2019年12月4日(日)に宅地建物取引士試験の合格発表がありました。合格最低点は35点、合格率は17.0%でした。合格された皆さん、おめでとうございます!残念ながら涙をのんだ皆さん、今年の反省を活かして来年は合格しましょう!
| 宅建士試験の合格発表
2019年の宅建士試験の合格最低点は35点でした。例年通りの点数でしたので驚きはありませんでした。合格率は17.0%でした。2015年からは15%台が5年間続いていましたので、少しだけ合格率は上昇しましたね。
申込者数は276,019人、受験者数は220,797人です。受験率は79.99%、ほぼ80%です。これも例年通りでした。
過去10年間の宅建士試験の合格率と合格最低点を振り返ってみましょう。
2009年 17.9% 33点
2010年 15.2% 36点
2011年 16.1% 36点
2012年 16.7% 33点
2013年 15.3% 33点
2014年 17.5% 32点
2015年 15.4% 31点
2016年 15.4% 35点
2017年 15.6% 35点
2018年 15.6% 37点
2019年 17.0% 35点
合格最低点は31~37点と幅がありますが、おおむね33~35点に収まっています。合格率は15~17%ですので、宅建士試験は上位15%に入れば合格できます。
勉強している間は不安ですが、受かるときには37~38点くらいは取れるだけの実力がついています。合格最低点ギリギリを狙うよりも、少しくらい本番で失敗をしても合格できるように40点を目標に勉強すると安心です。試験本番でも落ち着いて受験できますよ。
| 試験問題を公表
試験問題が公表されましたので、今回から少しずつみなさんの苦手な民法の問題を見ていきたいと思います。
【問 1】
誤っているものを選ぶ問題です。登記なくして所有権を主張できるかを問うています。
1 不法占拠者に対する明渡請求をする場合に、登記を備える必要があるかという問題です。答えは、相手が不法占有者ですから登記は必要ありません。基本的な問題です。個々で正解が分かれば、肢2~4を読む必要はありません。時間が節約できますね。
2 土地賃借人で建物所有者に対して、買主は登記なくして所有者であると主張できるかという問題です。先ほどの肢1とは違って、肢2では正当な権利を持っている人が相手です。正解は“登記なくして主張できない”となりますが、この知識があやふやでも肢1と比較すれば、肢2は切れるのではないでしょうか。
3 登記がないまま第三者に土地を売却した場合、第三取得者は売主にたいして所有権を主張できるかという問題です。登記が必要なのは“食うか食われるか”の関係にあるときですので、前主・後主の関係のときは所有権を主張するのに登記は必要ありません。この肢は正解を導けなくてはいけないと思います。
4 時効取得者は登記なくして所有権を主張できるかという問題です。時効取得は原始取得ですから、時効完成前の所有者に対しては登記なくして所有権を主張できます。時効完成後の取得者とは登記の先後で決着をつけます。この肢も正解を導いて欲しい問題です。
| まとめ
1 2019年の宅建士試験は合格率17%、合格最低点35点!
2 上位15%に入れるように勉強を!
3 2019年問1は基本的な問題なので正解したい!