雇用調整助成金(雇調金)と緊急雇用安定助成金(緊安金)は、コロナ対策として提出書類が簡素化されたり助成率が上がったりしてきました。
2020年6月12日に成立した第2次補正予算では、更なる拡充のための予算が決定しました。今回は、拡充された雇調金と緊安金についてお知らせいたします。
| 雇用調整助成金等の受給額の上限引き上げ
これまで1人あたりの助成金日額は8,330円でした。これでは日給が保障されていない可能性があるため、今回の改正では上限金額が引き上げられました。以前からニュースなどで報じられていたとおりです。
上限金額:15,000円/人・日
企業規模にかかわらず、全ての事業主に適用されます。
| 雇用調整助成金等の助成率の拡充
解雇などをせずに雇用の維持に努めた中小企業の助成率は、通常は9/10、コロナ対策として94/100まで拡充されていました。今回の改正では助成率が更に拡充されます。
補助率:10/10
補助率が100%になりましたので、休業をしながら雇用を維持した中小企業の場合には、休業手当の100%が支給されます。
| 受給額引上げ、助成率の拡充の期間
2020年4月1日~9月30日の1日でも含む判定基礎期間(賃金締切期間)が対象です。すでに受給された事業主や申請済みの事業主も対象になります。
すでに受給していたり申請済みの事業主の方には追加支給がなされます。追加支給の手続きは不要です。
1 支給決定前の場合
差額も含めて100%支給されます。ただし、審査の状況によっては差額分は2020年7月以降の支給になる場合があります。
2 支給決定後の場合
差額は後日支給されます。2020年7月以降の支給になります。
3 申請済みで、過去の休業手当を増額して従業員に支給した場合
追加支給の手続きが必要です。2020年9月30日までに追加支給の手続きをします。必要書類は次のとおりです。
・再申請書
・支給要件確認申立書
・支給決定通知書のコピー
・増額した休業手当の額が分かる書類
・休業させた費や時間が分かる書類(対象労働者が増えた場合)
| 緊急対応期間の延長
コロナウイルス感染症の影響で緊急対応期間を2020年4月1日~6月30日とされていましたが、2020年9月30日まで延長されることになりました。緊急対応期間中の特例措置の一部を挙げます。
・生産量要件の緩和
・助成対象の拡充
・助成率の拡充
・支給限度日数の特例
かなり緩和されていますので、従業員を休業された事業主の方は申請をしてはいかがでしょうか。
| まとめ
1 上限金額が15,000円に引上げ!
2 要件を満たせば助成率が100%に拡充!
3 緊急対応期間が2020年9月30日まで延長!