民法ってどんな法律?(物権編③)

| 用益物権ってなに?

 

前回の“民法ってどんな法律?(物権編②)”では、物権は分類されていて所有権や占有権の他に用益物権や担保物権があるというお話を書きました。今回は用益物権について書きたいと思います。

用益物権は、一言で言いますと“他人の土地を利用させてもらう権利”です。他人の土地の利用関係については用益物権の他に“相隣関係”という規定もあります。一緒にまとめて書きたいと思います。

 

 

| 地上権

 

地上権は、他人の土地に工作物や樹木を所有するために土地を利用する権利です。実際にはあまり使われていない権利です。と言いますのも、同じ目的であれば土地を賃貸借することができるからです。

地上権での“工作物”は建物の他に、電柱、広告塔、石油タンクなどがあります。樹木には、稲、果樹、茶などは含まれません。

地上権には無償のものと有償のものがあります。賃貸借との違いはここですね。賃貸借は必ず賃料が発生します。もし無償であれば、賃貸借ではなく使用貸借です。

さらに、地上権は登記をしなければ第三者に地上権を主張できません。一定の要件を備えれば法律上地上権が成立する場合もあります。

 

 

| 地役権

 

地役権は、自己の土地を便利に使うために他人の土地を利用する権利です。たとえば、道路を作って公道に出られるようにしたり、田んぼに水を引くために水路を作ったりするときに使います。

地役権を手に入れるためには契約をすることはもちろんですが、その他にも時効取得することができます。ただし、継続的に行使されていて外から分かるものでなければいけません。さきほどの道路や用水路の利用の場合には時効取得が認められる可能性がります。

地役権には無償のものと有償のものがあります。ただし、地代がいくらかを登記することはできませんので、地代を第三者に主張することはできません。

 

 

| 永小作権

 

永小作権は、耕作や牧畜のために小作料を払って他人の土地を利用する権利です。無償の永小作権はありません。

永小作権を手に入れるためには契約や時効取得があります。ただし、登記をしなければ第三者に主張することはできません。

 

 

| 入会権

 

入会権は、一定地域に住んでいる人が山林で薪や草を採取する場合などに共同で収益を上げる慣習上の権利です。ほとんど慣習に委ねられていますので各地によって内容は様々です。また、登記をすることはできません。

 

 

| 相隣関係

 

相隣関係は、隣接する不動産を利用するときのルールです。いろいろな形があります。

1 隣地使用権、立入権

境界付近で工事を行うときなどに隣地を利用させてもらう権利です。承諾があれば建物の中にも立ち入ることができます。

2 通行権

袋地になっていて公道に面していない場合に、公道へ行くために周りの土地を通る権利(囲繞地通行権)です。地役権と同じようなものですが、かならず通行料を支払わなければいけません。

3 樹木の切除

隣地の樹木が境界戦を超えているときに、枝を切るように請求できます。根っこならば勝手に切ってもかまいません。

4 境界線付近の建築

建物を建てるときには、境界線から50㎝以上離すように決められています。これに違反している場合には、建築を中止するように求めたり変更するように求めたりすることができます。ただし、完成後には請求できませんし、建築着手から1年以上経ったら請求できません。

5 境界標の設置

境界標を隣接と共同の費用で設置することができます。

6 目隠しの設置

境界線から1m未満の距離で窓やベランダなどを作るときには目隠しをつけなければいけません。

7 自然の水の妨害禁止

自然に水が流れてきているのを勝手に妨げてはいけません。

 

 

| まとめ

 

1 用益物権は他人の土地を利用する権利!

2 通行地役権と囲繞地通行権はよく似ている!?

3 地上権と賃借権もよく似ている!?



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家はどんな理由で買ってるの?

| 住宅市場同湖調査を発表

 

国土交通省は平成30年度の住宅市場動向調査報告書(約6.8MB、PDFファイル)を発表しました。注文住宅、分譲住宅、中古住宅、賃貸住宅、リフォームの5つについて調査しています。平成29年度中に住み替え、建て替え、リフォームを行った世帯を対象に、平成30年9月22日~12月28日に郵送したり訪問したりして回答を得たようです。

早速内容を見ていきましょう。

 

 

| 比較するのはどんな家?

