| 建設産業政策会議の設置
平成28年7月に“建設産業政策会議”が設置されました。この会議では、AIやIoTなどによって生産性を向上させ現場力を維持できるよう、制度の基本的な枠組みを検討する会議です。
その中で、法制度・許可ワーキンググループによる検討内容は大きく2つありますが、その1つが建設業許可申請の要件の見直しです。より若い人が活躍できるような変更を検討しているようです。もう一つが許可申請書類などの簡素化です。
| 建設業許可申請の要件の見直し
建設業の許可の要件は大きく3つあります。(1)経営の安定性、(2)技術力、(3)適格性です。この中の(1)経営の安定性と(2)技術力の要件が変更されるかもしれません。
1 経営業務管理責任者の要件緩和
経営に従事したとされる職種は、取締役や支店長などでしたが、支店長などに次ぐ職制上の地位(支店長次長など)にあるときの経験も加えることができるように検討されています。
また、他業種の経験年数は現行では7年以上ですが、これを6年以上に短縮することも検討しています。
これらの変更があれば、より若い方が独立して建設業の許可を取得できるチャンスが広がります。
2 営業所専任技術者の要件の検討
こちらは具体的な案はありません。要件の見直し自体についてや現場技術者との兼務の範囲などについて検討される予定です。
3 社会保険加入の取扱いを強化
これまでも社会保険の加入がうるさく言われていきました。“建設業の許可申請に行ってきました!”にも書いていますが、今後はより一層厳しくなり許可要件の中に明示される可能性があります。
4 軽微な工事の制度を変更
現状では500万円未満の軽微な工事を請け負う場合には建設業の許可は必要ありません。
今後は無許可業者に対しても技術者の設置を求めたり、一定の種類の工事を行う業者に届出や登録をさせたりするなど、行政機関からの指導監督などの実効性をより高めていくことが検討されています。
| 許可申請書類の簡素化
現状では、許可に必要な添付書類がかなり多く申請者の負担が大きくなっています。電子申請などによって申請者の負担を減らせながら、虚偽申請にどう対応するかを検討していくようです。行政手続きのコストを削減するための簡素化ですね。
| まとめ
1 建設業の許可を見直す会議を設置!
2 許可申要件の緩和と社会保険加入の強化!
3 許可を申請するときの書類が減る!?