| 安全衛生教育ってなに?
安全衛生教育は、すべての事業場で義務付けられている従業員教育です。労働災害を防止するために労働安全衛生法で義務付けられています。
労働者が安全に仕事ができるようにして健康でいられるようにするために設けられた制度です。作業場にある多くの機械には安全装置がついていると思いますが、作業者の軽率な行動で事故が起きてしまうかもしれません。このようなことがないように、事業者は労働者への安全衛生教育をする必要があります。
その他にも、過重労働やパワハラなどで従業員の心身が害されることもあります。ですから、事務職の方にも安全衛生教育をすることになっています。
安全衛生教育は大きく分けて3つあります。“雇入れ時・作業内容変更時の教育”“特別教育”“職長教育”です。自社で行う場合やコンサルタントを招いて行うこともありますが、業種ごとに団体が講習を開いている場合が多いです。
まとめていきたいと思います。
| 雇入れ時等の教育
雇入れ時の教育はパートさんやアルバイトさんに対しても行います。すべての事業場で必要な教育は次の4つです。
・発生するおそれのある疾病の原因と予防
・整理、整頓、清潔の保持
・事故時などの応急措置と退避
・その他、当該業務に関する安全と衛生のために必要な事項
事務職が主体ではない業種では次の教育も必要です。
・機械等、原材料等の危険性や有害性、これらの取り扱い方法
・安全装置、有害物抑制装置、保護具の性能とこれらの取り扱い方法
・作業手順
・作業開始時の点検
事務職が主体でない業種とはいっても、それほど危険とは言えない業種もあります。たとえば、デパートの従業員はどうでしょうか。事務が主体ではないといっても軽作業ですから危険ではないようにも思います。しかし、デパートは小売業で事務が主体ではないことから、デパートでは上記8つの教育をしなければいけないことになっています。
| 特別教育
危険・有害な業務で一定のものは、安全・衛生のための特別な教育をします。一定の業務は主に次のとおりです。
・クレーン運転業務(つり上げ荷重5t未満)
・移動式クレーンの運転業務(つり上げ荷重1t未満)
・フォークリフト運転業務(最大荷重1t未満)
特別教育をした記録は3年間保存してください。記録には受講者や科目など記載します。
| 職長教育
政令で定められた業種では新任の職長は職長教育を受けます。新任の職長以外にも、作業中の従業員を直接指導したり監督したりする人も対象です。作業員を指揮する作業主任者は免許や技能講習を受けていますから、職長教育の対象ではありません。
政令で定められた業種は次のものです。
・建設業
・製造業(一定のものは除く)
・電気業
・ガス業
・自動車整備業
・機械修理業
職長教育では、次のことを規定時間以上教育しなければいけません。合計で12時間以上あります。
・作業方法の決定と労働者の配置 : 2時間
・労働者への指導と監督の方法 : 2.5時間
・危険性や有害性などの調査、行事対象物や通知対象物による危険性や誘導性などの調査など、措置 : 4時間
・異常時などの措置 : 1.5時間
・その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動 : 2時間
| 派遣労働者の場合
派遣労働者の場合には、派遣元か派遣先のどちらが安全衛生教育をするのでしょうか。教育の種類によって異なります。
・雇入れ時の教育 : 派遣元
・作業内容変更時の教育 : 派遣元と派遣先
・特別教育、職長教育 : 派遣先
| まとめ
1 安全衛生教育は大きく3種類!
2 すべての事業場で必要な安全衛生教育があります!
3 特別教育をしたら記録を3年間保存!
4 建設業の方は職長教育を忘れずに!