在留資格の虚偽申請で逮捕

| 入管法違反の虚偽申請

 

数日前に行政書士が逮捕されたというニュースが流れました。インターネットで見てみますと、神奈川県の行政書士を在留資格変更の虚偽申請の容疑で逮捕したようです。同じく逮捕されたフィリピン人女性は通訳として働いていないのに通訳をするという内容の虚偽申請だったようです。

読売新聞によりますと、裏には人材派遣会社があり留学生など100人程度の在留資格を不正に変更していたのですが、逮捕された行政書士はその片棒を担いでいたようです。1件あたり数万円で50~100件、計300万円ほどの報酬だったそうです。在留資格の変更申請で3~6万円/件ですから割安ではありますが、年間300万円の売上は経営的においしかったのでしょう。逮捕された行政書士が虚偽の申告であるかどうかを知っていたのかは分かりませんが、職務上知りえたはずだということなのでしょうか。

行政書士としては最初から最後まで依頼人に騙されて結果的に虚偽の申請をしてしまうのが一番怖いです。

 

 

| 入管法改正のあとはどうなる?

 

改正入管法が2019年4月に施行されます。新たな在留資格を使うと14の業種で単純労働ができるようになりますが、技能試験や日本語能力試験が課されます。技術はあっても日本語が分からない外国人には今の制度の方が利点は多いでしょうが、日本で働くために日本語を勉強して来日される外国人の方にとっては4月以降の方が有利です。ケースバイケースですから悩んだときは専門家にご相談ください。

新しい在留資格は数十万人規模ですから、入国管理局の現場ではしっかりと準備を進めているでしょう。しかし、申請をする側としては基準がはっきりとわからず不安になります。よく分からないまま申請をして虚偽申請になってしまうケースは、今よりも格段に増えるのではないでしょうか。在留資格の変更をご自身でされる方や招へい機関の職員の方は特に注意してください。

実際の在留資格の許可はいきなり許可・不許可の連絡があります。不許可が出てしまうと弁明の余地がほとんどありませんから、十分な準備をしてから申請をしたいものです。

 

 

| まとめ

 

1 入管保違反の行政書士を逮捕!

2 新たな在留資格では日本語能力必須!

3 虚偽申請にならないようにきちんと調査!



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自分で遺言を書くのは難しい?(内容編)

| 遺言書を作るときの注意点

 

以前に“自分で遺言を書くのは難しい?”という記事で、プロでも完璧な遺言を作るのは難しいしルールに違反すると無効になってしまうことを書きました。

今回は遺言の全部が無効にはならないけれど意味のない記述や無駄な内容にならないようにするためのポイントを、内容編として書きたいと思います。

1 法定相続人を調べる

法定相続人は、自分が亡くなった後に財産を相続する人(相続人)として法律に書かれている人のことです。配偶者やお子さんが多いでしょうか。中には親御さんやご兄弟の場合もあります。法定相続人が誰なのかについては“相続人って誰?”をご参照ください。誰が法定相続人なのかを間違ってしまうと、遺言が台無しになってしまう可能性もあります。そうならないためにも、遺言者の出生までさかのぼる戸籍を本籍地の市役所で取得して調べます。

2 財産を調べる

預貯金の金額やご自宅の評価額をきちんと把握されていますか?遺言書を書いた時と相続の時では金額が大きく違うということもあり得ます。また、どんなに価値のないものだと思っていてもできるだけ具体的に書き出しておくことをお勧めします。ただ、面倒くさいのは確かですから、遺言書には“そのほかの財産は〇〇に相続させる”との一文を付け加えておくとよいでしょう。借金のことも書いてください。

3 財産を特定して書く

預貯金やご自宅はおおよそのことを書いておけば分かるだろうというのはやめましょう。預金でしたら“◯◯銀行△△支店の遺言者名義の預金債権のすべて”のように書きます。金額は変動しますので書きません。ご自宅ならば“大阪府〇〇市△△町×番□号の土地と建物”のように書きます。できましたら登記簿謄本の表示通りに地番で書くと完璧です。

