経済産業省、中小企業庁は新しい給付金を作りました。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、今回の給付金は“家賃”です。まだ決まっていませんが、6月下旬以降に申請が開始されるようです。
対象は新型コロナで売上が減少した事業者です。持続化補助金や休業要請支援金、休業要請外支援金よりも計算がややこしくなっています。
今回は、家賃支援給付金について書きたいと思います。
| 家賃支援給付金の概略
家賃支援給付金は中堅企業、中小企業、小規模事業者、個人事業主などが対象です。売上の減少が条件になっています。
1 2020年5月~12月で、いずれか1か月の売上高が前年同月比で50%以上減少
2 2020年5月~12月で、連続する3か月の売上高が前年同期比で30%以上減少
この1か2の要件を満たすと家賃支援給付金の対象者になります。
給付額は、支払家賃の6か月分とのことです。ただし、上限金額があります。
法人 :100万円/月、6か月最大600万円
個人事業主:50万円/月、6か月最大300万円
家賃の給付額は少しややこしい計算になりますので、後ほどまとめて書きたいと思います。
その他として、2020年度の第2次補正予算の成立が前提条件です。国会で審議されていますが、閣議決定はされたようです。申請の開始時期は早くて6月下旬、給付は7月以降になる予定だそうです。
| 家賃支援給付金の計算方法
家賃支援給付金は家賃のすべてが給付されるわけではありません。しかも金額によって給付率も変わってきます。法人と個人事業主を分けて、例を挙げながら書きたいと思います。今後、細かいところで変更があるかもしれませんので、ご容赦ください。
1 法人の場合
法人では、1か月の給付上限額は100万円です。給付率は75万円までの部分の給付率が2/3、75万円を超える部分の給付率が1/3になります。上限給付額100万円になるのは、支払家賃が225万円以上のときです。
(1)家賃10万円/月の場合
家賃10万円の場合には、75万円以下ですので給付率は2/3です。
10万円 × 2/3 = 約6万6666円
端数がどのように処理されるのかは不明です。
(2)家賃100万円/月の場合
家賃100万円の場合には、75万円以下の部分の給付率は2/3、残りの25万円の部分の給付率は1/3です。
75万円 × 2/3 + (100万円 - 75万円) × 1/3
= 50万円 + 約8万3333円
= 約58万3333円
端数がどのように処理されるのかは不明です。
(3)家賃250万円/月の場合
家賃250万円の場合には、家賃100万円の場合と同じく、75万円以下の部分の給付率は2/3、残りの150万円の部分の給付率は1/3です。ただし、上限額は100万円です。
75万円 × 2/3 + (250万円 - 75万円) × 1/3
= 50万円 + 約58万3333円
= 約108万3333円
100万円を超えましたので、上限額100万円が給付額になります。端数がどのように処理されるのかは不明です。
2 個人事業主の場合
個人事業主では、1か月の給付上限額は50万円です。給付率は37万5000円までの部分の給付率が2/3、37万5000円を超える部分の給付率は1/3です。上限給付額50万円になるのは、支払家賃が112万5000円以上のときです。
(1)家賃5万円の場合
家賃5万円の場合には、37万5000円にかですので給付率は2/3です。
5万円 × 2/3 = 約3万3333円
端数がどのように処理されるのかは不明です。
(2)家賃50万円の場合
家賃50万円の場合には、37万5000円以下の部分の給付率は2/3、残りの12万5000円の給付率は1/3です。
37万5000円 × 2/3 + (50万円 - 37万5000円) × 1/3
= 25万円 + 約4万1666円
= 約29万16666円
端数がどのように処理されるのかは不明です。
(3)家賃150万円の場合
家賃150万円の場合には、家賃50万円の場合と同じく、37万5000円以下の部分の給付率は2/3、残りの112万5000円の部分の給付率は1/3です。
37万5000円 × 2/3 + (150万円 - 37万5000円) × 2/3
= 25万円 + 37万5000円
= 62万5000円
50万円を超えましたので、上限額50万円が給付額になります。
法人の場合も個人事業主の場合も計算がややこしいですね。速算式を挙げておきます。
1 法人の場合
(1)75万円/月以下の場合
→ 家賃 × 2/3
(2)75万円/月~225万円/月の場合
→ 家賃 × 1/3 + 25万円
(3)225万円/月を超える場合
→ 100万円
2 個人事業主の場合
(1)37万5千円/月以下の場合
→ 家賃 × 2/3
(2)37万5000円/月~112万5000円/月の場合
→ 家賃 × 1/3 + 12万5000円
(3)112万5000円を超える場合
→ 50万円
これだけの金額が6か月分もらえるのですから、売上減少で悩んでいる事業者さんには大変ありがたい給付金です。ぜひ苦しい経営を助けてもらいましょう。
| まとめ
1 最大600万円の大規模な家賃支援給付金!
2 個人事業主は法人の半額!
3 給付率の計算はややこしいです!