今回のシリーズは労働市場のルールをまとめています。。基本法である雇用対策法から始めて職業能力開発促進法までをまとめました。このシリーズは今回が最終回です
今回は求職者への支援についてまとめたいと思います。
| 求職者支援法
職業訓練を実施するときに一定の求職者には給付金が支給されます。職業訓練を容易にして就職を促進し、求職者の職業や生活の安定を図ることが目的です。
どのような人が給付金をもらえるのでしょうか。法律では、ハローワークで求職の申込をしていて労働の意思と能力があり、職業訓練などが必要だとハローワークに認められた人です。特定求職者と呼ばれているようです。このような方が認定された職業訓練を受講すると給付金がもらえるのです。
職業訓練をしようとする事業者は厚生労働大臣に申請をして認定をもらうことができます。認定をもらうには次の3つの条件のどれかをクリアしなければいけません。
・職業訓練実施計画に照らして適切なものであること
・就職に必要な技能や知識を十分に有していない者に対して効果的なものであること
・その他一定の基準に適合するものであること
認定職業訓練を行う事業者には、予算の範囲内で必要な助成や援助がされます。奨励金が出るかもしれません。
また、ハローワークは特定求職者に対して次のような就職支援計画を作成して、就職支援措置を受けることを指導します。
・職業指導と職業紹介
・特定職業訓練または公共職業訓練など
・その他厚生労働省令で定めるもの
ハローワークが色々と支援をしてくれますが、求職者自らが進んで速やかに職業に就くように努めなければいけないのは言うまでもありませんね。
| 労働市場のルールのまとめ
労働市場のルールの基本は雇用対策法です。個別の法律は次のようなものがありました。
・職業安定法に基づいてハローワークなどの職業紹介事業者が様々な支援をする
・労働者派遣法で派遣さんのルールを規定する
・高年齢者雇用安定法でシルバー人材センターを作ったり高齢者の雇用の安定を図ったりする
・障害者雇用促進法で障害者の雇用の安定を図る
・職業能力開発促進法で職業の安定と労働者地位向上のために職業訓練を進める
・求職者支援法で一定の求職者に給付金を支給する
紛争解決手段も一般法で定めるほか複数の法律で個別に定められています。
・男女雇用機会均等法:性別差別やマタニティハラスメントなどを紛争調停委員会が調停する
・育児・介護休業法 :育児休業や介護休業などでの紛争を紛争調停委員会が調停する
・パートタイム労働法:短時間労働者に関する紛争を紛争調停委員会が調停する
・障害者雇用促進法 :障害者への差別などの紛争を紛争調停委員会が調停する
男女雇用機会均等法や障害者雇用促進法の調停では、募集や採用についての紛争は解決してくれません。一般法である個別労働関係紛争解決促進法でも募集や採用についての紛争は扱っていません。採用の段階では会社の自由が大きいからでしょうか。
| まとめ
1 ハローワークで職業訓練を受けると給付金がもらえるかも!
2 派遣・高齢者・障害者などのルールは個別法で!
3 紛争がこじれた場合の解決は紛争調停委員会の調停で!