4 遺留分・寄与分・特別受益・代襲相続に注意する

遺留分を侵害しているときは減殺請求されることを念頭に対策をたてましょう。寄与分や特別受益がある場合、代襲相続である場合には遺産の配分などに配慮しておくと、遺産相続が“争族”になりにくいです。

5 相続人が先に亡くなる可能性

遺言者よりも相続人が先に亡くなることもあり得ます。死亡した人への遺言は無効ですので、無効になった部分は相続人全員での話し合いが必要になります。かなり時間と手間がかかります。ですので“相続人◯◯が遺言者よりも先に死亡した場合は相続人◯◯への相続財産を××に相続させる”旨を記載しておくと安心です。

6 遺言執行者の指定

遺言の執行をする人を指定しておくと、銀行口座の手続がスムーズに行えます。もちろん相続人が1人の場合には必要ありません。ただし、相続人以外の人に遺贈する場合や遺言で認知や廃除などをする場合には遺言執行者を指定しておきましょう。

7 付言を書いておく

遺言者の気持ちを書いておきます。そうすることで遺言が不自然だ、偽物だなどという相続人の疑念やトラブルを回避できます。特に法定相続分と異なる取り決めをするときにはその理由や事情をきちんと説明しておくとよいでしょう。

8 “相続”と“遺贈”を使い分ける

“相続”は法定相続人に遺産を譲る場合に使用し、“遺贈”は法定相続人以外の人に遺産を譲る場合に使用します。書き方としては“妻 ◯山×子(昭和10年1月1日生)に相続させる”とか“家政婦△川□美(昭和25年10月10日生)に遺贈する”のように、続柄や生年月日も添えて書いておくと安心です。

 

 

| まとめ

 

1 法定相続人や財産をしっかりと調べましょう!

2 財産や相続人はしっかりと特定できるように!

3 付言で相続分の理由や事情を書きましょう!



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自分で遺言を書くのは難しい?

| 遺言書の作成は専門家でも難しい

 

遺言書の作成は専門家でも完璧なものを作るのは難しいです。もちろん専門家が作った遺言書が無効になるということはありませんが、余分な記述や無駄な記述があったりするものです。

完璧な遺言書の作成が難しいのにはいくつか理由があります。まず、そもそも遺言者が自分自身の中で気持ちの整理ができていないことがあります。家族の関係がこじれてしまうと今のうちに遺言書を作っておこうと思われる方もいらっしゃるでしょう。ところが、諦めてしまうのではなく家族関係を少しでも良くしたいと思われるならば、状況によっては遺言内容が変わってきてしまいます。気持ちの整理をきちんとつけてから遺言書を作ることをおすすめします。

また、預金・現金の額や不動産の評価額が変わってしまうことはよくあります。数年もたてば考えていた金額と違っているということも少なくありません。大きく変わってしまうと遺言を作り直す必要が出てきます。

このように、遺言書を作成しても気持ちや相続財産の額が変わってしまうことがよくあり、完璧な遺言書を作ることは難しいのです。

 

 

| 遺言書を作るときの注意点(形式面)

 

遺言書を作るときにはいくつかの注意点があります。遺言書は厳格に要式が決められた法律文書ですから少しの不備でも無効になってしまいます。ここでは無効にならないための確認ポイントを挙げたいと思います。

1 全文を自筆すること

遺言の内容全文だけでなく、日付や氏名も自筆でなければいけません。今のご時世ではパソコンで書きたくもなりますがダメです。録音やビデオレターもダメです。代筆はもちろん無効です。

