宅建士試験の振り返り(2020年度10月)問49・50

2020年の宅地建物取引士試験は、新型コロナウイルス感染症への対応のため例年と異なる試験形態になってしまいました。都市圏では受験会場が確保できなかったため、10月の試験を受験できない受験生がいます。2020年は10月と12月の2回、試験が行われることになりました。

前回から引き続き2020年10月試験の問題を振り返ってみたいと思います。今回は土地と建物です。今回で2020年10月度試験の最終回です。お疲れさまでした。

| 2020年10月試験 土地と建物

 

1 問49 正解肢4

土地に関する問題です。不適当なものを選びます。常識的な問題だと思います。

肢1 都市部の中小河川の氾濫原因

問題文のとおりです。都市化・宅地化によって舗装部分が多くなり地面に雨水が浸み込みにくくなり下水の処理能力を超えてしまう可能性が高くなります。そうすると、町中の下水が溢れるなどの内水氾濫がおこりやすくなります。

肢2 中小河川の防災

土地の選定では、周辺の地形や防災施設の有無を調査する必要があります。主に市町村の発行するハザードマップで確認をします。過去の水害履歴を調査したりもします。

肢3 地盤の液状化

液状化は近年よく話題になっています。液状化現象は、粒系の揃った砂地盤で地表に近いところに地下水位がある場所で、大きな地震によって地盤が砂と水に分離し、家や電柱が沈んだりする現象です。可能性が高いとされている場所は、埋立地、旧河川、低湿地などです。埋立地や旧河川は現在の地図では分かりませんから、古い地図を調べて確認します。

肢4 地形や地質的条件

地形や地質条件について公的な情報を調べるのは当然ですが、周辺住民の話を聞いて過去の状況などを整理すると情報が多角化されて分かりやすくなります。

2 問50 正解肢3

建築物の構造に関する問題です。最も不適当なものを選びます。知らなければ手も足も出ない問題です。

肢1 基礎構造と上部構造

建物は基礎構造と上部構造の2つからできています。基礎構造は必要があれば地業を整えてから基礎盤を設置します。

肢2 基礎の種類

基礎には直接基礎と杭基礎があります。直接基礎は地盤自体で構造物を支える方式で、杭基礎は地盤に打った杭によって構造物を支える構造です。建築物が軽い場合には直接基礎、重い場合には杭基礎を用います。また、地盤が固いところでは直接基礎ですが、地盤が弱いところでは杭基礎にします。

肢3 直接基礎の種類

直接基礎には独立基礎、布基礎、ベタ基礎があります。独立基礎は柱の下だけに基礎があります。布基礎はいくつかの柱の基礎を一体化させた基礎です。ベタ基礎はすべての柱の基礎を一体化させた基礎です。

肢4 上部構造

上部構造は仕上げ部分と主要構造に分けられます。主要構造は建物の骨組み部分です。建築基準法とは言葉の使い方が異なります。

 

| まとめ

 

1 内水氾濫は近年の都市部の大雨で話題に!

2 液状化現象は地震後の地盤沈下の原因の一つ!

3 建物の基礎構造を知っていると実務でも使える!



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