| 違法な無許可営業か?
2017年10月27日に行政書士が逮捕されたというニュースが流れました。容疑は、ナイジェリア人の男から新宿区歌舞伎町のキャバクラ店を経営するための許可申請を依頼され、他人名義でキャバクラの営業申請を行ったというものです。他人名義ですから無許可営業のほう助ですね。報酬額は15万円だそうです。違法な行為を請け負うにしては報酬が安い気がします。
それはともかく、この行政書士は元警視庁の警部補だそうですから、警察への許可申請はお手の物だったのでしょう。この5年ほどで10件ほど同様の許可申請をしていたと供述しています。虚偽の許可申請は許可が取り消されるだけでなく、二年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金(又は併科)の刑罰があります。都道府県の条例で別に罰則が定められていることもあります。行政書士としても行政書士会から除名処分がなされるでしょう。
| キャバクラ店の許可って?
キャバクラ店を営業するには、“風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律”(風営法)2条1項1号の許可を取らなければいけません。
この許可を取ると“接待行為”をすることができます。“接待行為”はいわゆる“接待”ではなく、お店側がお客さんに接待をすることです。例えば、店員がお客さんと一緒の席について一緒にお酒を飲む、店員が露出の高いドレスを着て特定のお客さんと親密に話し込むなどです。
風俗営業の許可は更新がありませんから、一度許可を取るとずっと営業ができます。“夜のお仕事”でしっかりと接客するビジネスをするのであれば、風俗営業許可1号を取っておくと安心です。
逆に、この許可を取るとできなくなることがあります。それは深夜の営業です。営業時間が日の出から深夜0時(または1時)までと制限されてしまうのです。お客さんが帰ってくれなかろうが、お客さんはおらずスタッフが飲んでいただけだろうが、深夜0時(または1時)に閉店しなければいけません。警察は風俗営業には厳しいのですぐに取り締まりを受けてしまいます。営業時間は厳守しましょう。
もう一つデメリットがあります。許可を申請してから取得までに2カ月程度の期間がかかってしまうことです。賃貸の店舗で営業を考えている方がほとんどだと思いますが、営業ができないこの2カ月間にも家賃が発生します。あらかじめ計算しておかないとマイナスからの経営になってしまいます。だからといって、こっそり営業するのはやめておきましょう。警察から指導を受けることになりますよ。
| まとめ
1 行政書士が虚偽申請で逮捕!
2 キャバクラ店の許可申請にはメリットとデメリットが!
3 本気でナイトビジネスをするのなら許可を!