補助金申請には経営力向上計画を! ~その3~

| 経営力向上計画を作る!

 

前回までに経営力向上計画の書くべき内容を簡単に紹介いたしました。

1 事業者の名称など

2 事業分野と事業分野別指針名

(1)製造業

(2)卸・小売業

(3)外食・中食

(4)旅館業

(5)医療

(6)保育

(7)介護

(8)障害福祉

 

今回は、事業分野別指針の紹介の続きです。

 

(9)貨物自動車運送業

平成2年の規制緩和の後、事業者数が1.6倍に増えて過酷な競争が起きています。貨物運送業者の99%が中小企業者ですので、経営の安定化が必要になります。労働時間の長時間化や運送効率の低下に対応するため、運転手の平均労働時間、積載効率、実車率、実働率のいずれかを2%以上(3年計画)改善することを目標に掲げる必要があります。

 

トラックの運転手のおじさんが、自分のトラックの前で腕を組んで笑っているイラスト

(10)船舶産業

造船業は、多くの地域で経済や雇用を支える中核的な産業です。1980年代から世界シェアが下がってきていましたが、近年は回復傾向にあります。為替や市況変動に対する耐力、競争力の強化、人材の確保・育成が必要な業界です。目標として労働生産性の伸び率+2%以上(5年計画)を掲げなければいけません。

(11)自動車整備

市場規模が減少している業界です。自動車の高度化によって整備業も新たな設備などの導入が必要になってきています。労働生産性の伸び率+2%以上(5年計画)か、点検整備入庫台数の増加率+2%以上(5年計画)、業務関連資格等の取得((整備要員数の1/4以上)を目標に掲げる必要があります。

(12)建設業

労働者の高齢化が顕著な業界です。人材への投資を積極的に行う必要があります。生産性の伸び率+2%以上(5年計画)を目標に掲げる必要があります。建設業では、基本方針の労働生産性の計算式だけでなく、建設業で推奨する計算式、簡易な計算式の3つのいずれかを使用することができます。また、“自社の強みを直接支える項目”と“持続的な成長に向けた長期的な取り組み”を満たす必要があり、企業規模によって満たすべき項目と数が異なっています。小規模・中規模・中堅と区分されています。

 

クレーン車と、ヘルメットをかぶって運転している作業員のイラスト

(13)有線テレビジョン放送業

労働力よりも資本設備に依存する業界です。地域密着のメディアとして事業者数510者、加入世帯数2948万世帯と大きな市場規模があります。4K・8Kへの対応、ブロードバンドサービスの高速化、ネットワークの強靭化など課題が多く、労働生産性の伸び率+2%以上(5年計画)だけでなく、光回線化増加率+2%以上(5年計画)を目標に掲げることができます。また、企業規模に応じで満たすべき項目と数が異なっています。

(14)電気通信

技術革新のペースが速く、最新技術の導入で競争力を維持しなければいけない業界です。労働生産性の伸び率+2%以上(5年計画)だけでなく、売上高経常利益率+5%以上(5年計画)やIPv6への対応率を100%にすることを目標に掲げることができます。また、企業規模に応じて、小規模事業者とそれ以外では満たすべき項目と数が異なっています。

(15)不動産業

不動産業は従業員数137万人、国内総生産の11%を担う大きな業界です。AIやICTの技術を活用していく必要があります。サービスのワンストップ化、ICTなどの導入、人材育成・確保、財務管理、コスト削減などの項目を満たしたうえで、労働生産性の伸び率+2%以上(5年計画)を目標に掲げなければいけません。

(16)地上基幹放送分野

若年層のテレビ・ラジオ離れやインターネット動画配信サービスの台頭で変化を余儀なくされる業界です。労働生産性の伸び率+2%以上(5年計画)、売上高経常利益率の伸び率+5%以上(5年計画)のいずれかを目標に掲げる必要があります。また、企業規模によって満たすべき項目と数に違いがあります。

 

テレビ番組に興味がなくなり離れていく若者のイラスト

(17)石油卸売業・燃料小売業

需要の減少、人手不足、販売競争激化と厳しい環境にある業界です。人材育成、経営の多角化、災害対応力の強化などに取り組む必要があります。労働生産性の伸び率+2%以上(5年計画)、売上高経常利益率の伸び率+5%以上(5年計画)、付加価値額の伸び率+2%以上(5年計画)のいずれかを満たす必要があります。

 

事業分野別指針の紹介は以上です。次回から実施期間以降について書きたいと思います。

 

 

| まとめ

 

1 人材育成・確保や経営の安定化を目指します!

2 自動車整備では資格取得などでもOK!

3 経常利益率の伸びで目標達成!



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