労働市場のルールは多種多様

| 労働三法とその他のルール

 

労働関係の法律はたくさんありますが、基本となる法律は3つです。労働基準法、労働関係調整法、労働組合法です。中学校の社会の授業みたいになってしまって申し訳ございません。

その他にもたくさんの法律があります。労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労働保険料徴収法などありますが、今回は労働市場のルールについてまとめたいと思います。

 

| 基本法は雇用対策法

 

労働市場に関連する法律だけでも、たとえば職業安定法、職業能力開発促進法、高年齢者雇用安定法、障害者雇用促進法など多くの法律があります。私は社会保険労務士の勉強をするまで全く知りませんでした。

基本法である雇用対策法では、募集や採用での年齢についてや外国人雇用状況の届出などのルールが定められています。基本法ですから細かくはありませんが、他の法律の指針になります。

雇用対策法の目的は、一言でいうと完全雇用です。少子高齢化による労働人口の変化や経済社会情勢の変化に対応できるようにする総合的なルールです。

 

| 雇用対策法のルール

 

1 募集・採用の年齢に関する均等な機会の確保

労働者の募集や採用の時に、原則として年齢にかかわりなく均等に機会を与えることになっています。もちろん例外もあります。

・定年があって定年年齢を上限とする場合

・労働関係の法律で就業などが禁止・制限されている場合

・長期でキャリアの形成を目的としている場合など一定の場合

2 再就職援助計画

経済的な事情で事業規模を縮小する場合など、1か月以内に30人以上の離職者が生じる場合には、最初の離職者が出る日より1か月前までに再就職援助計画を作成します。

3 大量雇用変動の届出

再就職援助計画を作成する場合には、最後の離職者が出る日よりも1か月以上前に大量離職届を、公共職業安定所長を経由して厚生労働大臣に提出します。自己都合の退職、自己の責めによる退職、天災事変などのやむを得ない事情での廃業による退職などを除きます。

4 外国人雇用状況の届出

外国人を雇用したり外国人が離職したりする場合には、外国人雇用状況届出書を作成して、氏名や在留資格、在留期間などを厚生労働大臣に届け出ます。雇用保険に入っている場合には、資格取得届や資格喪失届も併せて届け出ます。

 

| まとめ

 

1 労働関係のルールは労働三法以外にもたくさん!

2 労働市場のルールは雇用対策法が基本!

3 採用での年齢や外国人の雇用にもルールがあります!



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ストレスチェックを受けますか? ~その3~

前回前々回と健康診断について一般健康診断と特殊健康診断をまとめました。今回はその他の健康診断などをまとめたいと思います。

 

| その他の健康診断

 

1 臨時健康診断

事業場で職業性の疾患が多発した場合や有害物の大量漏洩があった場合などに、都道府県の労働局長が指示して検査をします。労働局長は労働衛生指導医の意見に基づいて、指示を出すかどうかを判断します。

2 自発的健康診断

深夜業に従事して常時使用される労働者は、深夜業が6か月間を平均して4回以上/月の場合には、自分で受けた健康診断の結果を3か月以内に事業者に提出することができます。“常時使用”“深夜業”“6か月平均4回以上/月”がポイントです。

3 労働者指定医師による健康診断

事業者が指定した医師などの健康診断を労働者が拒否した場合、労働者は他の医師や歯科医師の健康診断を受けて書面を事業者に提出します。

 

 

| ストレスチェック

 

ストレスチェックは一定の規模の事業所に義務付けられています。心理的な負担について検査します。

常時50人以上の労働者を使用している事業場では、ストレスチェックが義務になっています。常時50人未満の労働者を使用する事業場では努力義務です。

対象は常時使用する労働者で、1年以内ごとに1回、定期に検査します。検査をするのは、医師、保健師、研修を受けた看護師・精神保健福祉士です。

実施するにあたって、解雇・昇進・異動について直接権限を持つ監督的地位にある人は実施事務ができません。監視しているみたいになりますものね。

検査項目は次の3つです。

・職場における心理的な負担の原因

・心理的な負担による心身の自覚症状

・職場での他の労働者による当該労働者への支援

検査をした医師などからの検査の結果は基本的に労働者に通知されます。事業者への通知は労働者の同意がなければできません。

検査結果の報告を受けた場合は1年以内ごとに1回、定期に所轄の労働基準監督署長に提出します。また、検査結果を分析する努力義務が課せられていて、心理的な負担を軽減するための措置を講ずる努力義務も課せられています。

