| コンテナハウスってどんなの?
コンテナは船舶での物資輸送のために使われます。物を入れて積み上げて輸送するわけですから丈夫に作られています。住宅に使われるコンテナは輸送用のコンテナと同じサイズですが、建築確認がされるように作られたコンテナです。
サイズはいくつか種類がありますが、主なものは“20ft”と“40ft”サイズです。
20ftサイズ:幅2,438㎜ × 奥行6,058㎜ × 高さ2,591㎜
40ftサイズ:幅2,438㎜ × 奥行12,192㎜ × 高さ2,591㎜
20ftサイズで約4.5坪(約15㎡、約9畳)、40ftサイズで約9坪(約30㎡、約18畳)の広さがあります。一般的な戸建住宅は約30坪の土地に約100㎡の建物というサイズ感が多いですから、同じくらいのサイズをコンテナハウスで建築すると20ftサイズで7個程度が必要になります。実際にはコンテナの数を少なくして、2階建・75㎡くらいで20ftサイズを4個くらい使うことが多いようです。
建築費用は、建築用のコンテナを使うと木造住宅より高く軽量鉄骨造よりも安いくらいでしょうか。メーカーによってかなり差のあるところで相場というものがないように思いますが、平屋で約1000~1500万円、2階建で約2000~2500万円が目安になりそうです。木造2階建100㎡くらいの大きさだとローコストのハウスメーカーで約1100~1300万円くらい、一般的なハウスメーカーで2000万円前後でしょうか。
| コンテナハウスのメリット
一般によく言われているコンテナハウスのメリットは6つあります。
1 建築費用が鉄骨造よりも安い
コンテナはすでに屋根や壁、床といった原型がすでにできていますので工事費用が安く済みます。建築用のコンテナ自体は20ftサイズで約100万円/個、40ftサイズで約180万円/個です。その他、運送費、据付作業費、基礎工事費、屋根工事費、サイディング工事費、電気空調工事費、給排水衛生設備工事費などが必要です。給排水関係の工事費は200万円以上かかる可能性があります。
鉄骨造を主にしているハウスメーカーでは2階建て100㎡で2,500万円程度の建築費用ですから、コンテナハウスの方が少し安くなります。
2 コンテナの丈夫さと防音
建築用のコンテナは重量鉄骨の箱型ですので丈夫で防音性が高いです。地震や土砂災害も一般の住宅に引けを取らないと思います。
3 設置工事が早い
コンテナはあらかじめ工場で製作してから現地に運びますから設置工事が早いです。ただ、建築確認を取るためには基礎工事をしっかりと行い基礎に固定しなければいけませんから、数日で設置工事まで終わるというのは難しいです。ただ、一般の住宅では3か月くらいかかりますから、それに比べると工期は短くなります。
4 移動ができる
コンテナですから比較的容易に移動させることができます。住宅として使用する場合に移動を念頭に置いて建築することは少ないと思いますが…。
5 他の住宅との差別化
一般の住宅とは見た目が違いますから、おしゃれなイメージで建築すると周囲の住宅との差別化ができます。施主様の好みを反映した個性的な住宅を比較的ローコストで実現できます。
6 増築や減築が比較的簡単
コンテナを増やしたり減らしたりすることで増築や減築が一般の住宅に比べて容易にできます。ただ、コンテナのサイズはある程度決まっていますから、少しだけ、たとえば5㎡だけ増築したいなどの場合にはコンテナを使わずに増改築することになりそうです。
| コンテナハウスのデメリット
こちらも一般に言われているコンテナハウスのデメリットを8つ挙げます。
1 断熱性能が弱い
コンテナは鉄でできていますので熱伝導がよく、夏は暑く冬は寒くなります。住宅として建築する場合には断熱塗装をしたりサイディングをしたりして対策を行います。
2 加工・修復が困難
コンテナは鉄ですので木造に比べて修復や加工が難しくなります。また、鉄ですので錆が発生しますから、塗料やサイディングで対策をします。
3 天井の高さが低い
一般的な住宅の天井の高さは約2.4mですが、コンテナハウスでは約2.1mになります。天井が低いと圧迫感を感じる可能性があります。
4 水回りの設備はオプション扱い
キッチン、トイレ、風呂などの水回りや電気・ガスの設置はオプションです。一般の注文建築と同じく、凝れば凝るほど建築費用が上乗せされていきます。
5 雨漏りがする
コンテナは長方形ですから、そのまま建築に使うと勾配のない屋根になって雨水が屋根に貯まります。屋根につなぎ目があるとそこから雨漏りがしてきます。それを防ぐために屋根に勾配を付ける工事をします。
6 定期的なメンテナンスが必要
一般の住宅でもシロアリ対策や屋根の補修など定期的なメンテナンスは必要ですが、コンテナハウス独特のメンテナンスがあります。たとえば、防錆加工です。防錆のために定期的に外壁の塗装を塗りなおす必要があります。一般住宅の外壁塗装と同じようなものです。ただ、外壁断熱にするとコンテナの壁面が直接外部に露出していませんからそれほど錆に神経質にならなくてもよくなります。
7 中古コンテナは建築確認がおりないことも
ISO対応の海洋輸送用のコンテナは建築用のコンテナと違い建築確認が取れないことがあります。安い中古の輸送用コンテナをそのまま使って住宅として使うのはかなり難しいと思ってください。
8 木造建築よりも高い
一般的なハウスメーカーの木造建築よりも建築費用が高くなります。ツーバイフォー住宅などを販売する高級ハウスメーカー並みです。
| まとめ
1 コンテナハウスでおしゃれな住宅を!
2 建築用のコンテナを使うのが一般!
3 独特のメンテナンスが必要!