今回のシリーズは労働市場のルールをまとめています。基本法である雇用対策法から始めて障害者雇用促進法までをまとめました。
本日は職業訓練などのルールについてまとめたいと思います。
| 職業能力開発促進法
職業訓練はハローワークなどで行われている離職者向けの講習を思い浮かべますが、会社で行われる職業訓練もあります。
職業能力開発促進法は、職業に必要な労働者の能力を開発したり向上させたりすることで、職業の安定と労働者の地位の向上を図っています。経済や社会の発展まで法律の目的になっています。
ハローワークや会社以外でも、労働者が自ら職業に関する教育訓練や職業能力検定を受ける機会もあります。このような施策などを総合的かつ計画的に講ずることが求められています。
| 会社内での職業能力開発
会社は、労働者が職業能力の開発や向上を図るための機会を確保できるように配慮することになっています。努力義務です。
次のような措置を取ることができます。
・職業訓練を会社または共同して行うほか、他社の設置する施設で行われる職業訓練を受けさせること
・他者の設置する施設で行われる教育訓練を受けさせること
・一定の職業能力検定を受けさせること
・必要に応じて実習併用職業訓練を実施して労働者の職業能力の開発・向上を促進すること
・労働者が目標を定めることを容易にするための情報提供や相談の機会の確保などを行うこと
・労働者の配置その他の雇用管理について配慮すること
・有給教育訓練休暇などの休暇を付与すること
・教育訓練や職業能力検定を受ける時間を確保するために勤務時間の変更・短縮などをすること
“有給教育訓練休暇”と出てきましたが、年次有給休暇として与えられるものは含まれません。有休とは別に与えることになります。
| 会社内での職業能力開発計画の作成
事業主は、会社内での職業能力開発の措置に関する計画を作成するように努めなければいけません。努力義務です。計画を作成したときは労働者に周知させて円滑な実施に努めなければいけません。こちらも努力義務です。
この契約の作成は会社の規模に関係なく努力義務とされています。
| 職業能力開発推進者の選任
会社内での職業能力開発の措置に関する計画の作成や実施、相談、指導などの業務などを担当する“職業能力開発推進者”を選任するように努めなければいけません。これも努力義務です。
| まとめ
1 会社内で職業訓練をする場合があります!
2 職業能力開発・向上のためにいくつかの努力義務があります!
3 会社は計画を作成したり責任者を選任したりします!