2 筆記具

鉛筆や消えるボールペンはダメです。消せない普通のボールペンや万年筆などを使ってください。

3 用紙

種類やサイズに決まりはありませんが、感熱紙などの保存に耐えない用紙は使わない方がいいでしょう。遺言を実行するときに文字がほとんど読めなかった…では遺言の意味がありませんものね。

4 日付の書き方

日付は正確に書いてください。平成31年3月31日や2019年3月31日のように書く必要があります。平成31年3月吉日はダメです。

5 氏名

本名を書いてください。本名でなくてもいいのですが、ペンネームや芸名などの場合には本人であることを特定できなければいけませんので、本名を書くことをお勧めします。また、夫婦で連名の共同遺言は無効です。

6 押印

押印は実印でなくても認印でもOKです。

7 契印

遺言書が2枚以上になるときにはページ番号をつけて契印しておくとよいでしょう。

8 封印

遺言書を封筒に入れて封印します。遺言書であることが分かるように封筒の表に「遺言書」と書いておくとよいでしょう。封印は封筒の紙の境目に押します。

 

 

| まとめ

 

1 プロでも完璧な遺言書は難しい!

2 遺言書の書き方には厳しいルールがあります!

3 ルール違反では無効になるので注意!



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外国人を雇いたいときはどうすればいい?

| 原則は本人が出頭

 

昨今の人手不足は深刻です。政府は入管法を改正して多くの外国人が日本で働けるようにしようとしています。2019年4月に施行される改正です。2018年の末頃にはニュースでもよく取り上げられていました。

外国人を雇いたいときには入国管理局への申請手続きが必要です。原則としては外国人本人が入国管理局へ出向いて手続きをしなければいけません。しかし、これから日本で働こうと思っている外国人が日本の入国管理局で手続きをすることは不可能です。

このような場合には、外国人を雇おうと考えている招へい機関の職員が代理人として手続きをすることができます。制度としてはできるのですが、外国人の雇用が多い大企業は別として、中小企業や個人事業主の方が実際に手続きをしようと思っても簡単には行きません。

まず、分からないことを入国管理局へ問い合わせて必要書類をはっきりと答えてくれません。法務局がインターネットに挙げている書類は最低限必要な書類で、しかも表現があいまいです。実際に必要な書類は何なのか?まできちんと書かれていないことが多いのです。

たとえば、“労働条件を明示する文書”。これはいわゆる労働契約書や労働条件通知書のことです。“申請人の学歴及び職歴その他経歴等を証明する文書”は履歴書なのですが、そこには証拠書類を添付しなければいけません。本国の企業に勤めていたという在職証明書ですね。

この他にも“在留資格認定証明書交付申請書”に記載する事項である出入国歴や学歴はパスポートや卒業証明書で証明します。その他には、雇用理由書(企業作成)、入国理由書(外国人本人作成)など、その人を日本で雇う必要性をしっかりと伝えなければいけません。

入国の審査は裁量の部分が多く、外国人が入国するためのストーリーをしっかりと伝えて、それを証明するための書類を添付していきます。入社のための面接みたいな感じでしょうか。

 

 

| 外国人を雇うときの必要書類

 

書類は本当に多くなりますが、必要に応じてさらに説明・証明のための書類が必要になってきます。

1 在留資格認定証明書交付申請書

2 写真

3 返信用封筒

4 源泉徴収票などの法定調書合計表

5 専門士又は高度専門士の証明書

6 労働契約書または労働条件通知書

7 卒業証明書

8 履歴書

9 登記事項証明書

10 企業のパンフレットなど

11 決算文書

12 雇用理由書

13 入国理由書

14 在職証明書

15 パスポートの写し

16 外国語の文書の翻訳文

これだけを揃えるのは大変です。雇用理由書や入国理由書には何を書いていいのか分からないという方も多いと思います。そのようなときには申請取次業務を行う行政書士に依頼してください。どのような文書を作ればいいのかを教えてくれますし、外国人である申請人本人や招へい機関の職員である申請人の代理人が出頭しなくても行政書士が代わりに申請をします。

2019年4月の入管法改正で外国人を雇いたいとお考えの社長さん。行政書士を頼ってみてはいかがでしょうか?

