行政書士試験の憲法(内閣2)

前回から内閣について書き始めました。内閣は合議体で内閣総理大臣が国務大臣を任命します。では、内閣総理大臣はどのような地位なのでしょうか。

今回は内閣総理大臣について書きたいと思います。

 

 

| 内閣総理大臣って?

 

内閣総理大臣は内閣の首長、リーダーです。明治憲法では“同輩中の首席”という位置づけで他の国務大臣と同列でした。日本国憲法になってから内閣総理大臣は内閣のリーダーに格上げされたのです。

内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で指名され、天皇によって任命されます。

 

憲法 66条

内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。

 

憲法 67条

内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先立つて、これを行ふ。

 

憲法 6条

天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。

 

 

| 内閣総理大臣の権限

 

内閣総理大臣は内閣のリーダーですので、他の国務大臣にはない権限をもっています。

1 国務大臣の任免権(68条)

内閣総理大臣は国務大臣を任命したり、罷免をしたりできます。内閣の一体性・統一性を確保するためです。憲法には規定がありませんが、内閣は原則として満場一致で政策を決めます。内閣総理大臣が反対する大臣を罷免すればいいからです。

2 内閣の代表権(72条)

内閣総理大臣は内閣を代表して議案を国会に提出したり、一般国務や外交について国会に報告をしたり、行政各部を指揮監督したりします。

3 法律・政令の署名と連署(74条)

法律や政令について、主任の国務大臣の署名とともに連署したり、自ら主任の国務大臣として署名したりします。

4 国務大臣の訴追への同意権(75条)

国務大臣は原則として在任中に内閣総理大臣の同意なく訴追されません。内閣総理大臣が同意するかどうかは内閣総理大臣の裁量と言われています。

5 議院出席権(63条)

他の国務大臣と同じですが、議案について発言するために議院に出席することができます。

 

憲法 68条

内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。

2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。

 

憲法 72条

内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

 

憲法 74条

法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。

 

憲法 75条

国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

 

憲法 63条

内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。

 

内閣総理大臣の権限はいくつかの条文にまたがっていますから注意してください。

次回は内閣の権限について書きたいと思います。

 

 

| まとめ

 

1 内閣総理大臣は内閣のリーダー!

2 内閣総理大臣にはいくつかの権限がある!

3 内閣総理大臣の権限はいくつかの条文に分かれて記載!



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