一時支援金の受付が始まってから2カ月ほどたちました。すでに申請を終えて支援金を受け取っている事業者の方は多いと思います。
一時支援金の申請には登録確認機関の事前確認が必要です。当事務所で行っている事前確認について書きたいと思います。
| 事前確認ですること
当事務所は一時支援金の登録確認機関です。事前確認で行っていることは大きく2つだけです。
1 実際に事業を営んでいるかどうか
2 一時支援金の給付対象などを正しく理解しているかどうか
一時支援金の申請希望者が給付対象かどうかや給付条件を満たしているかは確認しません。中小企業庁も登録確認機関が決まった手順で形式的に確認するもので、申請希望者が給付対象かどうかの判断をしないと明言しています。
このような事前確認が導入されたのは、2020年の持続化給付金で不正受給が多かったためだと言われています。大阪では2020年の休業要請外支援金で専門家による事前確認が行われました。
当事務所では、中小企業庁のマニュアルに従った事前確認を行っています。マニュアルは4枚しかありませんので形式的な確認をするだけだと分かります。確認内容は次のとおりです。
1 事業形態(法人、個人事業主(事業所得)、個人事業主(雑収入・給与所得)
2 申請ID
3 電話番号
4 (法人)法人番号
5 (法人)法人名
6 (個人事業主)氏名(本人確認書類と照合)
7 (個人事業主)生年月日(本人確認書類と照合)
8 本人確認書類の顔写真と本人の顔との照合
9 (法人の代理人)代表者の本人確認書類、代理人の本人確認書類、委任状
10 2019年と2020年の確定申告書(収受日付印の有無)
11 2019年1月以降の帳簿書類の有無と代替書類の有無
12 2019年1月以降の取引に使っている通帳
13 通帳の記帳内容と請求書・領収書などとの照合
14 売上台帳や通帳など事業に関する書類がない場合の理由
15 一時支援金の申請についての理解の確認
基本的に以上の15項目です。確認にかかる時間はおおよそ10~20分です。この中で一番厄介なのは11の通帳です。
| 通帳を確認するのはなぜ?
登録確認機関が通帳を確認するのは、事業を行っているかどうかを確認するためです。上の確認内容でいいますと9~13番の5項目です。
通帳は、申請に必要なのは表紙と一枚めくったページ(中表紙)だけですが、事前確認では2019年1月以降の記帳内容が必要です。通帳の記載内容を請求書や領収書に照らし合わせて実際に事業を行っているかを確認します。
理容・美容業やタクシー運転手など現金取引しかしていない場合には、日々の売上を記載したノートや報酬の明細書で確認をしています。場合によっては店舗の家賃や駐車場の引落しの履歴も併せて確認しています。
ネット銀行を利用していて通帳がない場合はネット銀行記載ページを印刷してもらったり、ネット銀行を利用しているけれど取引の記帳内容が多すぎてすべてを印刷できない場合などはネットバンクの記載ページで確認したりしています。
このように合理的な理由がある場合には、他の書類やデータで事業を営んでいることを確認することができます。
| まとめ
1 事前確認は不正受給の防止のため!?
2 事前確認にはマニュアルが存在する!
3 通帳を確認するのは事業の確認のため!