 

| 面接指導

 

面接指導には2つあります。一つは長時間労働に関する面接指導、もう一つはストレスチェックに基づく面接指導です。どちらも労働者から申し出があった時に事業者は遅滞なく面接指導をします。

1 長時間労働に関する面接指導

残業時間が1月100時間超の場合、かつ疲労の蓄積が認められる労働者が対象です。ただし、前月に面接指導を受けていて医師が面接指導の必要がないと認めた労働者については除外されます。

面接指導では、次のことを確認します。

・労働者の勤務の状況

・労働者の疲労の蓄積の状況

・その他、労働者の心身の状況

会社の産業医は、面接指導の申し出をするように勧奨することができます。面接指導をした場合、医師の意見を聞いたうえで必要があると認めるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮などの措置を講じます。

2 ストレスチェックに基づく面接指導

検査の結果、心理的負担の程度が高くて面接指導を受ける必要があると医師などが認めた労働者が対象です。

面接指導では次のことを確認します。

・労働者の勤務状況

・労働者の心理的な負担の状況

・その他、労働者の心身の状況

長時間労働に関する面接指導と同様に、面接指導をした場合には、医師の意見を聞いたうえで必要があると認めるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮などの措置を講じます。

 

| まとめ

 

1 深夜業の方は自発的な健康診断の結果を提出できます!

2 ストレスチェックは50人以上の事業場での義務です!

3 面接指導の申出ができる場合があります!



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ストレスチェックを受けますか? ~その2~

前回の“ストレスチェックを受けますか?”では、一般健康診断の定期健康診断までまとめました。今回は一般健康診断の特定業務従事者の健康診断からまとめたいと思います。

 

| 一般健康診断

 

1 雇入れ時の健康診断

(“ストレスチェックを受けますか?”を参照)

2 定期健康診断

(“ストレスチェックを受けますか?”を参照)

3 特定業務従事者の健康診断

常時使用する労働者で特定業務に従事する方に対して、配置換えの時に6か月以内に1回、定期に所定項目を検査します。胸部エックス線検査と喀痰(かくたん)検査は1年以内ごとに1回でOKです。

この健康診断でも省略することができる項目があります。

・6か月以内に雇入れ時の健康診断、海外派遣労働者の健康診断、有害業務従事中の特殊健康診断を受けた場合

・医師が不要と認める場合に、一部の者につき、身長、腹囲、喀痰(かくたん)検査、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、心電図検査

・前回の健康診断で、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、心電図検査を受診し、医師が不要と認めた場合

定期健康診断でも同じような省略項目がありましたが、違いは各種健康診断の1年以内と6か月以内、特定業務健康診断では胸部エックス線検査が省略できないこと、前回の健康診断からの医師の判断の3つです。

特定業務は、たとえば坑内労働、深夜業を含む業務、水銀・ヒ素・黄燐などの有害物質を扱う業務、病原体による汚染の恐れが著しく業務などです。

4 海外派遣労働者の健康診断

海外に6か月以上派遣しようとする労働者や海外に6か月以上派遣して帰国後に国内の業務につかせる場合には、海外派遣労働者の健康診断を受けます。海外派遣の前と後の検査です。

定期健康診断の項目に加えて、医師が必要と認めた場合には次のものを検査します。

・腹部画像検査

・血液中の尿酸の量の検査

・B型肝炎ウイルス抗体検査

・ABO式、Rh式の血液型検査(渡航前のみ)

・糞便塗抹検査(帰国後のみ)

省略できる項目は次のとおりです。

・6か月以内に雇入れ時の健康診断、海外派遣労働者の健康診断、有害業務従事中の特殊健康診断を受けた場合(渡航前のみ)

・医師が不要と認めた場合に、一部の者につき、身長、喀痰(喀痰)検査

5 給食従業員の健康診断

事業に付属する食堂や炊事場で給食の業務をする方に対して、雇入れ時や配置換え時に検査します。検査項目は検便のみです。

 

| 特殊健康診断

 

