上限額が設けられている区分もあります。上限額を増やす取り組み方法もあります。
3 小規模事業者持続化補助金
販路開拓などに取り組む費用の一部に補助金が支給されます。補助上限額は50万円とそれほど高額ではありませんが、店舗改装や新規事業の立ち上げ時などに利用できます。上限額を増やす取り組みもあります。
4 IT導入補助金
登録されたIT導入支援事業者のITツールを導入する費用の一部に補助金が支給されます。補助上限額は100万円です。事業に必要なITツールの導入を検討していて、IT導入支援事業者が必要なITツールを提供しているのであれば、申請をする価値があります。
| 資金調達の手段 その3 助成金
助成金事業は、国や地方自治体が行っています。補助金と同じく、受給すれば返済の必要はありません。また申請内容が条件を満たしていれば必ず受給できます。ただし、金額は数万円程度と少なめです。一般に厚生労働省が管轄するものを“助成金”と呼んでいます。
1 キャリアアップ助成金
非正規の雇用者を正規雇用にしたり、非正規の雇用者に職業訓練を行ったりした場合にその経費の一部を助成します。正社員化コース、人材育成コース、賃金規定等改定コース、健康診断制度コースなど様々あります。
2 職場定着支援助成金
介護労働者や保育労働者の定着のために賃金制度の整備を行ったりする費用の一部を助成します。こちらも様々なコースがあります。
| まとめ
1 資金調達方法は主に3つ!
2 融資の際には事業計画書が大切!
3 補助金は競争率が高い!
4 助成金は要件を満たせばもらえる!