労働時間は8時間/日、40時間/週だけ? その3

近頃、“働き方改革”というスローガンをよく耳にします。働く人が事情に合わせて柔軟に働く方法を自分で選択できるようにするための改革だそうです。

その中で8時間/日、40時間/週の決まりの例外がいくつか作られることになりました。

今回は、みなし労働時間制ついてまとめたいと思います。

 

 

| みなし労働時間制は3種類

 

労働時間の原則(8時間/日、40時間/週)の例外として、変形労働時間制とみなし労働時間制があります。今回はみなし労働時間制についてまとめたいと思います。

みなし労働時間制は次の3種類があります。

1 事業場外労働のみなし労働時間制

2 専門業務型裁量労働制

3 企画業務型裁量労働制

1つずつ見ていきたいと思います。

 

 

| 事業場外労働のみなし労働時間制

 

最も一般的なみなし労働時間制かもしれません。事業場以外の労働で労働時間の管理ができない場合に採用されます。

事業場外の労働で通常残業が発生する場合は別にルールが決められています。まずは、原則的な場合をまとめます。

1 原則

労働時間の全部または一部につき事業場外での業務に従事し、労働時間を算定しがたい場合に採用できます。

労使協定の締結や届出等は必要ありません。事業場内と事業場外の労働時間の合計で所定労働時間を労働したものとみなされます。

2 通常残業が発生する場合

労使協定で事業場外労働のみなし労働時間制を定めた場合と、そうでない場合で少し異なります。

・労使協定で定めた場合

労使協定で定めた時間が法定労働時間を超える場合には、労働基準監督署に届出が必要です。また、事業場内の労働時間と労使協定で定めた時間の合計時間を労働したものとみなされます。

たとえば、事業場内で1時間労働し、労使協定で9時間の労働時間が定められたいた場合には、合計10時間労働したことになります。

・労使協定で定めていない場合

労使協定がありませんので届出をする必要もありません。また、事業場内の労働時間と事業場外で通常必要な労働時間の合計時間を労働したものとみなされます。

たとえば、事業場内で1時間労働し、通常事業場外で9時間の労働が必要な場合には、合計10時間労働したことになります。

 

事業場外労働のみなし労働時間制を適用できない場合があります。たとえば、次のような場合です。

・グループで事業場外労働に従事する場合で、グループ内に労働時間を管理する者がいる場合

・事業場外での業務中に、無線や携帯電話等で随時使用者の指示を受けながら労働する場合

・事業場で訪問先や帰社時刻等の当日の業務内容の具体的な指示を受けた後、事業場外で指示通りに業務に従事し、その後事業場に戻る場合

グループ内のリーダーが管理者になっていたり、通常の訪問営業をしたりする場合には事業場外労働のみなし労働時間制は採用できません。

また、みなし労働時間制が適用される場合でも、休憩時間、深夜業、休日に関する規定は通常通り適用されます。また、年少者や妊産婦の労働時間の算定では事業場外労働のみなし労働時間制は適用されません。実労働時間で算定されます。

 

 

| まとめ

 

1 事業場外のみなし労働時間制は時間の管理ができないときだけ!

2 通常残業が発生する場合にも採用可能!

3 労使協定で定めなくても採用可能!



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