1 有害業務従事中の健康診断

一定の有害業務に常時従事する労働者に対して、雇入れ時や配置替え時のほか所定期間以内に1回、定期に特別な項目を医師が検査します。一定の有害業務は次の業務です。

・高圧室内業務、潜水業務

・放射線業務

・一定の特定化学物質の製造、取扱などの業務

・石綿の粉塵が発散する場所での業務

・鉛業務

・四アルキル鉛などの業務

・有機溶剤業務

四アルキル鉛という聞きなれない化学物質が出てきましたので、インターネットで調べてみました。

強い神経毒性をもつ物質で、引火性や金属腐食性をもつようです。かなり危ない物質ですね。四アルキル鉛を取り扱う場合には作業主任者が選任されます。

2 有害業務従事後の健康診断

一定の有害業務に常時従事した労働者でまだ使用している方に対して、6年以内に1回、定期に特別な項目を石が検査します。一定の有害業務のうち主なものは次の業務です。

・ベンジジンの製造、取扱

・ジクロルベンジジンの製造、取扱

・1.2‐ジクロロプロパンの製造、取扱

・ベンゼンの製造、取扱

・石綿の粉塵が発散する場所での業務

3 歯科医師の健康診断

歯やその支持組織に有害なガスなどが発散する場所での業務に常時従事する労働者に対して歯科医師が検査します。雇入れ時や配置替え時のほか、6か月以内に1回、定期に行います。有害な物は例えば次のようなものです。

・塩酸

・硝酸

・硫酸

・亜硫酸

・フッ化水素

・黄燐

 

| まとめ

 

1 深夜業なら特定業務従事者の健康診断を!

2 有害業務の内容は健康診断によって異なります!

3 歯科医師の健康診断が必要な場合は忘れずに!



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ストレスチェック受けますか?

| 健康診断や検査は12種類!

 

労働安全衛生法に載っている健康診断や検査は大きく分けて3種類あります。細かく分けると12種類も!まとめてみます。

1 一般健康診断

血圧を測ったり胸部のエックス線検査などの11項目を検査します。

・雇入れ時の健康診断

常時使用する労働者を雇い入れるときに行います。喀痰(かくたん)検査以外の項目を検査します。

・定期健康診断

常時使用する労働者に対して1年以内に1回、定期に検査します。

・特定業務従事者の健康診断

特定業務に常時従事する労働者に対して6か月に1回、定期に検査します。また、特定業務に従事するときにも行います。

・海外派遣労働者の健康診断

労働者を海外へ6か月以上派遣するときに検査します。

・給食従業員の健康診断

食堂や炊事場での給食の業務を行う労働者に対して雇入れ時・配置替え時に検査します。

2 特殊健康診断

一定の有害業務に従事している労働者などに対して行われます。特別の項目の健康診断や歯科医師の健康診断です。

・有害業務従事“中”の健康診断

一定の有害業務に常時従事する労働者に対して所定期間以内に1回、定期に検査します。雇入れ時・配置替え時にも検査します。

・有害業務従事“後”の健康診断

一定の有害業務に常時従事したことのある労働者に対して6か月に1回、定期に検査します。

・歯科医師による健康診断

歯などに有害な物のガスや蒸気などが発散する場所で常時従事する労働者に対して6か月に1回、定期に検査します。

3 その他の健康診断と検査

・臨時健康診断

都道府県労働局長の指示によって行われます。

・自発的健康診断

深夜業に常時従事する労働者が会社に証明書を提出する健康診断です。

・労働者指定医師による健康診断

会社の健康診断に替えて、会社の指定した医師などが行う健康診断を受けることができます。

・ストレスチェック

常時使用する労働者に対して1年以内に1回、定期に行う心理的負担の程度を把握するための検査です。

一般健康診断を受診してもその時間は当然には給料は出ませんが、特殊健康診断の場合には受診の時間は労働時間とされて給料が支払われます。有害業務に従事している方は給料の明細を確認してみますと支払われていることが分かると思います。

 

| 一般健康診断

 

1 雇入れ時の健康診断

常時使用する労働者を雇い入れるときに行います。パートさんは、1週間の所定労働時間が通常の労働者の3/4以上であるときには、雇入れ時の健康診断受診させないといけません。

