このブログでも何度も書いている話題に空き家問題があります。いままでに次のような記事を書いてきました。
今回は、これら以外の空き家問題を解決する方法をご紹介します。
| 空き家再生の資金の確保
空き家の問題の一つがリフォームしてきれいにするための資金の調達方法です。地方では人口流出、高齢化や後継者問題などによって空き家が増えています。他方、都心部でも職住近接や駅近物件の人気など利便性を求める嗜好の変化によって空き家や空き店舗が増えています。
このような空き家を活用するためには、リフォームやリノベーションをすることで見た目や使い勝手を向上させるだけでなく、古い建物の場合には耐震性をも補強して再生することが求められています。
実際には、空き家のオーナーが再生のための資金を拠出することができずにそのまま放置されていたりします。また、金融機関から融資を受けようにも老朽化物件の再生では物件の担保価値を算出しにくいためになかなか融資を受けられなかったり、受けられたとしてもとても空き家再生に足りない金額を提示されたりします。
このような状況ですから、空き家を再生して活用しようとしても難しい面がありました。そこで、新しい資金調達方法が新設されました。
| 小規模不動産特定共同事業での資金調達
空き家再生をするために投資家からの出資金で不動産を取得してリフォーム等を行い、賃貸や売却をすることで収益を上げて投資家に分配する事業があります。1994年から始まった“不動産特定共同事業”です。国土交通省の制度です。主催するのは宅地建物取引業免許を保有している不動産屋です。
(1)不動産特定共同事業の問題点
不動産特定共同事業は認可の要件が厳しかったため、利用するにはかなりハードルの高い制度になっていました。たとえば、不動産特定共同事業の第1号事業者の資本金は1億円とされています。
そのため、なかなか一戸建て住宅などの小規模な空き家を再生させて活用する手段としては使いにくい制度にでした。
(2)小規模不動産特定共同事業は使いやすい?
不動産特定共同事業の制度が使いにくかったため、要件を緩和した制度が新設されました。その名も“小規模不動産特定共同事業”です。小規模不動産特定共同事業のパンフレットは国土交通省のサイトにあります。
小規模不動産特定共同事業では、資本金は1,000万円ですみますし、認可ではなく届出でよくなりました。
この制度を使って空き家を再生・賃貸するために数人の相続人が資金を提供してリフォームをするのもよし、不動産業者の日常的な取引に活用するもよし。
たとえば、次のような場合に小規模不動産特定共同事業を使うことができます。
・空き地を購入して建物を建築した後に売却する場合
・オフィスビルを購入して賃貸する場合
・空き住宅や空き店舗を購入してリフォーム後に賃貸する場合
小規模不動産特定共同事業には、任意組合契約型(第1号)と匿名組合契約型(第2号)の2種類があります。不動産特定共同事業を営むために行政庁への認可申請や届け出をお考えでしたら、行政書士へのご相談をおすすめします。
| まとめ
1 空き家の再生に新しい制度を!
2 小規模不特事業では要件が大幅に緩和!
3 共同事業の認可・届出は行政書士に相談!