行政書士試験の憲法(労働基本権)

中学校の公民の授業で教えられた国民の3つの義務。そのうちの一つが労働の義務です。ただ、労働は義務だけでなく権利でもあります。

今回は、労働基本権について書きたいと思います。

 

 

| 労働基本権ってなに?

 

憲法27条では勤労の義務と権利を規定しています。併せて、憲法28条で労働基本権を保障しています。

 

憲法 27条

すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

2 賃金、就業規則、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。

3 児童はこれを酷使してはならない。

 

憲法 28条

勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

 

以前、“行政書士試験の憲法(人権の制約)”で公務員の労働基本権が制約されることを書きました。公務員は国家と特殊な関係にあるので労働基本権が制約されています。

ただし、労働基本権の全てが認められないのではなく、制限されているのは団体行動権です。公務員は団体行動をしなくても人事院によって待遇が定められているからです。

一般の労働者は公務員と違って団体行動権も認められています。そもそも労働基本権とはどのような権利なのでしょうか。

1 団結権

労働者の団体を結成する権利です。結社の自由でも認められますが、ここでは特に労働組合などの団体のことを指しています。

2 団体交渉権

労働者の団体が労働条件や待遇について使用者と交渉する権利です。

3 団体行動権

労働者の団体が団体として行動する権利です。争議権、ストライキ権などとも呼ばれています。

 

 

| 労働基本権の性格

 

労働基本権には自由権的側面と社会権的側面があります。自由権的側面として、国が労働者の権利を制限するような行為を禁止しています。また、社会権的側面としては、国に対して労働者の権利の保障を要求することができます。

労働基本権は労働者の権利を保護することを目的としていますので、私人間にも直接適用されます。使用者と労働者の力関係を考えると、使用者の権力は労働者よりもはるかに強いのが一般です。労働者の権利を保護することで、使用者と労働者が対等な関係であることを実現することができます。

たとえば、賃金について使用者に不満を言うと解雇される可能性が高いでしょう。また、労働時間が長いと不満を言っても同じ結果になるかもしれません。使用者は労働者よりも力関係で強い立場にあります。

このような状況を是正するために労働者に団結権、団体交渉権、団体行動権を保障して使用者と対等な関係を築けるようになっています。

そうはいっても、報道や補助金の多さを考えると、このコロナ禍では完全な実現が難しいようです。

 

 

| まとめ

 

1 労働は権利でもあり義務でもある!

2 労働基本権は3つ!

3 労使の対等のための労働基本権!



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