住宅ローンは変動型が主流

近年、住宅ローンで人気の高い変動金利型。何といっても金利の安さが目を引きます。変動金利型に似たプランとして、2年固定、5年固定、10年固定など固定期間選択型のプランも用意されています。

今回は、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が行った利用者の実態調査を見てみたいと思います。

 

 

| 変動型の増加がすごい

 

2018年10月~2019年3月に住宅ローンを利用した1500名の調査結果によりますと、変動型の利用者は約60%もありました。固定期間選択型は約25%、全期間固定型は約15%です。

2015年の7月~10月に住宅ローンを利用した方を対象にした調査では、変動型は約43%にすぎません。固定期間選択型は約27%、全期間固定型は約30%でした。

この3年間の変動型の増加がすごいです。固定期間選択型ではあまり変化はなく、全期間固定型はかなり減っています。全期間固定型の代表的な住宅ローンはフラット35ですね。

固定期間選択型の中では、10年固定が約49%、10年超が約31%です。この2つだけで約80%ですから、多くの人が長期間の固定金利を利用しているようです。金利は安めなのに出費の計画を立てやすい長期間の固定金利は人気がありますね。

 

 

| 中古戸建の購入者は全期間固定型

 

住宅の種類によって人気のある金利タイプに差があります。変動型が一番人気なのは変わりませんが、例えば、建替えで注文住宅を購入した人には固定期間選択型が人気(約38%)で、全期間固定型は約4%しかありません。対して、中古戸建を購入した人には全期間固定型が人気(約19%)です。

建替えで注文住宅を選ぶ人は金銭的に余裕があると思われますので、資金計画の立てやすい全期間固定型ではなく、将来を見越した固定期間選択型を選んでいるのでしょうか。

中古住宅では、比較的金銭的負担が少ないですからローンの期間を短くすることも可能です。ローンの期間が短ければ金利が少し高くても利息の負担額は減ります。資金計画の立てやすさを考慮して選択されているのではないでしょうか。

 

 

| 金利が上昇したらどうする?

 

変動型では金利の見直しが6か月~1年くらいごとに行われます。金利が上昇すると返済額も増えますが、その対策はどうされているのでしょうか。

変動型を選択した人は、返済額の圧縮や一部繰上返済を考えている方が多くなっていて、約31%もいらっしゃいます。金利の負担が大きくなったら全額を完済する予定の人も約11%います。反対に、見当がつかない、分からないという人は約19%ですので、将来に不安を抱えている人がかなり多いのではないでしょうか。

固定期間選択型を選択した人でも返済額の圧縮や一部繰上返済を考える人が最も多くなっています(約27%)。全額完済は約14%、分からない方は約21%です。人数の割合としては、変動型とおおよそ同じ傾向にあると思います。

 

 

| 住宅ローンは何を基準に選ぶ?

 

住宅ローンを選んだ理由として最も多いのが“金利が低い”(70%超)でした。他の理由に比べて飛び抜けて多くなっています。2番目が“住宅・販売事業者の勧め”で20%超ですから、金利を重視している方が多いのが分かります。

全期間固定型を選んだ人の中では、“金利が低い”が50%超なのは当然としても、“繰上返済のしやすさ”(20%超)や“日頃からなじみがあった”(20%超)という理由も比較的多くなっています。

全期間固定型の代表的な商品であるフラット35を選んだ人は、“返済額を確定しておきたかった”という理由が一番多くて約64%です。“金利が低い”は約40%ですから、返済計画を重視していることがよく分かります。将来的には金利は上昇していくでしょうから、将来の不安を今のうちに減らしておくという堅実な人が多いのでしょうね。

ちなみに、フラット35の認知状況をみますと90%以上の人がフラット35の広告や情報を目にしているようです。インターネットやテレビで情報を見聞きした方が多くなっています。

 

 

| まとめ

 

1 住宅ローンの変動型の利用者は約60%!

2 金利が上昇したら一部繰上返済で対応する人が多い!

3 返済額を確定しておきたいなら固定金利型を選択!



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