行政書士には外国人の入国・滞在を手助けする業務があります。外国人や代理人の代わりに入管当局へ出頭したり書類を作成して提出したりします。この業務は入管当局に登録された弁護士か行政書士しか行うことができません。
ただ、行政書士の場合、入管当局に登録されるためには業界内の研修会に参加をして試験に合格しなければいけません。
そこで、入管業務を行うための申請取次研修会について書きたいと思います。内部事情もちらほら出てくるかも…。今回は第30回です。今回が最終回の予定ですが…終わるかな…。
| 在留資格の取消事由
在留資格の取消は、日本に在留する外国人が、虚偽やその他の不正な手段で上陸許可の証印等を受けた場合や、在留資格に基づく本来の活動を一定期間行わないで在留していた場合などに、外国人の在留資格を取り消す制度です。
法務大臣は次の10個の事情に該当する事実が判明した場合には、外国人が有する在留資格を取り消すことができます。事実が判明しても取り消さないこともあります。
1 偽りその他不正の手段により、上陸拒否事由該当性に関する入国審査官の判断を誤らせて上陸許可の証印等を受けた場合。
2 そのほか、偽りその他不正の手段により、日本で行おうとする活動を偽って上陸許可の証印等を受けた場合。または、日本で行おうとする活動以外の事実を偽って上陸許可の証印等を受けた場合。
3 そのほか、申請者の故意・過失に関係なく、不実の記載のある文書を提出して上陸許可の証印等を受けた場合。
4 偽りその他の不正の手段によって在留特別許可を受けた場合。
5 就労系などの在留資格をもって在留する者が、正当な理由なく、当該在留資格に係る活動を行っておらず、かつ、他の活動を行ったり行おうとしたりしている場合。
6 就労系などの在留資格をもって在留する者が、正当な理由なく、当該在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合。
7 日本人の配偶者等や永住者の配偶者等の在留資格をもって在留する者が、正当な理由なく、配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合。
8 上陸許可または在留資格の変更許可等によって新たに中長期在留者となった者が、許可を受けてから90日以内に、正当な理由なく、出入国在留管理庁長官に住居地の届出をしない場合。
9 中長期在留者が、出入国在留管理庁長官に届け出た住所地から退去した日から90日以内に、正当な理由なく、出入国在留管理庁償還に新しい住居地の届出をしない場合。
10 中長期在留者が出入国在留管理庁長官に虚偽の住所地を届け出た場合。
これらの事由に該当した場合には、入国管理官は取消対象になる外国人から意見を聴取することになっています。この場で正当な理由があることを主張することも可能です。
また、1や2の取消事由に該当する場合には、直ちに強制退去の対象になります。しかし、3~10の溶け消し事由に該当する場合には、30日以内の期間を定めて出国のための必要な期間が指定されます。この期間内に自主的に出国をすれば特に大きな問題はありません。
ただし、5の取消事由に該当する場合の内、逃亡すると疑うに足る相当な理由がある場合には、直ちに強制退去の対象になりますのでご注意ください。
もし、指定された期間に出国しなかった場合には、退去強制の対象にもなりますし、刑事罰の対象にもなります。
長くなりましたので、次回に続きます。今回で終われませんでした…。
| まとめ
1 在留資格の取消自由は10種類!
2 不正に入国した場合は取消対象!
3 中小期在留者は住所地の届出を忘れずに!