完全な所有権を取得する方法

| 所有権って?

 

所有権は、土地や建物などの不動産や現金や商品などの動産を自由に使用・収益・処分することのできる権利です。

所有権があればできる“使用”、“収益”、“処分”とは具体的にどんなことでしょうか?車を例にしてみましょう。

車を自由に乗ることができることが“使用”です。有料で友人に車を貸すことが“収益”です。車を売ってしまうことが“処分”です。

このようにモノを自由にできる権利が所有権です。ただし、完全に見える所有権にも限界がありますが、またの機会に書きたいと思います。

 

 

| 所有権の取得方法

 

所有権を手に入れる方法は様々です。貰ったり買ったり相続したり…。誰かから譲り受けて所有権を取得する方法は“承継取得”と言われています。承継取得の場合には、手に入れたモノに様々な権利が付いている場合があります。たとえば、買った土地や建物に抵当権が付いていたりします。

これとは違って、完全な所有権を取得できる“原始取得”もあります。民法には4種類規定されています。

1 無主物先占

所有者がいないモノ(動産)を所有するつもりで自分のものにすると所有権を取得できます。不動産はダメです。所有者がいない不動産は国庫に帰属します。

2 遺失物拾得

遺失物を拾って公告をしてから6か月以内に持ち主が現れないときには所有権を取得できます。

3 埋蔵物発見

土地・建物などの中に置かれていて誰が所有者か簡単には分からないモノを発見したときは、公告をして6か月以内に所有者が現れないと所有権を取得します。最初に発見すればよいので、持ち帰ったりする必要はありません。

4 添付

添付には、“不動産の付合”、“動産の付合”、“混和”、“加工”があります。すべて書くと長くなりますので次回にします。

埋蔵物の発見はなかなかないでしょうが、遺失物拾得や添付は日常生活で十分にありうることです。落とし物を拾って警察に届けたとか友人と飲んでいたお互いのジュースを混ぜたとか他人のイスに絵を描いてあげたとかいろいろありそうです。

このような日常的な行為にも民法の規定が適用されるというのはおもしろいですね。

 

 

| まとめ

 

1 所有権はモノを使用・収益・処分する権利!

2 所有権の取得方法は承継取得と原始取得!

3 原始取得をすると他の権利が付いていない所有権が手に入る!



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