前回は、必要書類について完成工事高から技術職員までを書きました。今回は労働福祉などについて書いていきます。
| 必要書類って何がいるの?
今回の話に入る前に、前回の概要を書いておきます。
1 完成工事高について
(1)工事種類別の完成工事高と元請完成工事高
(あ)法人の場合
・法人税の確定申告書(別表一)、決算報告書の損益計算書
・消費税の確定申告書の控えと添付書類
・消費税の納税証明書(その1)
(い)個人事業主の場合
・所得税の確定申告書(第一表、第二表)、収支内訳書または青色申告決算書
・消費税の確定申告書の控えと添付書類
・消費税の納税証明書(その1)
(2)工事経歴書
(3)上位5件分の契約書などの写し
2 自己資本額と平均利益額について
(1)決算変更届の副本一式
(2)直近の変更届の副本一式
3 技術職員数、元請完成工事高について
(1)技術職員名簿
(2)継続雇用制度の適用を受けている技術職員名簿
(3)国家資格等を確認する書類の写し(技術職員名簿に書かれている職員)
(4)技術職員実務経験申立書
(5)技術職員の常時雇用が確認できる書類
(6)工事経歴書
(7)5件分の契約書の写し
以上が、前回の概要です。
今回は労働福祉・法令順守などから必要書類を挙げていきます。
4 労働福祉・法令順守など
(1)雇用保険について
(あ)雇用保険の加入を確認できる書類(以下のすべて)
・労働保険概算・確定保険料申告書、労働保険事務組合からの納入通知書
・保険料の納入分の領収書
・必要に応じて、雇用保険保険料納入証明書の写し、雇用保険被保険者資格取得等確認通知書の写し
(い)雇用保険の適用除外の場合、適用除外を確認できる書類(以下のいずれか)
・使用人数
・個人事業の従業員が同居親族のみの場合、所得税確定申告書の収支内訳書または青色申告決算書
・法人の従業員が役員の同居親族のみの場合、被使用者の住民票、運転免許証など
(2)健康保険・厚生年金保険について
(あ)健康保険・厚生年金保険の加入を確認できる書類(以下のいずれか)
・保険料納入告知額・納入済額通知書
・健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書
・必要に応じて、資格取得確認及び標準報酬決定通知書、船員保険被保険者証
(い)建設国保の加入が確認できる書類(以下のいずれか)
・事務所名の記載のある建設国保の保険証
・建設国保の保険証に事務所名がない場合、理事長などが発行する事務所名の記載のある資格証明書
・納入告知書兼領収書
(う)健康保険・厚生年金保険適用除外の場合、適用除外を確認できる書類(以下のいずれか)
・使用人数
・個人事業所の従業員が4名以下の場合、所得税確定申告書の収支内訳書または青色申告決算書
・従業員のすべてが出向社員の場合、出向協定書や出向辞令書など+出向元での加入を確認できる書類
(3)建設業退職金共済事業について
・履行証明書の写し
(4)企業年金制度・退職一時金制度について
企業年金制度などの導入を確認できる書類(以下のいずれか)
・中小企業退職金共済制度、特定退職金共済団体制度への加入証明書
・労働協約、就業規則
・厚生年金基金への加入証明書、領収書
・確定拠出年金への加入を確認できる証明書など
・企業年金基金への加入を確認できる証明書など
・確定給付企業年金に関する契約書
(5)法定外労働災害補償制度について
法定外労働災害補償制度の加入を確認できる書類
・(公財)建設業福祉共済団、(一社)全国建設業労災互助会などの労働災害補償制度への加入証明書
・労働災害総合保険などの保険証券+政府の労働災害補償保険への加入を確認できる書類
ただし、次の要件を全て満たす場合に限って評価の対象になります。
A 業務災害と通勤災害の両者とも対象であること
B 職員と下請負人の全員が対象であること
C 死亡と障害等級第1~7級が対象であること
D すべての工事現場を補償していること
(6)防災活動への貢献について
防災活動への貢献状況を確認できる書類(以下のいずれか)
・国、地方公共団体などとの間で締結した防災協定書
・所属団体が防災協定を締結している場合、防災協定書と所属団体への加入を証明する書類
(7)監査の受審について
・監査証明書の写し、会計参与報告書の写し
・商業登記簿謄本
・経理書類の適性を確認した旨の書類の原本
(8)公認会計士などの数、登録経理試験の合格者数について
(あ)資格や試験合格を確認できる書類
・各種試験の合格証の写し
・資格者証の写し
(い)常時雇用を確認できる書類
・技術職員の常時雇用確認書類と同じ書類
(9)研究開発費について
研究開発費の額を確認できる書類(会計監査人設置会社のみ)
・有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない会社の場合、有価証券報告書の写し
| まとめ
1 社会保険は標準報酬決定通知書や納入書で確認!
2 防災活動は防災協定書で確認!
3 監査は証明書・報告書で確認!
4 資格は合格証や資格者証で確認!
5 研究開発費は有価証券報告書で確認!