雇用保険のまとめを6回続けてまいりました。今回で7回目になります。
本日は、就職促進給付のなかの“移転費”と“求職活動支援費”をまとめたいと思います。
| 移転費
移転費は、ハローワークの紹介する仕事に就くためやハローワークが指示する公共職業訓練などを受けるために、住所や居所を変更する場合に支給されます。
受給資格者、高年齢受給資格者、特例受給資格者、日雇受給資格者が対象です。これらの方々やその随伴親族が以前の居住地から新しい居住地までにかかる交通費を受け取れます。具体的には次のものです。
・鉄道賃
・船賃
・航空賃
・車賃
・移転料
仕事に就きますと、着後手当として親族随伴の場合は76,000円、親族随伴がない場合は38,000円が支給されます。100㎞以上の移動の場合は、親族随伴で95,000円、親族随伴なしで47,500円です。
ただし、待機期間や離職理由・就職拒否などによる給付制限期間経過後でなければなりません。また、新しい職場からの就職支度費が不支給であったり支給されても金額が移転費より少ない場合だけです。さらに、新しい職場での雇用期間が1年以上でなければいけません。
就職や受講を取りやめたりして移転しない場合には10日以内に返還しなければいけませんのでご注意ください。
| 求職活動支援費
求職活動支援費は、“広域求職活動費”“短期訓練受講費”“求職活動関係役務利用費”に大別されます。受給資格者、高年齢受給資格者、特例受給資格者、日雇受給資格者が対象です。移転費と同じですね。
1 広域求職活動費
ハローワークの紹介で広域求職活動をする場合に支給されます。待期期間や離職理由・就職拒否などでの給付制限期間が経過した後に広域求職活動を開始しなければいけませんし、求職活動費が不支給であったり支給額が広域求職活動費の額よりも少ない場合だけ支給されます。
支給額は、管轄のハローワークから訪問先のハローワークに行って管轄のハローワークに戻ってくるまでの交通費です。鉄道賃、船賃、航空賃、車賃が支給されます。また、宿泊が必要な場合には宿泊料として8,700円(一定地域は7,800円)/泊が支給されます。
2 短期訓練受講費
ハローワークの職業指導で教育訓練を受講するときなどに支給されます。
教育訓練が修了していて、受講のための入学料や受講料について教育訓練給付金を受給していないことが条件です。
金額は、入学料や受講料の20%相当で、上限は10万円です。
3 求職活動関係役務利用費
求職活動関係役務利用費は、求職活動を容易にするための役務を利用した場合に支給されます。たとえば、母子家庭などで仕事の面接に行くために保育サービスを受けたりする場合です。求職活動関係役務利用費の対象になっている訓練を受講するためでもOKです。
保育サービスなどで支払った金額(上限8,000円)の80%相当が支給されます。上限日数は面接などで15日間、訓練の受講で60日間です。
| まとめ
1 ハローワーク紹介の職場が遠くて引っ越しすると交通費が出ます!
2 遠いハローワークへ求職に行くと交通費や宿泊料が出ます!
3 職業訓練の入学料や受講料の20%を支給!
4 面接や訓練などで子どもを保育園に預けると80%を支給!