| 相続の手続は大変
親御さんや配偶者が亡くなると遺産を相続します。相続の手続は法律上の手続以外にもたくさんあります。たとえば、親族への連絡、葬儀の段取り、医療費や家賃の清算、水道・ガス・電気・NHKの解約、金融機関の口座解約、高額療養費や葬祭代の補助金の申請、年金関係の請求・返金など本当に大変です。
法律上の手続としては、遺言書の検認、遺産分割協議書の作成、不動産の相続登記などがあります。
この中で、簡単に済ませられるものがあります。
| 金融機関の解約手続きを簡単にする方法
金融機関の解約手続きにはいくつかの手順があります。
1 死亡の通知と口座凍結
疎遠な相続人や世話人などの第三者が勝手に口座から引き出すのを防ぐために口座を凍結する必要があります。死亡したことを金融機関に電話をすれば凍結してくれます。
2018年の民法改正で、2019年7月1日から口座が凍結されても1金融機関ごとに150万円まで引き出せるようになりました。葬儀代などに困らなくてもよくなりました。
2 解約請求人と死亡者との関係の証明
基本的には戸籍謄本を提出します。金融機関ごとに提出する必要がありますので、5つの金融機関に口座があれば戸籍謄本が5部必要になります。
戸籍謄本は法定相続情報を提出することで代替することができます。法定相続情報は法務局で発行してもらえますが、亡くなられた方の戸籍謄本・除籍謄本、亡くなられた方の住民票の除票、相続される方の戸籍簿抄本、発行を依頼する方の運転免許証など、法定相続情報一覧図の作成が必要です。
それほど難しくありませんが、分からない場合は法務局に問い合わせたり、専門家に依頼したりしてください。
3 解約手続きのための書類の入手
解約手続きのための書類は窓口で受け取ることができます。郵送してもらうこともできます。
4 解約手続きのための書類の作成と提出
解約手続きには亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本が必要です。金融機関ごとに必要ですので、本籍のある市町村の窓口でまとめて取得しておくと便利です。おおよそ3000~5000円かかります。
5 現金の受け取り、指定口座への振り込み
窓口で解約すると現金で受け取ることができます。数百万円以上の場合には事前に金融機関に連絡をして現金を持ち帰ることができるかを確認してください。
| まとめ
1 相続の手続は手間と費用がかかります!
2 法定相続情報を使うと安上がり!
3 口座解約の後に現金で持ち帰る場合は金融機関に連絡を!