| 不動産業者42社を処分
おとり広告でまた業者が処分されました。首都圏不動産公正取引協議会が、平成29年1月~10月におとり広告を掲載していた不動産業者42社に警告などの措置を取ってきました。不動産オータルサイトに対しては、警告を受けた不動産業者の広告を掲載しないように要請しています。
不動産公正取引協議会は、景品表示法に基づく公正競争規約によって、不当表示を行う者に対して警告や違約金課徴の措置を行う権限があります。一番軽いのが“注意”、次が“警告”、一番重いのが“違約金課徴”です。違約金は初回の上限が50万円、2回目以降は上限が500万円まで跳ね上がります。
| おとり広告への対策がスタート
“悪質なおとり広告!”でも書きましたが、おとり広告は不動産業界に蔓延しています。ポータルサイト広告適正化部会で共有されている2016年度のおとり広告は全国で2812件でした。地域によって大きく差があり、近畿は1206件(約43%)と断トツで多いのです。最も物件数が多いはずの首都圏は1091件(約39%)で2番目。首都圏と近畿で80%以上を占めています。
首都圏ではおとり広告の排除へ向けて、不動産ポータルサイトとタッグを組んだ取り組みが平成29年1月から始まっています。近畿でも平成29年8月から首都圏と連携しておとり広告の排除への対策が始まりました。
| おとり広告への対策って何をしてるの?
おとり広告には大きく分けて3種類あります。
1 架空物件
物件そのものが存在しません。
2 意思なし物件
物件は存在しますが、取引をする意思のない物件です。
3 契約済み物件
物件は存在しますが、取引の対象にならない物件です。
このようなおとり広告は集客のために行われています。良い物件を広告して反響を得て、実際には他の物件を紹介しようとするものです。
首都圏不動産公正取引協議会は、不動産ポータルサイトと連携しておとり広告を掲載した不動産業者に対して広告停止処分を行います。提携しているポータルサイトは、当初SUUMO、HOME’S、at home、マイナビ賃貸、CHINTAIの5社でしたが、現在は10社まで増えています。最近では利用者が増えているYahoo!不動産も参加しています。
ある統計では不動産業者のポータルサイト利用率は90%を超えているそうです。10社ものポータルサイトで広告ができないとなりますと、ポータルサイトに頼ってきた業者はひとたまりもありません。実質的に営業禁止に近い、とても強力な処分になります
| まとめ
1 不動産業者42社がおとり広告で警告などを受けました!
2 警告を受けた不動産業者はポータルサイトへの広告ができなくなります!
3 首都圏と近畿圏でおとり広告排除への取り組みが始まりました!
4 ポータルサイトへの広告禁止措置は実質的に営業禁止に近い!