建設業の許可を取るポイント! ~事務所(営業所)~

| 事務所(営業所)って何をするところ?

 

建設業の事務所(営業所)は、請負契約を締結したり、請負契約の見積りや入札をしたり、その他請負契約の締結に係る様々な事務処理を行う場所です。

建設業を営んでいない本店や支店はここでの“事務所”ではありません。また、単なる連絡事務所のようなものもここでの“事務所”ではありません。

建設業の許可を受けるためには営業所が最低1ヶ所必要です。いわゆる本社、本店です。“主たる営業所”も同じ意味です。

もちろん本店以外に支店を作ることもできます。支店を作ると、支店ごとに支店長や専任技術者をそれぞれ配置する必要がありますから負担が大きくなりますね。支店が本店と異なる都道府県にある場合には“知事許可”ではなく“大臣許可”になりますのでご注意ください。

 

 

| 事務所の要件は6つ!

 

一般建設業、特定建設業のどちらも、原則として次の6つの要件を満たさなければいけません。建物全体でもいいですし、建物の一室でもかまいません。

1 事務所をいつでも使える権原があること

自社の所有する物件でもいいですし、賃貸借をしている物件でもOKです。

2 建物の外観または入口などで、商号や名称が確認できること

看板などを掲げておけば大丈夫です。建設業の許可申請のときに写真の提出を求められます。

3 固定電話、事務機器、机などの什器や備品が備えられていること

電話、FAX、机などがあれば問題ありません。こちらも写真の提出を求められます。

4 許可を受けたあと営業所ごとに建設業の許可票を掲げていること

建設業の許可を受けたら許可票を用意してください。樹脂やアルミのしっかりしたものを購入される方が多いと思います。とりあえずということで手書きのものを用意されても構いません。下のような雛形を使います。

建設業の許可票_見本

 

5 支店などの代表者が常勤しており、契約締結等の権限を委任されていること

支店がある場合には支店長を配置しなければいけません。この支店長は、常勤で契約締結などの権限がなければなりません。名ばかりで権限のない支店長はダメですし、名義貸しのような非常勤の支店長も認められません。

6 専任技術者が常勤してもっぱらその職務に従事していること

本店と支店には専任技術者を配置しなければいけません。専任の技術者は常勤でなければいけませんし、勤務時間は専任技術者として仕事をしていなければいけません。

 

「事務所」と大きく看板が掲げられた2階建ての建物のイラスト

 

 

 

| 事務所の要件確認のための必要書類

 

1 事務所の権利関係を証明する書類

建設業の許可を取るときには、事務所を使える権原を確認するための書類が必要です。

(1)自己所有の場合

次のどれか1つを提出します。自己所有と言えるのは、申請者、法人の役員、個人事業主、個人の支配人が、建物の1/2以上を所有している必要があります。

(あ)建物の登記簿謄本(発行日から3か月以内)

(い)固定資産税評価証明書(発行日から3か月以内)

(う)固定資産税・都市計画税の納税通知書(直近のもの)(原本提示、写し提出)

(え)登記済証(権利証)(原本提示、写し提出)

(お)登記識別情報通知(原本提示、写し提出)(今は登記済証ではなくこちらです)

(か)建物の売買契約書(原本提示、写し提出)

(か)の建物の売買契約書は、登記が確認できない場合などに提出する補完的な書類です。

 

不動産の登記名義人へ通知される12桁の英数字が書かれた登記識別情報のイラスト

 

(2)賃貸借の場合

賃貸借の場合は、賃貸借契約書の原本を提示して写しを提出します。

追加で使用承諾書が必要になる場合もあります。例としては次のような場合です。

(あ)使用目的が居住用になっているとき

使用目的が“倉庫”になっているときは、写真で事務所として使用することが分かるようであれば使用承諾書の提示は不要です。

(い)事務所としての使用が禁止されているとき

(う)申請者と借主が異なるとき

(え)申請者が個人で、個人事業主の親族などが建物を所有しているとき

この場合は、賃貸借契約書と使用承諾書だけでなく、親族などが所有してることの確認書類として“(1)の(あ)~(か)のどれか1つ”が必要です。

(お)申請者の関係企業などとの間で賃貸借契約をしているとき

関係企業が所有する建物の場合は、賃貸借契約書と使用承諾書だけでなく、関係企業が所有していることの確認書類として“(1)の(あ)~(か)のどれか1つ”が必要です。

関係企業が賃借している建物の場合は、賃貸借契約書と使用承諾書だけでなく、転貸禁止になっていないかを確認するために、“関係企業などが所有者と締結している賃貸借契約書”も必要です。

 

契約書に判子(印鑑)を押している様子を描いたイラスト

 

2 支店長などの権限委任の確認書類

支店長などに権限を委任していることが分かる委任状が必要です。

委任状は、法人の取締役会などや代表取締役、個人事業主から支店長などに建設業に係る請負契約の締結などが委任されていることが分からなければいけません。

ただし、支店長などが法人の役員であったり個人の事業専従者であったりする場合には不要です。

 

 

| まとめ

 

1 事務所は契約締結したりするための場所!

2 事務所は見た目だけでなく常勤しているなど実態も重要!

3 事務所として使うための権原は所有でも賃貸借でもOK!

4 支店があるときは支店長への権限委任の確認書類が必要!



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