| 音楽でつなぐ愛
守口市でチャリティコンサートが開催されます。今年が第1回だそうです。“音楽でつなぐ愛”という副題がついていますが、経費を除いた収益は全て“日本赤十字”と“守口市愛のみのり基金”に寄付されます。
日時:平成29年12月3日(日) 13:00~17:00
場所:守口市役所1階
料金:1,000円(中学生以下は無料)
ドリンク・スナック持ち込みOKです。プロの歌手である“かみのちえ”も参加されます。音楽好きの方でご都合がよろしければお聴きに行ってみてはいかがでしょうか。
| チャリティコンサートの問題点
1 寄付金額はいくら?
チャリティコンサートはときどき話題に上りますね。特に寄付金の額についていろいろ言われています。
事前に“全額寄付”とアナウンスされている場合、売り上げの全額を寄付するのか、経費を除いた収益を寄付するのかがはっきり分からない場合があります。“収益の一部を寄付”とされているときにはいくら寄付されるのかもわかりません。このあたりは主催者を信用するしかないのでしょうね。
参加者としてはモヤモヤが残ってしまいますが、後日、寄付金額が公表される場合もあります。チャリティコンサートで人を集めるときには、ぜひ寄付金額を公表してもらいたいですね。
もりぐちチャリティコンサートでは、“経費を除いた収益”が寄付されます。
2 著作権使用料は必要なの?
こちらも最近よく話題に上がるJASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)。最近では、音楽教室にも著作権使用料を支払えと言ってニュースになりました。
チャリティコンサートで他人の楽曲を演奏する場合、著作権使用料は支払う必要があるのでしょうか?
著作権には多くの権利制限規定が設けられています(著作権法30条~50条)。一定の場合には著作権者などに許諾を得ることなく著作物を利用できます。チャリティコンサートで問題になるのは著作権法38条1項の“営利を目的としない上演・演奏等”に該当するかどうかです。
コンサートで演奏される楽曲は著作物です。原則として、著作物を不特定または多数の人の前で演奏する行為は、著作権法でいうところの“演奏”にあたります。ですから、JASRACなどの著作権を管理している団体を通じて利用許可を取らなければなりません(著作権法22条)。著作権使用料を請求される場合もあります。
ところが、著作権法38条1項には、営利を目的としない上演・演奏等は許可なく行えると規定されています。営利を目的としない上演・演奏等とは、学校の文化祭で楽曲を演奏する場合や仲間内で演奏の練習をする場合などを意味します。
チャリティコンサートであっても、一般企業が会社の宣伝目的で行えば営利目的になります。しかし、収益を上げる目的ではなく主に慈善団体などに寄付をする目的で行われる場合には営利を目的としていないようにも思えます。
そこで著作権法38条1項を読んでみると、かなり厳しい要件が付いています。単に“収益を得ない”とするだけではダメなのです。
要件1:営利を目的としていないこと
要件2:聴衆・観衆から料金を徴収しないこと
要件3:実演家に報酬が支払われないこと
この3つの要件をすべて満たさなければなりません。
もりぐちチャリティコンサートは、実演家に報酬が支払われるかどうかは分かりませんが、1000円の料金を徴収しますので要件2を満たさず、“営利を目的としない上演・演奏等”には該当しません。ですから、他人の楽曲を演奏する場合には著作権の管理団体に利用許可を取る必要があります。場合によっては著作権使用料を請求されることもあります。
参加された方は演奏者が他人の楽曲を演奏しているかどうかにも注目してみてください。著作権に着目すると、もしかしたら生演奏を聴く楽しみが増えるかもしれません。
| まとめ
1 “音楽でつなぐ愛” もりぐちチャリティコンサート開催!
2 チャリティコンサートの寄付金額は主催者次第!
3 チャリティコンサートでも著作権使用料が必要になる場合も!