相続の中でも面倒くさい“遺産分割協議書の作成”。数回にわたって手順を書きました。しかし、内容としてかなり省略した部分があります。法定相続人の確定についての部分です。かなり細かくなりますので文章量のバランスがおかしくなってしまったからです。
今回は以前に省略した法定相続人の確定のやり方を書きたいと思います。
| 法定相続人の行方を追う
法定相続人を確定するには戸籍を取得します。戸籍は本籍地の市区町村役場に交付を請求します。
亡くなった方の、生まれてから亡くなるまでの戸籍を全部取得すると、お子さんがいらっしゃるか、親御さんはご存命か、ご兄弟はいらっしゃるかがわかります。
どの戸籍を見ればわかるのでしょうか。
まずは、生まれたときの戸籍から考えましょう。お子さんが生まれるとご両親の戸籍に入ります。ご両親の戸籍の筆頭者は多くがお父さんかお母さんです。ご両親がご結婚したときに新しい戸籍が作られるからです。ご結婚をして戸籍が作られるといわゆる“入籍した”という状態になるわけです。
この戸籍には生まれてきた子や養子にもらった子が記載されていきます。お子さんはご結婚をされて新しい戸籍が作られるまでは親の戸籍に記載されます。
このようなわけで、生まれてからご結婚されるまでは親御さんの戸籍に載っています。この戸籍を見れば、ご両親がご存命か、ご兄弟はいらっしゃるのかがわかります。ご両親がご存命の場合、もし亡くなられた方にお子さんがいらっしゃらなければ法定相続人になりますので要チェックです。
次の戸籍はご結婚後の戸籍になります。
ご結婚されている場合、親御さんの戸籍には次のような記載がされています。
◯◯と婚姻 夫(妻)の氏を称する旨届出 昭和△△年△△月△△日受付 ××県××市××町××に新戸籍編成につき除籍
この記載を見れば、ご結婚されて本籍がどこになったのかがわかります。ご結婚後の本籍がわかれば、市区町村役場へ戸籍の写しの交付を請求します。
お子さんがいらっしゃる場合、ご結婚後の戸籍にはお子さんが載っています。お子さんは第1順位の法定相続人ですから、要チェックです。お子さんがいらっしゃれば、ご兄弟の戸籍を調べる必要はありません。法定相続の順位が高い人がいらっしゃれば、順位の低い人の戸籍を調べても意味がないからです。
お子さんがいらっしゃらず、ご両親さんも亡くなられている場合には、ご兄弟の戸籍を取得します。
ご兄弟の戸籍を取得するためにはご兄弟の本籍が分からなければいけません。本籍はご両親の戸籍を見ます。
ご兄弟がまだご結婚されていない場合には、ご両親の戸籍に掲載されています。本籍地はご両親の本籍地と同じです。
ご兄弟がご結婚されている場合には、先ほどの例と同じような記載がされています。
◯◯と婚姻 夫(妻)の氏を称する旨届出 昭和△△年△△月△△日受付 ××県××市××町××に新戸籍編成につき除籍
ここまでくれば同じことを繰り返すだけです。ご兄弟の結婚後の戸籍を取得してご存命であるか、甥や姪はいるかを確認します。
長くなってきましたので、続きは次回以降に書きたいと思います。
| まとめ
1 生まれたときのことはご両親の戸籍に掲載!
2 戸籍を見れば次の本籍地がわかる!
3 相続の順位が高い人から順に調査!