国会の記事も3回目になりました。今回は選挙制度について書きたいと思います。主に国会議員の選挙制度について書きます。知事・市長や地方議会議員については地方自治の記事で書く予定です。
| 選挙制度もいろいろ
国会議員は国民による選挙で選ばれます。選挙では政党を記入したり候補者を記入したりします。
国政の選挙では、衆議院議員選挙と参議院議員選挙の2つがあります。衆議院議員選挙は“総選挙”と呼ばれることもあります。
選挙制度は大きく3つに分けられます。小選挙区制、大選挙区制、比例代表制です。
小選挙区制は、1つの選挙区から1人の議員を選びます。当選者は1人だけです。大選挙区制は、1つの選挙区から2人以上の議員を選びます。当選者は2人以上います。日本で採用されている中選挙区制は大選挙区制とほとんど同じものです。
| 小選挙区制の特徴
小選挙区制では、1つの選挙区から1人しか当選しませんから、多くの票は国政に反映されません。たとえば、5人の候補者がいて、それぞれの得票率が30%、25%、20%、10%、5%だったとします。この場合の当選者は30%の得票率の候補者だけです。残りの70%の票は国政に反映されません。死票が多くなるのです。これが小選挙区制のデメリットです。
小選挙区制のメリットは、選挙区が小さくなりますから候補者1人1人の選挙費用があまりかからないことです。あまりお金のない人でも立候補ができますので、多様な意見を持った人が候補者に名乗りを挙げられます。
また、小選挙区制では、地域で一番の得票率の候補者が当選しますから小さな政党の乱立を防ぐことができ、二大政党制になりやすくなります。二大政党制では、いつ政権交代が起るか分からないという危機感が常にありますから、政治家は緊張感の中で政治に取組むことになります。政治が腐敗しにくいのです。二大政党制のデメリットは、少数派の党の意見が国政に反映されにくいことです。
<小選挙区制のメリット>
・選挙費用があまりかからず、多様な意見を持つ候補者の擁立ができる。
・二大政党制になりやすく、緊張感のある政治が行われやすい。
<小選挙区制のデメリット>
・死票が多くなり、招集者の意見が国政に反映されない。
・二大政党制になりやすく、少数派の党の意見が反映されにくい。
| 大選挙区制の特徴
大選挙区制では、1つの選挙区から2人以上が当選しますから、少数派の意見も国政に反映されやすくなります。たとえば当選者が3人の選挙区で、5人の候補者の得票率が30%、25%、20%、10%、5%とします。当選者は20%以上の得票率の3人ですから、小選挙区制では落選していた25%、20%の得票率の候補者へ投票した人の意見が国政に反映されます。死票が少なくなって、少数派の意見が国政に反映されやすくなるのはこのためです。
大選挙区制のデメリットとしては、少数派でも国政に参加できるようになりますから、小さな政党が乱立するおそれがあることです。小さな政党が乱立すると国会での議論がまとまりにくくなってしまいます。物事がなかなか決まらない国会になると国民生活にも影響があるかもしれません。
| 比例代表制の特徴
比例代表制は、大選挙区制や小選挙区制が候補者に投票するのとは違って、政党に投票します。政党ごとの得票数に応じて各政党に議席を配分します。政党の名簿の順位に従って、順番に当選していきます。
比例代表制のメリットは、少数派の政党への票が死票になりにくいことです。死票になりにくいということは、様々な意見が国政に反映されます。その反面、小さな政党が乱立して国会の議論がまとまりにくくなります。
現在の日本の国政では、小選挙区制と比例代表制の両方を採用していて、小選挙区比例代表並立制と呼ばれています。
| まとめ
1 選挙には様々な制度がある!
2 どの選挙制度でもメリットとデメリットがある!
3 日本の国政は小選挙区比例代表並立制!