| 試験の答案用紙を紛失!?
試験の答案用紙を採点者が失くしてしまうという事件はチラホラと耳にします。特に中学校や高等学校の定期試験ではありがちですね。最近では2017年10月に滋賀県の膳所高校の中間考査で答案用紙の紛失事件がありました。膳所高校といえば滋賀県屈指の進学校です。成績が重視される学校でもこのような失態が起こるのです。
答案紛失ではないのですが、私が高校生の時、教科担任が私と出席番号が一つ後ろの生徒の成績を取り違える事件に巻き込まれました。進学校ではありませんから学校の先生ものんびりしていたのでしょう。
| 大学入試や国家試験でも!?
大学入試試験や国家試験では学内の試験とは異なる問題が生じます。一発勝負の人生をかけた試験なのですから、どのような対応がなされるのかにかかわらず、受験生にとっては一大事です。
大学入試では、平成29年2月に行われた島根大学の医学部井学科の試験で答案用紙を紛失する事件がありました。試験後に監督官が枚数を確認せず採点前に紛失に気付いたとされていて、再試験は行われませんでした。どのような対応をしたのかは公表されていないようです。
国家試験でもあります。古くは、平成16年10月に行われた公害防止管理者等国家試験の東京会場で、解答用紙36名分の一部を紛失していました。対象者には再試験が行われたそうです。
また、平成28年5月に行われた公認会計士試験の短答式で答案の紛失が発覚しました。難関試験で知られる公認会計士試験ですが、当該受験生の他の科目の成績を考慮して短答式試験を合格としたそうです。
| 行政書士試験の答案紛失事件
行政書士試験でも答案紛失事件が起こりました。平成29年11月に行われた試験で、徳島大学常三島キャンパス内の会場が舞台です。203名の受験者のうち2名の答案用紙を失くしていました。
行政書士試験の運営の基本的な流れは次のようだと思われます。
1 試験終了後、試験監督補助員が答案用紙を1枚ずつ回収
2 回収後、受験生を席で待たせたまま答案用紙の数を確認(受験番号や氏名の記入も同時に確認)
3 解答用紙を一定数ごとに封筒に入れ、答案用紙の枚数を封筒に記入して密封
4 各会場で答案用紙をひとまとめにして行政書士試験研究センターへ送付
5 行政書士試験研究センターで答案用紙を確認
今回答案用紙の数が不足していることに気づいたのは行政書士試験研究センターです。それまでの過程では紛失が発覚しておらず、最終的に試験センターが確認するまでのどこで紛失したのかを特定できない状態です。おそらく会場から試験センターに送付する段階か試験センターで答案用紙を確認する段階で紛失したのではないでしょうか。
| 行政書士の信頼も失墜?
試験監督官や試験監督補助員は地域の行政書士が担当することがあります。毎年、行政書士会は試験前に試験監督官などの募集をします。
行政書士は職業柄お客様から大切な書類を預ることが多いです。また、官公庁へ提出する書類の作成と申請の代行を業務としています。そのような行政書士が書類を紛失していては、根底にある業務に対する信頼を損ねてしまいます。
試験監督官も人間ですからミスをします。ですから、人為的なミスをなくすためのシステムを作ってもらわなければなりません。書類の紛失は試験自体に対する信用はもちろんのこと、行政書士全体の信頼も損なわれるのだと肝に銘じて再発防止に力を注いでもらいたいです。
ミスばかりをしている私も深く反省をし、しっかりと頭に刻み込みたい事件でした。
| まとめ
1 近年は答案用紙の紛失事件が頻発!
2 公認会計士試験や行政書士試験でも答案紛失!
3 行政書士自体の信頼も落ちた!?