建設業の一人親方は要注意!

| 労災保険への特別加入

平成30年5月31日にトラック運転手が労災保険から休業補償給付金をだまし取ったとして逮捕されました。一人親方は労災保険に特別加入できます。第2種特別加入者です。以前の記事“事業主も労災に加入できる!?”でまとめました。

その際は事務組合への委託は不要ですし、従業員の包括加入も必要ありません。また、休業給付では、賃金をもらえなかったことは要件になっていません。ただ、すべての労働ができないことが条件になっています。

逮捕されたトラック運転手は他人に成りすまして“一人親方”として労災保険に加入したようです。おそらく第2種特別加入者として加入したのでしょう。

 

| 一人親方ってどんな立場?

 

一人親方はいわゆる個人事業主です。建設業界では一般に“親方”と“見習い”に分けることができます。親方は技能や経験を有していて、複数の労働者を従業員として雇っています。見習いはこの親方に雇われている従業員で、経験を積んで技能を習得することに努めています。

一人親方は“一人”ですから従業員はいません。技能や経験が親方並みにある方が多く独り立ちして個人事業主として活躍されています。

ただ、一人親方として仕事を請け負って現場に入ると、労働災害に遭う危険性は一般的な労働者と変わりません。労災の特別加入はこういった危険性を保障するためにあります。

個人として労災申請をしますから、不正に対するチェックは法人の従業員ほど厳しくありません。本人確認が不十分であったり、事故の検証が甘くなっているようです。ここが弱点なのですね。今後は厳しくチェックされていくと思われます。

 

| 不正な手段が伝授されてる!?

逮捕されたトラック運転手は、他人に成りすまして労災保険に加入し、架空の労災事故をでっちあげて労災認定に必要な診断書を手に入れました。5か月間の休業補償給付で約350万円をだまし取ったとされています。

実はこの手口、平成30年5月10日に逮捕された会社員から伝授された疑いがあるようです。この会社員はトラック運転手と同様の手口で休業補償給付約330万円をだまし取ったとされています。

建設業界にこのような不正手段がまかり通っているとなると、労災の支払額が多くなって建設業の一人親方の労働保険料率が上がりそうです(現在は1.8%)。

人手不足が深刻化して現場の働き方が見直されてきている建設業界に、もう一つ改善しなければいけない部分が出てきたようです。

 

| まとめ

 

1 一人親方も労災に加入できます!

2 一人親方は一人で頑張る個人事業主!

3 休業補償給付詐欺のノウハウが伝授されている!?



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