 

住宅を買うときにどのような比較をしているのでしょうか。

1 注文住宅

注文住宅を取得した世帯では、70%以上の方が注文住宅を比較しています。その他には、分譲戸建(約23%)、中古戸建(約19%)などとなっています。

2 分譲戸建

分譲戸建を取得した世帯では、63%以上の方が分譲戸建を比較しています。その他には、注文住宅(約40%)、中古戸建(約23%)、分譲マンション(約22%)となっています。

3 中古戸建

中古戸建を取得した世帯では、63%以上の方が中古戸建を比較しています。その他には、分譲戸建(約37%)、中古マンション(約24%)、注文住宅(約23%)となっています。

4 分譲マンション

分譲マンションを取得した世帯では、75%以上の方が分譲マンションを比較しています。その他には、中古マンション(約33%)、分譲戸建(約24%)となっています。

5 中古マンション

中古マンションを取得した世帯では、75%以上の方が中古マンションを比較しています。その他には、分譲マンション(約30%)、中古戸建(約20%)となっています。

 

このようにみてみると、新築戸建や中古戸建を購入された方はマンションも含めていろいろと検討されているようです。マンションを購入された方は対象をマンションに決めて検討される方が多いみたいですね。

 

 

| なぜその家にしたの?

 

購入した住宅の種類によって購入した理由にもいろいろな意見があるようです。

1 注文住宅

・信頼できる住宅メーカーだったから 約50%

・一戸建だったから         約39%

・新築住宅だから          約37%

・立地環境が良かったから      約36%

約半数の方が住宅メーカーで決めたようです。

2 分譲戸建

・一戸建だったから         約54%

・住宅の立地環境が良かったから   約53%

・新築住宅だから          約53%

・価格が適切だったから       約37%

・デザイン・広さ・設備などが良かったから 約31%

立地の良い新築戸建住宅だから購入したという方が多いようです。

3 中古戸建

・価格が適切だったから       約59%

・一戸建住宅だったから       約58%

・住宅の立地環境が良かったから   約44%

・デザイン・広さ・設備などが良かったから 約34%

手ごろな一戸建住宅で、立地もよければなお良しと言ったところでしょうか。

4 分譲マンション

・住宅の立地環境が良かったから   約72%

・新築住宅だから          約56%

・マンションだったから       約54%

・デザイン・広さ・設備などが良かったから 約39%

・価格が適切だったから       約33%

新築マンションでは立地で決める方が多いようです。

5 中古マンション

・住宅の立地環境が良かったから   約60%

・価格が適切だったから       約60%

・マンションだったから       約37%

・デザイン・広さ・設備などが良かったから 約28%

・昔から住んでいる地域だったから  約25%

価格が手ごろで立地の良いマンションを選ばれているようです。

 

 

| まとめ

 

1 マンションの購入者は最初からマンションだけを検討!?

2 注文住宅では立地環境はあまり重要じゃない!?

3 マンションを選ぶなら何はともあれ立地!



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集中豪雨によるがけ崩れを防ぐ

| 宅地の造成を規制

 

近年は集中豪雨が全国で発生していて各地で甚大な被害を受けています。多くはがけ崩れや土砂の流出による被害です。そもそも日本は平地が少なく山間部が多くなっています。都市部では宅地開発が周辺の丘陵地に広がっていっています。大阪でもかなり山が削られて宅地になってきています。

以前の記事“土地選びで注意することは?”で丘陵地の縁辺部には注意が必要だと書きましたが、集中豪雨によるがけ崩れによる被害を受ける恐れがあるからです。

そこで、宅地造成を規制する法律があります。宅地造成によってがけ崩れや土砂の流出の被害を防止するための法律です。この法律でいう“宅地”は一般的な宅地だけではありません。次にあげる土地“以外”の土地すべてをいいます。

