本日は社会の中心で働いている方々ではなく、高齢者の雇用についてまとめたいと思います。助成金制度もあります。
| 高齢者の雇用と再就職
高齢者の雇用を促進するために“高年齢者雇用安定法”という法律があります。大きく2つの政策があります。1つめは“高年齢者の安定した雇用の確保の促進”、2つめは“高年齢者などの再就職の援助”です。
1 高年齢者の安定した雇用の確保の促進
・定年年齢
原則60歳以上 ただし、定年を定めなくてもよいし、坑内作業の業務は60歳未満でもOKです。
・高年齢者雇用確保の措置
65歳未満の定年制がある場合は、“定年の引き上げ”“継続雇用制度の導入”“定年制の廃止”のどれかを採用しなければいけません。
・高年齢者雇用触診者の選任
作業施設の改善などを担当する高年齢者雇用促進者を選任することが努力義務になっています。義務ではなく努力義務ですから、高年齢者雇用促進者を必ず選任しなければいけないわけではありません。
・高年齢者の雇用状況の報告
毎年6月1日現在の定年・継続雇用制度の状況などをハローワークを通して厚生労働大臣に報告します。期限は7月15日までです。
2 高年齢者などの再就職の援助など
・条件の理由の提示
労働者の募集・採用条件としてやむを得ず65歳以下の労働者に限定するときは、求職者にその理由を書いた書面を渡さなければいけません。
・再就職援助措置
45歳~64歳で常時雇用されている方が解雇などによって離職するときは、再就職援助措置を講ずることが努力義務になっています。必須ではありません。
・求職活動支援書
45歳~64歳で常時雇用されている方が解雇などによって離職するときに希望したときは、求職活動支援書を作成して渡さなければいけません。また、再就職援助担当者を選任して再就職の援助をハローワークと共同して行わさなければいけません。
・多数離職の届出
45歳~64歳で常時雇用されている方のうち5人以上が解雇などによって離職するときは、最後の離職の日の1か月前までにハローワークに多数離職届を提出しなければいけません。
| 高齢者の雇用促進助成金
65歳超の高年齢者を雇用したり、雇用を継続するときには、助成金制度を活用できるかもしれません。
厚生労働省は、65歳超雇用促進助成金を設けていて、3つのコースがあります。“65歳超継続雇用促進コース”“高年齢者雇用環境整備支援コース”“高年齢者無期雇用転換コース”です。
1 65歳超継続雇用促進コース
労働協約や就業規則で、定年年齢を65歳以上へ引き上げたり、定年制を廃止したり、希望者全員を66歳以上まで継続雇用する制度を導入すると助成金の対象になります。ただし、次の条件があります。
・経費を使ったこと
・労働協約や就業規則を整備していること
・高年齢者雇用推進員の選任か高年齢者雇用管理に関する措置のどちらかを実施していること
・制度実施前1年間に高年齢者雇用安定法第8条(定年規定)と第9条第1項(高年齢者雇用確保措置)の規定に違反していないこと
・支給申請日の前日に1年以上継続雇用された60歳以上の雇用保険被保険者が1人以上いること
2 高年齢者雇用環境整備支援コース
・雇用環境整備計画の認定を受けていること
・高年齢者雇用環境整備の措置を実施していること
3 高年齢者無期雇用転換コース
・50歳以上かつ低年齢未満の有期契約労働者を向き契約労働者へ転換すること
・無期雇用転換計画の認定を受けていること
・無期雇用転換措置を実施していること
各コースとも上記の要件以外にも雇用関係助成金共通の要件などがありますのでご注意ください。
| まとめ
1 高齢者の雇用を確保するためのルールがあります!
2 45歳~64歳が高年齢者とされる場合が多い!
3 高齢者の雇用で助成金が貰えるかも!?