ただし、医師による健康診断を3か月以内に受診している場合で、その結果を会社に提出したときには、雇入れ時の健康診断を省略することができます。
一般検査をした後の再検査や精密検査までは義務になっていません。

2 定期健康診断

常時使用する労働者に対して1年以内に1回、定期に所定項目を検査する健康診断です。検査項目は次のようになっています。

・既往歴と業務歴の調査

・自覚症状と他覚症状の有無の検査

・身長、体重、腹囲、視力、聴力の検査

・胸部エックス線検査、喀痰(かくたん)検査

・血圧の測定

・貧血検査

・肝機能検査

・血中脂質検査

・血糖検査

・尿検査

・心電図検査

定期健康診断でも省略することができる検査があります。

・1年以内に雇入れ時の健康診断、海外派遣労働者の健康診断、特殊健康診断を受けた場合

・医師が不要と認める場合に、一部の者につき、身長、腹囲、胸部エックス線検査、喀痰(かくたん)検査、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、心電図検査

例えば、35歳の方は身長の検査や喀痰検査を省略できる場合があります。

 

| まとめ

 

1 法律上の健康診断・検査は11種類も!

2 特定健康診断は有給で受診!

3 定期健康診断は省略できる項目があります!



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化学物質の有害性の調査

| 表示や通知が必要な物質の調査

 

前回の記事“危険物や有害物ってなに?”で、表示や通知が必要な物質についてまとめました。表示が必要な物質で政令で定める物や通知が必要な物質は、危険性や有害性などを調査しなければいけません。

調査をした後はほったらかしはダメです。法令で定められた措置を講じたり(義務)、労働者の危険や健康障害を防止するための措置を講じるように務めなければいけません(努力義務)。法令で定められた措置には、例えば安全衛生教育や特殊健康診断、作業環境の測定などがあります。

 

 

| 新規化学物質の有害性の調査

 

すでにある化学物質として政令で定める化学物質以外の化学物質には、労働者の健康障害を防止するために細かなルールがあります。

原則として、新規化学物質の製造や輸入をするときはあらかじめ有害性を調査して、厚生労働大臣に名称や調査結果などを届けなければいけません。有害性の調査は次の3つのうちどれかを行います。

・変異原性試験

・がん原性に関して変異原性試験と同等以上の知見を得られる試験

・がん原性試験

例外もあります。次の場合には有害性の調査が不要です。かなり端折っていますので、詳しくは労働安全衛生法57条の4第1項ただし書き、労働安全衛生法施行令18条の4、労働安全衛生規則34条の9、同規則34条の13をご参照ください。

・製造、取扱方法などから労働者が新規化学物質にさらされるおそれがない旨を厚生労働大臣が確認したとき

・すでに得られている知見などから有害性がない旨を厚生労働大臣が確認したとき

・試験研究のために製造、輸入しようとするとき

・主として一般消費者の生活用として輸入される場合で、労働者が新規化学物質にさらされるおそれがないとき

・一事業場で年間100㎏以下の製造、輸入である旨を厚生労働大臣が確認したとき

厚生労働大臣の確認を受けるときは、製造や輸入する日の30日前までに申請書を厚生労働大臣に提出します。

有害性の調査をした後は、労働者の健康障害を防止するための措置を“速やかに”講じなければいけません。この措置は、表示や通知が必要な物質の調査の場合とは異なり、努力義務ではなく“義務”ですのでご注意ください。

 

| 厚生労働大臣の対応

 

1 名称の公表

厚生労働大臣が届出を受け取ったり確認をした場合には、原則として受理後1年以内に新規化学物質の名称を公表します。届出を行った業者は、名称が公表される前でも製造や輸入をすることができます。ビジネス上の先手を取れますね。

新規化学物質の名称は、3か月以内ごとに1回、定期的に官報に掲載することで公表されます。

2 勧告

届出があった後、厚生労働大臣は、労働者の健康障害を防止するために必要があるときには、施設や設備の設置・整備、保護具の備え付けなどを事業者に勧告することができます。大臣自身は判断できませんので、届出者の行った有害性の調査について学識経験者の意見を聞いたうえで判断します。

 

| まとめ

 

1 表示や通知が必要な物質は危険性や有害性の検査が必要!

2 新しい化学物質も有害性の検査が必要!

3 大臣に届出をすれば公表前に製造・輸入可能!



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