1 農地、牧草放牧地、森林

2 道路、公園、河川その他一定の公共の用に供する施設の用に供されている土地

 

2が分かりにくいですね。“一定の公共の用に供する施設の用に供されている土地”というのは、国公立の学校や運動場などに使われている土地のことです。これら以外がすべて“宅地”ですから、ゴルフ場や民営の墓地も宅地です。

宅地造成は、宅地以外の土地を宅地にするパターンと宅地で土地の形質を変えるパターンがあります。宅地の形質を変えるパターンには次の4つがあります。

1 高さ2mを超える崖ができる切土

2 高さ1mを超える崖ができる盛土

3 切土と1m以下の盛土をあわせて2mを超える崖ができるもの

4 上記の3つ以外で、切土や盛土をする土地の面積が500㎡を超えるもの

 

宅地造成工事が規制される区域は、都道府県知事が関係市町村長の意見を聞いて指定した地域です。災害が生じる恐れが大きい市街地や市街地としようとする土地が対象です。区域内で宅地造成をする場合には、原則として都道府県知事の許可が必要です。ただし、開発許可がある場合には知事の許可は不要です。

また、擁壁や排水施設などを作らなければいけません。宅地造成が終わった後には都道府県知事が完了検査をします。

さらに、所有者や管理者、占有者は宅地を安全に保全する努力義務を負っていますので、擁壁に日々を見つけた場合などは速やかに修復することになります。

これだけ厳しく監視されているということは、宅地造成が規制される区域は少し手を抜いてしまうと相当な危険があるということですね。大阪府では宅地造成工事規制区域の地図が公表されています。寝屋川市の一部、枚方市の丘陵部、四條畷市の丘陵部などは宅地造成工事規制区域に指定されています。このような場所も宅地として分譲販売されていますので、土地や住宅を購入するときには擁壁や排水施設にご注意ください。

 

 

| まとめ

 

1 豪雨によるがけ崩れ防止のための法律があります!

2 高さ2m超の切土、高さ1m超の盛土にはご注意を!

3 宅地造成工事規制区域内では所有者にも努力義務が!



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家を建てるには道路が必要

最近、若い女性に流行りのタピオカミルクティ。私は一度も飲んだことはありません。どんなものかさっぱり分からないので調べてみますと、タピオカはキャッサバから作られてるようです。イメージ的にはこんにゃく?

そのタピオカ専門店が大和田に開業したみたいです。大阪国際大学と大和田駅の間の常称寺町にある“タピオカ電球君”という店名です。タピオカ好きの人は一度行ってみてはいかがでしょうか?

 

| 敷地は道路の面していないとダメ

 

建物を建てる敷地は、日常的な通行ができるようにしたり、災害時の避難や消防活動をしたりできるように一定の道路に面していなければいけません。“建築基準法が定める道路”に2m以上接する必要があるのです。“建築基準法が定める道路”というのはどのようなものでしょうか。見ていきましょう。

まず、大原則として幅員が4m以上でなければいけません。これを満たしたうえで、次のような道路が“建築基準法が定める道路”です。

1 道路法による道路

2 都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法などによる道路

3 昭和25年11月23日以前に存在した道

4 道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法などによる新設や変更の事業計画のある道路のうち、2年以内に事業が執行される予定の者として特定行政庁が指定した道

5 政令で定める基準に適合する道で、特定行政庁から位置の指定を受けた道

 

このように挙げても分かりにくいですね。簡単に言いますと、公の道路、昔からあった道、行政から位置の指定を受けた道が建築基準法上の道路ということになります。

4m未満の道でも例外的に建築基準法上の道路として認められる場合があります。昭和25年11月23日以前に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定した道です。昔から住宅街の中にある細めの道ですね。

ただし、4m未満の道にしか接していない場合には、新たに建物を建築することができなかったり、道路の中心線から2mまでが道路とみなされてしまって再建築するときに敷地が狭くなったりします。

今までは道路の幅員は“4m”と言ってきましたが、実は道路の幅員がもっと厳しい地域があります。行政が指定する地域では道路の幅員は6m以上を原則とされます。6mの道路は意外に広くて、かなり厳しい基準になっています。

 

 

| 私道の場合はどうするの?