 

 

| まとめ

 

1 入管手続きは原則本人が出頭!

2 必要書類はあいまいな表現で分かりにくい!

3 分からなくなったら専門の行政書士へ!



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建設業で外国人を雇用する方法

| 新入管法がもうすぐ施行

 

今までにブログで何度もご紹介してきましたが、2019年4月から新入管法が施行され、新しい在留資格ができます。外国人の労働者を増やそうという政策で、“特定技能”という在留資格が新設されます。特定技能では、介護業や外食業、建設業など人手不足が叫ばれている14の業種が対象になります。

特定技能でビザを取得するためには、“特定技能評価試験”を受験して合格しなければいけません。“特定技能評価試験”には技能水準試験と日本語能力水準試験の2つがあります。技能水準試験は、たとえば指導者の指示や監督を受けながら当該業務や作業に従事できるかを検査されます。基本的には研修なくすぐに業務に従事できる人を対象にしていますから、試験で要求される水準はある程度高くなるのではないでしょうか。

日本語能力水準試験は、基本的な日本語を理解できるレベルが要求されます。漢字で書かれた身近な話題の文章を読んで理解し、ややゆっくりと話す会話の内容をほぼ理解できるレベルです。建設業や農業ではここまでのレベルを要求しないとも言われています。

この特定技能を使って、2020年の東京オリンピックの建設業従事者の人手が期待されています。そもそも現在の就労系在留資格では単純労働ができません。ですから、今のままではいくら建設業で労働者不足が問題になっていても単なる建設業労働者を日本に呼ぶわけにはいかないのです。そのための法改正でもあったのでしょうね。

 

 

| 建設業で外国人を雇用するには?

 

建設業で外国人を雇用する方法は4つあります。

1 身分系の在留資格を持つ方を雇う方法

身分系の在留資格は、永住者、永住者の配偶者等、日本人の配偶者等、定住者があります。これらの在留資格には就労制限がありませんので、どのような仕事にも就くことができます。

2 技能実習生として受け入れる方法。

技能実習生を受け入れるのは意外にも大変です。技能実習生用の宿泊施設を確保したり、生活指導員を現場に常駐させなければいけなかったり、安全衛生教育や健康診断など会社の負担が大きくなります。ですから、いくつかの企業が組合などを作って実習生を受け入れることが多いです。在留資格は“技能実習”になります。

3 外国特有の建築・土木技術者を雇う方法

日本にはなく外国特有の建築技術や土木技術を持った人を雇う方法です。10年以上の実務経験などが必要で、学歴や職務経験を証明書などで厳しくチェックされます。在留資格は“技能”になります。

4 建設業の技術者として雇う方法

建設業の現場作業は単純労働ですからビザが認められません。しかし、特殊な重機のオペレーターや技術指導者であれば“技術・人文知識・国際業務”の在留資格を貰うことができます。こちらも技能と同じく10年以上の実務経験などが必要で、学歴や職務経験を証明書で厳しくチェックされます。

 

これらの中で一番おすすめなのは“技術・人文知識・国際業務”の在留資格の取得でしょうか。外国特有の技術は入管への説明が難しいですが、重機のオペレーターや技術指導者であれば説明がしやすいのではないでしょうか。ただ、給料などの待遇の面で一般的な現場作業員と区別をすることになります。

日本語能力に問題がないのであれば、2019年4月からスタートする“特定技能”でビザを取るのがベストです。どうすればよいのか分からないときは、入国管理局に取次者として登録されている行政書士にご相談ください。

 

 

| まとめ

 

1 特定技能では技能試験と日本語試験の合格が必要!

2 建設業で外国人を雇うのは4つの方法で!

3 “技術”の在留資格が一番よさそう!?



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