| 住むなら都市部と地方のどっち?
以前にご紹介した宅建協会の調査結果をもう少し見てみたいと思います。住みたい地域はどこかについてです。生活に便利で通勤しやすい地域を希望している方が多かったのですが、そもそも都心部に住みたいのか地方がいいのかというお話になります。
結論から入りますと、都市部に住みたい人が約6割、地方に住みたい人が約4割という結果でした。ところが、都市部に住んでいるけれども週末だけを地方で住む“週末移住”に興味のある方は約6割もありました。特に20代の方の関心が高かったようです。
週末移住ではなく地方に住むための問題点はいくつかあります。今回の調査結果にもありましたが、最も重要なのが経済的な面です。地方で暮らしたいけれど仕事や収入の問題を解決しないと地方への移住は難しいようです。
総務省の調査によりますと、都市部から過疎地域への移住者数は2000年には40万人弱、2010年では約28万人、2015年では25万人弱だそうです。徐々に減ってきているのが分かります。移住先は沖縄が圧倒的な人気のようですが、中国地方や北陸地方も平均を超えていて人気の地域です。
また、総務省の調査結果でも、移住の際に最も重視した条件は“生活が維持できる仕事(収入)があること”が圧倒的に一番多かったようです。60代以降の年金生活者になりますと、病院や診療所などの医療・福祉の環境が重視されているようです。
そこで、仕事をリタイアする時期に田舎暮らしを始めてみるのはいかがでしょうか?
| 田舎暮らしをサポートする政策
総務省は“田園回帰”という名前で、都心部から過疎地域への移住を促進しようとしています。移住相談窓口を設置したり、個別相談会を実施したり、移住や定住の専用ポータルサイトを開設したり、パンフレットやガイドブックを配布したりしています。6割近くの市町村がこのような移住政策を取っていて、NPO法人などが支援しているところもあります。
総務省は若い人の移住を念頭に置いているようですが、アンケート結果からも明らかなように経済的な問題を解決できないことには若い人の移住はありえません。若い人にとっては収入や子育ての環境が整っていること、高齢者にとっては医療や福祉の環境が整っていることが田舎暮らしを推進するキモのようですね。
田舎暮らしとは言ってみても農村や漁村などの過疎地域へ移住する場合と、地方の数万人規模の街に移住する場合では全く違うのではないでしょうか?地方都市であれば収入や子育て環境もある程度は確保できるでしょうし、医療や福祉も都市部ほどではないにしろ充実していると思われます。
関西方面からの移住でしたら中国地方や北陸地方の地方都市がおすすめできます。特に文化が大きく変わらない岡山県の津山市や美作市、福井県の敦賀市などはいかがでしょうか?大阪から電車で1~2時間の距離ですので、何度か行き来をして様子を見たり市町村で相談をしたりすることも可能です。
関西からのUターンはもちろんですがIターンやJターンをお考えの方は中国地方や北陸地方を検討してみてはいかがですか?
| まとめ
1 週末移住の希望者は何と約6割も!
2 若年層は仕事・収入、高齢層は医療・福祉を重視!
3 関西からは中国地方や北陸地方が人気!