 

私道であっても、上で書いた3(古い道)や5(位置指定道路)、例外規定(2項道路)などに該当すれば建築基準法上の道路として認められます。最近の開発分譲住宅では、私道とせずに市に寄付をしてしまうことが結構あります。市道(公道)に接する住宅として高く売ることができるからでしょうか。

私道だと掘削に許可が必要だったり工事をするときに手間や費用が余分にかかったりしますから、そのような面倒がなるべく排除されていて個人的には好感を持てます。

私道は自分の所有の土地ですから、本来は自由に変更したり廃止したりすることができるはずです。ところが、私道を変更したり廃止したりすると、上で書いた接道義務を全うできない場合には、行政から変更や廃止を禁止されたり制限されたりすることがあります。

自分の土地だからと言って勝手に道がなくなってしまうと、近隣の人に多大な影響がありますよね。通行する道がなくなったり再建築ができなくなったりすると困ってしまいます。

 

 

| まとめ

 

1 家を建てるための道路は原則幅員4m以上が必要!

2 建築基準法上の道路には多くの種類があります!

3 前道が私道でも要件を満たせば家を建てることができます!



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お部屋探しのトレンドが分かった!

| お部屋探しは変わった!?

 

賃貸のお部屋を借りるとき、みなさんはどうしていますか?一般的な傾向として、若い方でしたらインターネットでスーモやホームズの中から探されているのではないでしょうか?少し社会経験が豊富になってきますと、インターネットで見つけた不動産屋を入念に調べてから問い合わせをして不動産屋を訪れます。お年を召してきますと、近くの不動産屋に飛び込まれるのではないでしょか?

お部屋探しの調査をウチコミ!を運営する(株)アルティメット総研が行いました。ウチコミ!の入居希望者会員を対象に、部屋探しと入居後のトラブル対策に関する意識調査をしたようです。

部屋を見るときは、一度不動産屋に出向いてから見に行く人が約64%、現地で待ち合わせる人が36%だそうです。今までは不動産屋で希望条件を出してそれに合う物件を見繕ってもらって数件をグルグルと回るのが主流でした。この結果で、今はスーモやホームズなどでお部屋を探す人が増えたことが分かります。

不動産会社へ行くことに抵抗がある人は約37%もおられます。不動産屋に行ってしまうと部屋を決めるまで帰してもらえないという恐怖感があるのでしょうか。インターネットで部屋を見つけて現地で待ち合わせというパターンが多くなっていることがわかりますね。

部屋探しで訪問する不動産屋は1件が最も多くて、1~3件で80%を超えています。インターネットを活用する人が増えているのでしょう。また、部屋を決めるまでに内見した物件数は3件がトップ。1~3件で60%を超えています。中には6件以上という人もいて、20%以上です。決められない理由は何なのでしょうか。気になります。

部屋探しで重視するポイントは初期費用が掲載されていることがトップで70%もいらっしゃいます。初期費用をかなり気にする方が多いようですね。初期費用には、敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料、保証会社保証料、当月家賃と翌月家賃などかなり高額になります。家賃5万円のお部屋の場合、30万円以上になることも多いです。

これらを見てみますと、インターネットでのお部屋探しが主流になりつつあることが分かります。ただ、ウチコミ!会員というインターネットを使ってお部屋を探されている方が調査対象になっていますから、当然にインターネットを活用されたことが分かる調査結果になります。一般的に考えると、また別の数字になるのかもしれませんね。

 

 

| まとめ

 

1 不動産屋は1~3件を訪問!

2 物件は1~3件を内見!

3 初期費用が決めて!?



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