マンションの外壁落下の責任

| 外壁が落下したときの責任の種類

 

マンションの外壁にはタイルが貼られていることが多いです。耐久性向上や美観のために貼られています。このタイルは施工不良やひび割れによって浮いてきます。タイルが浮いてくるとはがれて落下する危険があります。“ビルやマンションの外壁落下事故”をご参照ください。

このような時にはだれが責任を取るのでしょうか。調べてみました。題材として東京地裁平成20.12.24判決を使います。今回は一般的なお話ですので事案は割愛します。

1 瑕疵担保期間内のタイルの落下の責任

マンションの分譲会社は区分所有者や管理組合に対して修繕費の損害賠償義務を負います。また、マンション建築会社はマンション分譲会社に対して、マンションの建築請負契約の瑕疵担保責任を負います。つまり、最終的な責任はマンション建築会社が負うことになります。

2 瑕疵担保期間の経過後のタイルの落下の責任

マンション分譲会社に過失があるときには、区分所有者に対して不法行為による損害賠償責任を負います。ただし、タイルが浮いて落下することを予見するのは困難ですから、実際には過失は認められにくいとされています。また、マンション建築会社に過失があるときには、区分所有者に対して不法行為による損害賠償責任を負います。

 

 

| 不法行為責任って?

 

ここで、“不法行為”の責任と言っていますが、もともと不法行為は第三者による行為による損害を念頭に置いています。しかし近年は契約の当事者間でも不法行為責任を認めるのが一般的になっています(最高裁平成19.7.6判決など)。

タイルを貼る工事をするときには、メーカーの仕様書のとおりに施工することが必要です。建築会社が仕様書とおりに施工せずタイルが浮いて落下したならば、建築会社に不法行為の過失があるとされることがあります。

不法行為の損害賠償期間は、タイルが浮いたことを知ったときから3年以内、タイル工事をしたときから20年以内です。15年目の大規模修繕工事のときにタイルの浮きが見つかったら不法行為責任を追及できる場合があります。専門家に相談してみてください。

 

 

| まとめ

 

1 責任には瑕疵担保責任と不法行為責任があります!

2 瑕疵担保期間内なら瑕疵担保責任!

3 瑕疵担保期間経過後なら不法行為責任!

4 タイル工事後20年以内なら責任追及できるかも!?



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