新型コロナウイルス感染症で多くの事業が影響を受けています。中でも休業を余儀なくされる事業も多いと思います。従業員を休ませた場合に休業補償を支払っている場合は、雇用調整助成金を受け取れるかもしれません。
今回は雇用調整助成金の拡充についてご紹介いたします。 必要書類については“コロナ対策の給付金などの申請方法(雇用調整助成金2)”をご覧ください。
| 雇用調整助成金の申請書類が簡素化
雇用調整助成金の申請をするには、書類の枚数が多く、記入する事項もかなり多かったのですが、新型コロナウイルス感染症の特例措置によって大幅に簡素化されています。
1 記載事項が73事項から38事項へ
2 自動計算機能付きの様式の導入
3 日ごとの休業等の実績の記載不要
4 履歴事項全部証明書などの添付不要
5 休業協定書の労働者ごとの委任状不要
6 確定保険料申告書の添付不要
7 売上の分かる売上台帳などで申請可能
8 手書きのシフト表や給与明細で申請可能
9 6月30日まで計画届の事後提出が可能
ものすごく簡素化されていますね。記入方法が分からない場合にはハローワークに相談するか社会保険労務士に尋ねてください。
| 雇用調整助成金の対象者
雇用調整助成金は雇用保険に加入している事業所が対象です。事業所に対して助成されますので、雇用保険に加入している事業所であれば、休業させる労働者が雇用保険に加入していても加入していなくても助成金を受け取れます。
しかも、2020年4月1日から2020年6月30日までに限っては、雇用保険に加入していなくても、労災保険に加入していれば助成の対象になります。
ただし、雇用保険に加入していない人の休業補償については、2020年4月1日から2020年6月30日までの緊急対応期間のみです。また、教育訓練の加算は雇用保険に加入している従業員だけが対象です。
休業をさせて休業補償を支払っている事業所のうち、次の事業所が対象です。
・休業計画の初日が2020年4月1日から2020年6月30日までの場合は、月間売上高が5%減少していること
・休業計画の初日が2020年3月31日までの場合は、月間売上高が10%減少していること
・休業などの延べ日数が所定労働日数の1/40(中小企業)、1/30(大企業)以上であること
・休業手当の支払率が60%以上であること
| 雇用調整助成金の金額
雇用調整助成金は2020年4月1日から2020年6月30日までの緊急対応期間では、休業手当の助成率が上がっていますし、教育訓練の加算額も増えています。
中小企業と大企業で異なりますので、分けて書きたいと思います。
(1)中小企業の場合
・休業手当・教育訓練の実施での賃金相当額の助成
原則:休業手当の4/5
解雇などをしない場合:休業手当の9/10 、新型コロナ対応で最大94%助成
休業要請を受けた場合:休業手当の10/10
・教育訓練の実施の加算
2,400円
(2)大企業の場合
・休業手当・教育訓練の実施での賃金相当額の助成
原則:2/3、解雇などをしない場合:3/4
・教育訓練の実施の加算
1,800円
労働者1人あたりの助成金の上限額は15,000円/日です。ただし、緊急対応期間の上限額の増加ですので、2020年3月31日までや2020年7月1日以降の上限額は8,330円です。
| まとめ
1 雇用調整助成金の申請が簡素化!
2 助成金を受け取れる事業所が期間限定で拡大!
3 助成率、加算額がアップ!