以前の記事“コロナ対策の給付金などの申請方法(雇用調整助成金1)”と“コロナ対策の給付金などの申請方法(雇用調整助成金2)”では、雇用調整助成金での記入内容が簡素化されたり、計画届の提出が休業の後でもよくなったことを書きました。
今回は、更なる書類の簡素化が行われていますのでお知らせいたします。
| 雇用調整助成金の提出書類が減った!?
雇用調整助成金(雇調金)や緊急雇用安定助成金(緊安金)での提出書類が減りました。2020年5月19日からの政策です。
雇調金は雇用保険に加入している方を対象にしており、緊安金は雇用保険に加入していない方が対象になっています。たとえば、正社員なら雇調金、アルバイトなら緊安金になります。
緊安金は雇調金と同じように申請できます。
1 計画届・休業協定書の提出が不要
2020年5月19日(火)から、計画届と休業協定書の提出が不要になりました。ですので、提出する書類は次の9種類になります。
・事業活動状況の申出書
・売上高の分かる書類(比較月と前年同月の2カ月分)
・労働者名簿など
・支給申請書
・助成額算定書
・休業・教育訓練実績一覧表
・支給要件確認申立書
・出勤簿 または タイムカード
・賃金台帳 または 給与明細書
最初の3種類、事業活動状況の申出書、売上高の書類、労働者名簿などは初回の支給申請時のみ提出します。2回目以降の支給申請時には必要ありません。
2 比較する売上高の緩和
休業する最初の月とその前年同月を比べるだけでなく、他の月と前年同月でも比較できるようになりました。
・休業初月と前年同月
・休業中の月のいずれかと前年同月
・休業月の前月と前年同月
・休業月の前々月と前年同月
たとえば、2020年4月と5月に休業を実施した場合は次の比較でもOKです。
・2020年4月と2019年4月
・2020年5月と2019年5月
・2020年3月と2019年3月
・2020年2月と2019年2月
| 小規模事業主は更なる簡素化
先ほど挙げました9種類の書類は一般的な企業を対象にしたものです。小規模事業主はさらに提出書類が減り、7種類でよくなりました。提出不要なのは、事業活動状況の申出書と助成額算定書です。
小規模事業主が提出する書類は次のとおりです。
・売上高の分かる書類(比較月と前年同月の2カ月分)
・労働者名簿など
・支給申請書
・休業・訓練実績一覧表
・支給要件確認申立書
・出勤簿 または タイムカード
・賃金台帳 または 給与明細書
出勤簿・タイムカード、賃金台帳・給与明細書は申請をする月の分すべてが必要です。判定基礎期間ごとに必要ですので注意してください。判定基礎期間は、給与の締日の翌日から翌月の給与の締日までです。
たとえば、25日締め翌月10日払いの場合に2020年4月8日から2020年5月6日まで休業すると、判定基礎期間は3月26日~4月25日と4月26日~5月25日の2つに分かれます。ですから、支給申請の書類は2カ月分準備をしなければいけません。
比較する売上高の緩和は先ほどのとおりです。休業初月、休業中の月のいずれか、休業月の前月、休業月の前々月のどれかを前年同月と比較することができます。
また、助成額は最高で94%まで増加しています。支払った休業補償のほぼすべてを受け取ることができます。
| まとめ
1 雇調金・緊安金の計画届・休業協定書が提出不要に!
2 売上を比較する月を複数から選択可能に!
3 小規模事業主は事業活動状況・助成額算定書が不要に!