行政書士試験の憲法(国会2)

国会が全国民の代表機関で、国会の最高機関で、唯一の立法機関であると前回の記事で書きました。政治的美称であったり例外がたくさんあったりしますけれど、国会は国民の意思を反映した機関です。

今回は衆議院と参議院について書きたいと思います。

 

 

| 衆議院と参議院

 

日本の国会は衆議院と参議院の二院制になっています。衆議院議員の任期は4年で被選挙権は25歳以上です。参議院の任期は6年で、被選挙権は30歳以上です。参議院の任期は6年ですが、3年毎に半数が改選されます。また、参議院には解散がありません。

このような特徴から、衆議院は選挙の時の国民の意思を反映していて、参議院は長い期間での緩やかな国民の意思を反映しています。

国会が衆議院と参議院の二院制になっているのには理由があります。

1 国民の様々な意見をできるだけ広く反映させる

2 一方の議院の決定を他方の議院が検討することで慎重に審議できる

3 一方の議院の行き過ぎを抑えたり足りないところを補ったりすることができる

国民の意見を広く反映して、慎重に審議をし、抑制と補完によって間違いが起りにくくする制度が二院制です。

ただ、両議院は対等ではありません。原則的に対等ですが、衆議院の優越がいくつか認められています。衆議院の優越を認めるメリットは、国会の意思形成を容易にすること、衆議院は民意に近いことにあります。

衆議院の優越には次のものがあります。

1 予算先議権(60条1項)

2 内閣不信任決議権(69条)

3 法律案の議決(59条)

4 予算の議決(60条)

5 条約の承認(61条、60条2項)

6 内閣総理大臣の指名(67条2項)

上記6つのうち1と2は衆議院だけに認められている権能です。3~6は衆議院と参議院の議決が異なる場合や、衆議院の可決後に参議院が一定期間議決をしなかった場合には衆議院の議決が優先されるものです。

条文を見てみましょう。

 

憲法 59条(法律案の議決)

法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。

2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。

4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

 

憲法 69条(予算の議決)

内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

 

憲法 61条(条約の承認)

条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。

 

憲法 60条

予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。

2 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

 

憲法 67条(内閣総理大臣の指名)

内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。

2 衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

 

 

| まとめ

 

1 日本は衆議院と参議院の二院制!

2 民意を広く反映して間違いを減らすための二院制!

3 衆議院には参議院に優越する権能がある!



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